愚か者、中国をゆく (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034535

感想・レビュー・書評

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  • 20年前の中国鉄道旅行を回想しながら、話題は中国の鉄道事情から東洋と西洋、中国国内での文明の衝突など、幅広く展開される。

    文章の表現力が豊かで、どんどん引きこまれていく。この本は旅行記の枠を越え、中国社会の実像をとらえることに挑戦しているかのよう。
    著者は、政治の変化は抑えられたまま、経済だけが市場主義に突っ走る中国の勢いを目の当たりにし、警鐘を鳴らす。先に富んでいく者と取り残されていく者との間で、いつか文明の衝突が起こるのではないかと。

    中国を旅したことがある人は、きっと懐かしい気持ちになる一冊。
    2008.08読了

  • 1980年代、21歳でホンコンからウルムチまで列車旅行をした記録。切符を手に入れるために必死になったり、パートナーと険悪になったり、席に座るために心を鬼にしたり。なんでこんなに大変なの!?という疑問をほっとかず、その時々で発見を続ける筆者。大変そうと思いながらも、旅に出たくなりました。

  • 香港に留学中の日本人が中国を旅行した時の話
    天安門事件の前なので、今と時代は違うが、変わりゆく中国、巨大な中国、中国における外国人などが当時の目線でリアルに表現されている

  • 10年くらい前の本ですけれども、割と楽しめましたね…著者の文章がイイからか、中国の情景まで浮かんでくるよう…けれども、今の中国はもっと都会化しているでしょうねぇ…10年前に出版された本の上、1980年代に旅行したことをここには書いているんですから…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    中国人…主張の激しい人たち、というイメージですけれども、現代だとそれほど? 熱い人達ではなくなっているんでしょうか…なんか著者が中国の、現代の若者についてそのような感想を漏らしていたので…。

    今の日本はスマホ中毒の、それこそゾンビみたいに無反応な人間が増えているきらいがありますが(!)、中国はまだ人が会話を交わし、よくわからぬ熱気とやらに包まれているようで、できれば一度くらい訪れたいものですね!

    さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 中国放浪記の傑作、昔の中国の様子が臨場感満載でビシビシ伝わってくる。若さゆえの苦しみだとか、やるせなさ、そんなものを色々抱えながらシルクロードを目指す旅の記録。

  • 星野博美さんの、香港留学、アメリカ人留学生マイケルとのシルクロードへの旅が描かれた一冊。年代から行くと、「愚か者、中国をゆく」→「謝謝、チャイニーズ」→「転がる香港に苔は生えない」となる。ただ、この本で描かれた、香港返還の日の夜に、この時の留学生たち、マイケルも含んで、集まったと描かれたシーンは、転がる香港に…では描かれていないように思うがなぜなのだろうか。そして、親しい友人と描かれていたので、そう思って読み進めていたけど、読み終えるころには彼氏彼女でしたよね、ふたりの関係は、と思った。だからこそ、苦味をともなって思い出されるのだろうけど。香港というさまざまな文化が混在する場所ではうまくいっていた関係が、中国を旅し、さまざまな場面で異文化と衝突していくことで、次第にふたりの関係もぎくしゃくしてしまい、マイケルは閉じ篭るようにして観光もせずにドフトエフスキー「白痴」を読みふけるように。この本のタイトルに取られている、愚か者、はこの書名から来たのだろうと。ここに描かれたのはおよそ30年ほどまえの中国。巻末に2006年時点での変貌に触れられていたが、今の中国を描く一冊を読みたいというのは無いものねだりだろうか。以下備忘録的に。/旅という非日常の中では、金がないことで冒険が買える/ここはあまりに平等すぎて、特権がなければ非常に不便さを感じる社会なのだ/懸命に現地の価値観に慣れることで日常と非日常の差異が縮まり、無邪気な感動を妨げてしまう。観光して感動するとは実は難しい。/

  • 懐かしい中国。

  • 愚か者よ

  • 二年ほど 積読状態でした。
    天気が良かったけれど
    つい 億劫になって
    ひょい と 手にして読み始めたら
    これが 抜群に面白い

    歩く速さで考える

    というのは 星野さんのような方のことを言うのだ

    人に対しても
    その国(中国)に対しても
    ほど良い距離で
    ちゃんと 見て
    ちゃんと 考える
    その
    ものすごく難しい課題を
    難なくこなしておられる
    のが 素晴らしい

  • ただの旅行本じゃなく、作者なりの考察が随所にあって面白い。
    中国は他の国と比べて時代を早送りしたような変化や、さらに同時代でも海沿いの発達した地域と内陸の地域の差など、本当に大きな違いと矛盾を抱え込んでいるのが感じられる。
    中国に住んでいる人は毎日精一杯で大変なんだろうけど、部外者としてはぜひ行って体験してみたいなぁ。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。ノンフィクション作家、写真家。2001年『転がる香港に苔は生えない』で第32回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。2011年『コンニャク屋漂流記』で第63回読売文学賞随筆・紀行賞、第2回いける本大賞受賞。著書に『謝々!チャイニーズ』『銭湯の女神』『のりたまと煙突』『迷子の自由』『愚か者、中国をゆく』『島へ免許を取りに行く』、写真集に『華南体感』『ホンコンフラワー』などがある。

「2019年 『死ぬことと生きること 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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