「生きづらさ」について (光文社新書)

  • 光文社
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レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034610

作品紹介・あらすじ

いま多くの人が「生きづらさ」を感じている。一九九八年以降、自殺者数は毎年三万人を超え、毎日のように練炭自殺や硫化水素自殺のニュースが報じられている。鬱病など、心を病む人も増える一方だ。これらの現象は、現代社会に特有の「生きづらさ」と無縁ではない。その背景には、もちろん経済のグローバル化に伴う労働市場の流動化が生んだ、使い捨て労働や貧困、格差の問題もあるだろう。他方で、そういう経済的な問題とは直接関係のない「純粋な生きづらさ」もあるだろう。本書では、さまざまな「生きづらさ」の要因を解きほぐしながら、それを生き延びていくためのヒントを探っていく。

感想・レビュー・書評

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  • 「生きづらさ」というタイトルに惹かれて購入した本です。
    新しい貧困問題について,当事者の視点に触れています。福祉事務所等がこれらの貧困問題に対して対応できていないことについても書かれています。生きづらい状況について,心理的なことと社会的なことが関連していることについては分かりますが,ナショナリズムとは強引に結びつけているという印象です。確かに,社会システムや国の施策と大きな環境があるのですけど。

  • <図書館の所在、貸出状況はこちらから確認できます>
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=253684

  • 思索

  • 所謂ワーキングプアやニートといった層に於ける労働問題に焦点を絞らている。確かに今の日本社会に於いてそれが一番深刻な問題ではあるし、当事者にとってみれば"Dont push me, cause Im close to the edge/I'm trying not to loose my head(The Message)"といった状況であろうから、正に生き難い時代なのだろうとは思う。


    が、「生きづらさ」を感じるのは何処にも所属せず自立しているフリーターたちが"約束の地"ばかりに目指す正社員にあっても"edge"は視界に入っているのだ(雇用されている側、資本側という問題なのか?

    否、そうではないはずだ。経営者だっていつ会社が潰れるかどうか)。下流(とあえて呼ぶが)から上流に上がってくる空気はとても日本社会を生き辛くしている。

  • 著者はその豊富な体験や伝聞情報を数多くのこのような対談本で毎回異なる立場の対談者と語る事によって、問題をあぶりだそうとしているように思われる。同じ著者による他の同様本を当たる事で、対談者による見解の相違が分かって面白い。

  • 貧困、アイデンティティ、ナショナリズム
    http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334034610

  • S368-コウ-358 300026812
    (光文社新書 358)

  • この本を読んで思ったのは、自分は恵まれているんだと思った。私は新入社員の頃それほどコミュニケーション能力もなかったので、時代が違えば、非正規でワーキングプアをやっていたかもしれない。そうなってしまうと這い上がることは難しく、今のような生活を送れていなかったかもしれないと思った。あと、非正規だと代わりはいくらでいると言われ、自分のアイデンティティを確立できないので、いきなり国家に所属するという思考に飛躍するというのも、今日の右傾化と相関がありそうなのは納得した。

  • 雨宮処凛・萱野稔人"「生きづらさ」について"を読む。

    労働者の貧困についての言説で知られるジャーナリスト雨宮氏と津田塾大で権力構造の研究を行う萱野准教授との対談。

    雨宮さんといえば、いじめ経験、居場所を求めての右翼団体入り、のちの労働問題から左翼への転向という経歴で、なにやら薄っぺらいサヨくささを感じるイメージでしたがあにはからんや!少女時代のいじめ経験を振り返り、そこに構造的分析を行う目線は冷静そのもの。

    いじめ経験を振り返り語る、クラス内での過剰な同調圧力、生きづらさの根源。不機嫌な職場に通じるものがあります。

    【引用】
    ◯空気を読んでいるときが一番きつかったともいえますね。…教室内や部活内のいじめがいつ自分に来るんだろう、と日々ビクビクして過ごしてあましたから。いつか自分にくることはわかっていて、そこから逃れるために一日中神経を使うという状況のほうが、いじめられているときよりもある意味できつかったかもしれない。

    ◯(萱野准教授)いじめは、子供や若者たちのコミュニケーション能力が下がって、人間関係が希薄になったから起こっているのではありません。逆に、コミュニケーション能力がここまで要求されて、何らかの緊張緩和がなされないと場を維持することができないから起こっている。そこで実践されているのは、空気を読んで、相手の出方を先回りし、まわりに配慮しながら場を壊さないようにする、という高度なコミュニケーションです。

  • んー、自己責任で自殺するくらいなら他に責任を転嫁させるべきってのは賛成。
    みんなが生きていけるような社会にするべきってのも賛成。

    ただ、本を読んでいて気持ち悪くなっちゃうのは、社会のせいにしすぎて、努力をするっていうことを一切書いていない。妬み・僻みに見えてしまう。


    読みやすい本ですよ!

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著者プロフィール

哲学者、津田塾大学教授。一九七〇年年生まれ。専門は哲学、社会理論。パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了。博士(哲学)。『国家とはなにか』(以文社)、『カネと暴力の系譜学』(河出書房新社)、『死刑 その哲学的考察』(ちくま新書)など著書多数。

「2019年 『リベラリズムの終わり その限界と未来』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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