ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ: ハイテク海洋動物学への招待 (光文社新書 315)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034160

作品紹介・あらすじ

ペンギン、アザラシ、ウミガメなどの水生動物は、海の中でどのように活動しているのだろうか?その生態は、直接観察できないため謎が多かった。だが、今や日本発のハイテク機器「データロガー」を動物に直接取り付けることによって、本来の生息環境下で、己の生存をかけてきびきびと動き回る動物たちの姿が解明されつつある。この分野では、教科書を書き換えるような新発見が相次いでおり、「バイオロギングサイエンス」という新しい学問が誕生した。いま、生物研究のフロンティアは水の中にある。

感想・レビュー・書評

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  • ▼福島大学附属図書館の貸出状況
    https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB90209468

    最近開発された特殊な機器をさまざまな海洋動物に取り付けて、海水中での動物の活動の様子を調べたというお話。その結果、表題のような法則や、ある状況で、鳥は変温動物であったり、カメは恒温動物であったりする・・など、教科書を書き換えるような発見が続出。その辺のあまり細かいことは理解できなくても、フィールド(主に南極)での実験中の苦労話や裏話だけでも面白いし、既成の学問の枠に囚われない著者の大胆なアプローチは、何かに取り組むときの元気の源にもなるかも。

    (推薦者:共生システム理工学類 小山 純正先生)

  • バイオロギングによる動物行動学の本。新書なので読みやすい。
    タイトルを見て、ペンギンとクジラでは体の大きさが全然違うし、クジラの方が早く泳ぐに決まってるでしょーと思って読み始めたのだけど、思い込みはいけないですね。バイオロギングの数値で色んなことが明らかになって、思い込みが覆される。
    バイオロギングの研究成果は面白いので、一般向けの本を見つけると読んでみることにしている。これからも色んなことが覆されていくんだろうなあ。

  • ペンギンやアザラシなどの海洋動物にハイテク機器「データロガー」を取り付けたことで見えてきた、本来の生息環境下で動き回る海洋動物たちの姿について書かれた本。

    本書を読むことで、動物たちにデータロガーを取り付けて生態の記録を採る「バイオロギングサイエンス」を知ることができます。

  • 高校時代、理系少年だった私は生物、脳科学、地学などなどノンフィクション系の本だとそういうのばっかり読んでいる。急に方向転換して美大に行った手前、もっと勉強したかったな~~~という思いがくすぶっているのである。ぶすぶす。
    敷居が高いと思われている理系本達だが、実は文系本より優れているな~と思うところがある。わかりやすいのである。理系の研究にはとかくお金がかかる。記録して、実験して、機械を調達して…と、論文にするまでに多額のお金がかかりるものなのである。ラット1つとっても手間もお金もかかるし。とすると研究者がどう考えるかというと、スポンサーゲットに必然、力を入れるのである。わかりやすく、おもしろく、メリットを説いて、お金を出させる。こうしたことが特に若い研究者の間では得意スキルになっているようで、そのため、ド素人のような読者でも読んでてわかりやすく書いてくれているのである(これは内田樹先生か誰かが言っていた)。
    そしてもう1つ、個人的に好きなことだが、この理系研究者達、情熱がすさまじいのだ。このペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐの著者はしょっちゅう南極に行ってペンギンやアザラシのデータロガーを付けているのだが、嬉々として1年半南極で研究生活を過ごし、帰国してまたすぐアメリカの研究者に誘われて南極にまた行っちゃうフットワークの軽さは、まわりの「大変だね~」的な考えなんぞ関係なし!で楽しそうだな~。我々ヲタクも軽いフットワークで情熱を燃やしていきたいですね。

  • アザラシとペンギンの潜り方の違いなど。ハイテク調査の場合、機材の開発経費と開発企業の確保、そして、フィールドの確保が決定的。
    ハイテク海洋動物学(バイオロギング)を博物学と称しているのは頷ける。

  • 実に刺激的、かつ文章にも工夫が凝らされていて一気に読める。
    最近こういう、若手・中堅研究者が自分の専門領域を面白く語る本が増えてるなあと感じる。本書はそのムーブメントのさきがけ、かな。

  • バイオロギングという海洋生物学の最新手法を活用した研究の様子を伝えてくれる。研究の息吹とでもいうものを感じる好著。研究者というものはどういうものかを知ることのできる本と思う。巻頭のペンギンのカラー写真が可愛い。

  • 【要約】


    【ノート】

  • データロガーを用いての海洋生態学の研究。この分野の研究がもっと進んで色んな謎が解明されることを願う。

  • バイオロギングは比較的海洋生物での利用が進んでいると思います。
    そんな、世界が垣間見れますよ!

    アリと象の心拍の話を個人的に思い出しました~

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著者プロフィール

佐藤克文 1967年、宮城県生まれ。東京大学大気海洋研究所行動生態計測分野教授。農学博士(1995年京都大学)。著書に『ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ』(光文社新書)、『巨大翼竜は飛べたのか』(平凡社新書)などがある。2020年より小学校国語五(東京書籍)に「動物たちが教えてくれる海の中のくらし」が掲載されている。ナショナルジオグラフィック協会のエマージングエクスプローラー受賞(2009年)。

「2020年 『海の中のくらし 動物たちが教えてくれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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