- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334034559
感想・レビュー・書評
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日本語は同じ漢字文化圏の中でも訓読みを発達させた点で朝鮮語やベトナム語とは特異な位置にある。本書はその訓読みの様相を多方面から論じ、日本語における訓の多様性、面白さを存分に紹介している。同時に他言語における「訓読み現象」にも言及して興味深い。ただ、訓読みを問題にする場合、やはりその「功」だけでなく「罪」についても、もう少しつっこんだ議論があってもいいのではないか。専門用語と訓読みではおそらく鈴木孝夫氏を意識して、その利点をあげてはいるが、訓と音とのずれ、問題点にはついてはふれない。同訓異字もそうで、「はやい」を「早い」と「速い」に書き分ける場合、「早口言葉」は例外的というが、「速い」は「速度」の連想か、「はやく、はやく」「はやく来て」の場合「速く」は使いづらい。つまり、かなりハヤイ場合にしか使えないような気がする。もちろん著者も訓の問題点についてふれてはいるが、それは本来中国語を書くために存在した漢字を日本語に適用しようとしたことからきているというような議論にはもっていかない。それより著者としては「訓」の魅力の方を知ってほしかったのだろう。
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訓読みのはなし
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(推薦者コメント)
訓読みと音読み、日本の漢字の読み方にはこの二つがある。この本では、訓読みに焦点を当て、日本語を漢字にあててきた日本語・漢字の面白さを紹介する。 -
漢字は悠久の昔、中国大陸で生まれ、やがて周辺の朝鮮半島から日本列島、インドシナ半島にまで至る東アジア圏に広まり、各地で受け継がれてきた。元々は外来語であった漢字を日本に本来あった表記と適合させようという試みが「訓読み」である。このような試みは他の国々では全くなかったわけではないが、我が国において発展し、独自の漢字文化を築くこととなった。本書はこのような訓読みについて、文字・表記のシステムと運用の両面から取り上げ、関連する事柄にも触れた、興味あふれる書物である。最新刊。(師啓ニ先生)
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訓読みに関する何らかの考察本かと思ったんだけど、基本的にそうではない様子。いろいろな実例を紹介して蘊蓄を述べる本だった。
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日本語って、独特で複雑だよねえ。
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漢字の訓読みにスポットを当てた一書。とはいっても韓国やベトナムなど他の漢字圏の事例にも目配りがされていて面白いです。詳しくは<a href="http://d.hatena.ne.jp/rockfield/">こちら</a>です。
著者プロフィール
笹原宏之の作品





