できそこないの男たち (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
3.85
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本棚登録 : 1455
レビュー : 232
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034740

作品紹介・あらすじ

「生命の基本仕様」-それは女である。本来、すべての生物はまずメスとして発生する。メスは太くて強い縦糸であり、オスはそのメスの系譜を時々橋渡しし、細い横糸の役割を果たす"使い走り"に過ぎない-。分子生物学が明らかにした、男を男たらしめる「秘密の鍵」。SRY遺伝子の発見をめぐる、研究者たちの白熱したレースと駆け引きの息吹を伝えながら「女と男」の「本当の関係」に迫る、あざやかな考察。

感想・レビュー・書評

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  • 第5回(文理横断ビブリオバトル)
    チャンプ本

  • 3.8

  • 生物の基本仕様は雌で、雄は急造された遺伝子の運び屋に過ぎない。急造されたものなので、いろいろ不都合があり弱い。
    生物の話としては興味深く面白かったけど、生物学的な話と、著者の回想を合わせた部分の繋ぎが、どうにも私には合わず、読む呼吸を乱す読みづらさがありました。

  • 悲しい終章。
    研究はどこまでも途上にあるのか。
    愚かな男達が歴史を綴ることにあくせくしてきた。

  • 生物学的にオスはメスから派生したものであり、それ故生物として不完全なオスはメスより弱い。その役割はメスが綿々と紡いでいる系譜を橋渡しする使い走りに過ぎない。自虐的とも思える表現で興味に引いておいて、生物学的なオスとメスの関係とその探究の歴史を紹介している。

    読者に生物学的な専門知識を要求せず、わかりやすい比喩を用い、余計とも思える逸話などを織り交ぜながら進められるストーリーは文学的ですらある。

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  • サイエンス

  • うん、オスはメスの不器用な変異に過ぎず、母親の遺伝子を別のメスに届けて多様性を確保するための使い捨てのパシリなのね。その辺の知見は目新しくはないけど、一番最後の、なぜその使い捨てのオスが(特に人類において)世界を支配しているように見えるのだろうか、というところ。メスの欲張り過ぎの結果なんだという意見は耳に痛くて真実味がある。

  • 独特の比喩による文章がうまいしスラスラよませる。わかりやすいせいでやたら記憶に残りやすい。
    ただ、ほとんどマル激でいってたことなので、放送を見た人は買わないでもよかったかもしれない。

  • さすが福岡さんの本。格調高い文体で、科学の世界の競争のダイナミズムを描き出し、わくわくしながら一気に読み切った。内容的には難しい生物学の本と思うが、それを感じさせない文章と思う。
    男は女から作られたというキリスト教では受け入れられそうもない思想であるが、欧米人はこの事実をどう受け容れるのだろうか?非常に不思議だ。
    しかし、福岡さんの本を読むと、生物学の世界に入りたいと思ってしまう。
    -------------
    bookloversで本人より紹介
    DNAから見た男の姿(弱さ)を紹介しているとのこと。

  • 学者ばなれした文章で読ませます。しかし加速覚ねぇ。あとメスがデフォルトであることの進化学的な検証は出来るのだろうか?

  • 雌雄の種別のある生物のオスは、メスの派生である。であるならば、メスに、ある遺伝子を加えればオスが生まれるはずである。人類(おそらくすべての哺乳類も)の雌雄を決めるこの遺伝子はSRYと呼ばれ、当然ながらY遺伝子上に存在する。この遺伝子がメスとして発生した固体をオスにするためのさまざまな遺伝子をオンにする。このメカニズムは分子レベルで証明されている事実である。 この事実を踏まえ、思考をさらに続けると、次のような疑問が自然と湧いてくる。「オスは、なぜ必要になったのか。つまり、オスが存在する生物進化上の理由はなにか」。本書ではこの疑問にも踏み込む。単性生殖にくらべ有性生殖が有利な点は、遺伝子の組み換えが起こることにある。この組み換えにより固体の特徴に紛れが生まれる。この紛れが環境に対するよりよい適応であった場合、これを進化と呼ぶことができる。であるならば、オスの必要性は明らかである。つまり、遺伝子の交雑、またはメスから他のメスへの遺伝子の配達、これこそがオスの存在理由である。これが本書の趣旨である。 文書を書くことが本職でないことを疑いたくなるほどの洗練された美文で組み立てられたロジックは読んでいてうっとりさせられるほど見事。しかも前提知識をほとんど必要としないため、まったくの生物学門外漢にもすんなりと読める。すばらしい。 すべての人にお勧めしたい。特に男性に。男性本来の仕事について書かれているのだから。

  • 「生物学」をめぐる最高のミステリー。

    若干難解な部分もあるが、それを飛ばし読みしてでも読みとおす価値はあります。

    社会で偉そうにしている男が、生物としては、いかに不完全か。一気に読ませる、相変わらずの文章の美しさです。

  • 生物学的に間違いなく、かつ情景が浮かぶような巧みな文章は、読んでいて気持ちがいい。先生の言う、加速感と似てる…かな?w

  • 遺伝子学的に男性はどうやって作られるのか、相変わらず小説のような書き方で分子生物学がスラスラと入ってくる。エピローグで一番の衝撃を受けるのは何度目だろうか、他の著書と読み合わせてみると数倍面白いと思う。

  • 最初はなかなか進まないけど、がんばって読んで行くと面白くなる。人生のネタが増える。

  • 生物の基本仕様としての女性を無理やり作りかえたものが男であり、そこにはカスタマイズにつきものの不整合や不具合がある。つまり生物学的には、男は女のできそこないだといってよい。だから男は、寿命が短く、病気にかかりやすく、精神的にも弱い。しかし、できそこないでもよかったのである。所期の用途を果たす点においては。必要な時期に、縦糸で紡がれてきた女系の遺伝子を混合するための横糸。遺伝子の使い走りとしての用途である。

    同著者の『生物と無生物のあいだ』でも感心させられたが、分子生物学に詳しくない人にも分かり易く例を用いて、科学的な先端知識について説明しストーリーを読ませる文章に驚く。

    昔読んだカール・セーガン博士の『コスモス』を意識されているかどうか分からないが、それと同様な書きぶりで、これから理系を志す若い人にも是非読んで貰いたいと思う。

  • 男になる遺伝子発見の経緯の説明。
    人間の遺伝子には、いくつかのタイプがあるが、日本人の遺伝子はそれらの混合種。単一民族といわれているが、遺伝子レベルの長さで見ると単一ではない。
    生物としては、女性が基本で遺伝子に変化をつけるために男性が存在する。常に同一のY染色体を引き継ぐという点でお世継ぎ問題というのを考えている。
    女性が楽をするために男性を発生させた。しかし、楽をしようとしすぎて男性社会になってしまった。

  • 生物学者の福岡伸一先生の著書。全ての生物の基本は女性で、男性は補助的な役割を果たしているに過ぎない。だからこそのできそこないの男たち。福岡伸一先生、文章がとてもお上手で読みやすい。

  • 師匠(男性)が読んでめげたと聞いて、ななめ読み。
    女性の自分はちょっとした自信をいただきました。

  • 「生命の基本仕様としての女性を無理やり作りかえたものが男」、「生物学的には、男は女のできそこない」、が本書のテーマ。オスが「ママの遺伝子を、誰か他の娘のところへ運ぶ「使い走り」」に過ぎない、生物学的に不完全で「寿命が短く、病気にかかりやすく、精神的にも弱い」存在であるのとも。
    性とは、特に男性って一体なんなのだろうって改めて考えさせられた。
    著者の文章には、理系特有の固さや理窟っぽさがなく、叙情的と言うか、で何ともいえない趣がありました。

  • 基本的に生物はメス前提、遺伝子シャッフルのためにしぶしぶオスをつくったけどデフォルトがメスベースだからオスの方が生物として弱っちいし不完全、という話。ものすごく面白かった。人間の場合メスがオスに対して多くを求めすぎた(欲張りすぎた)ため、オスが余剰を手に入れることとなり社会がオスベースで作られることになってしまったのでは、という筆者の一意見にも納得。第六感としての加速覚というのも非常に興味深い話だった。

  • 生物の基本形はメスであり、オスは遺伝子の運搬のためにメスを改造したもの。この話を中心に、どのようにしてメスからオスになるのか、その発見の過程などについて書いてある。

    何年か前に「女性は産む機械」と発言して問題になった人がいたが、生物の進化の過程を考えるとむしろ逆である。遺伝子の運搬をさせるために男性が作られ、その他面倒なこともどんどん押し付けるようになった、という方が近い。ところが人間の場合それが逆転し、今では押し付けた仕事が自己実現の手段となり、家庭に閉じ込めることを悪となっているのが面白い。とはいえこれは「個体の生きる目的が子孫を残すこと」が前提の考え方である。実際には普遍的な意味での生きる目的など無いわけで、各々がやりたいようにすればよい。ということを考えてしまう本。

  • いろいろと肩すかし。
    まず、文章。典型的な「己の文才に自信のある理系が書いた文」なのだが、それが悪いほうに出ている。変に凝ってこねくり回した比喩が、一般人には馴染みのない科学的事実の理解をむしろ阻んでいる。あるいは、科学史を語るマクラに抒情的、しかも筆者個人の感傷を挟んだ情景描写を入れてみたり。いや、そのウェットさ、要るか? 本題から思いっきり浮いてるし。
    冒頭〜中盤までの専門家にしか書けない内容はとても面白く読んだが、途中からいきなり有名教授のスキャンダル話になったりして、なんでこんな散漫なの? と思いきや、案の定どこかで連載した小エッセイをまとめたものだった。ありがちな形態ではあるが、一冊にまとめる時は、多少なりとも統一感を出してくれ。それが「単行本化作業」というものだろう。何でもかんでも、入れりゃいいってもんじゃない。
    そして、タイトルが完全に詐欺。「デフォルトがメスである生物をオスに変える」以外まるで能がないジャンク遺伝子・Y染色体と、その哀れな乗り物・男。それを評して「できそこない」とは確かに的確ではあるのだが、だからと言って口先だけ「あっしらそーゆーカワイソーな存在なんっスよ」とヘラヘラ卑屈に笑いつつ、その実まったく頭を低くしていないこと、世に蔓延る「自称・恐妻家」のごとし。男は弱いんだよー、死にやすいんだよー、「だから強くて立派な女性たち(こんな時だけ褒めてみせる)、俺たちをヨチヨチ甘やかしてー」。あげく「有能な女たちがそんな無能になぜ覇権を奪われたというと、調子に乗って男をこき使いすぎたからだw」ときやがった…!
    名高い著者のことだから、論理的に、淡々と、明快に、生物学的に、「男はできそこないであること」のみを述べてくれているのかと思いきや。ただの雑文集かよ、とかなりの肩すかしをくらった。そういうものを求める分には、別に悪くはないだろう。

    2017/3/11読了

  •  イヴはアダムの肋骨からつくられたのではなく、アダムがイブからつくられた。生物学的にはこのほうが正しい。

     生命はもともメスから発生する。状況によってメスがオスに変化するのだ。単性生殖する生物も初めにメスがあり、なんだかわかよくわからないが、時々オスをつくったほうが子孫を増やすのに都合のいい時機があり、そのときにオスに変化する。


     人間も生命の誕生(発生)当初はメスだ。そこにオスに変化させる遺伝子がくっつくとオスになる。
    男性の生殖器にはメスがオスに変化したときの痕跡(穴がふさがって閉じられた縫い目のような跡)がある。


     昆虫の世界をみるとオスはほとんど使い捨て。メスだってほんとはオスになんてなりたくない。そんな貧乏くじは引きたくない。もしかしたら虐待かもしれない。


     できそこないの男という意味は、男の中にできそこないがいるということではなく、思うに、メスのできそこないがオスなのであって、全てのオスはできそこないということか。


     なんだと〜!? そんなひどいことがあるもんかっ、そこまで言うなら証拠を見せてみろ!


     と声を挙げる男性諸氏もおられるであろう。


     はい、どうぞ。この本に書いてあります。

  • エッセイをまとめたもののようだけれども、
    1冊の新書として、すべてつながるようになっていて、
    読み物として、しっかりしている。

    女から男ができる、というのは、出産という意味においてのみならず、
    そもそも生物学的にも、発生過程においても、
    という深い深い説明がなされていて、大いに納得。

  • 生物の基本仕様であるオスとメスの発生に迫る。学術的なのに内容のはずなのに、人間ドラマやエッセイ風の体験談を織り交ぜてまるで小説のように文章をつなげてくれる。単純に知的好奇心が刺激されるし、文章はいいし、もしかしたら人に話せそうな内容だし、すごくいい本だと思う。

  • 生物の歴史においてはオスはメスの使いっ走り、生物のデフォルトである女性を無理やり作り変えたものが男であるという論も、それほど新しさを感じさせない。あとは、男による余剰、権力の生産、云々という経済人類学みたいなことになる。最後の加速感も切れが悪い。

  • ミソジニー的な人と話す時に使えそうなネタがけっこうありました。
     
    あと、エピローグに生殖行為の快感が、ジェットコースターが落下するときの感覚に似ていると書いてあったのですが、私も昔からそれ思っていたんですよ。
    「私の場合」かと思っていたんですけど、もしかして、この感覚が似ているのは一般的なことだったんですかね・・・。
    私は遊園地に行くと特にバイキング(船がずっと揺れるやつ)に乗りまくっていたんですけど、こういう感覚を皆知っているのだとしたら、猿のように乗りまくるのはちょっと恥ずかしいかもしれないと思いました・・・。

  • アダムはイヴから生まれる。

    本来人間(生物)は女性がスタンダードであり、女性としての成長途中に一作用追加することで男性を後から追加的に作製。
    女性として必要な器官の成長を止め、或いは流用し、男性を創る。そんなちょっと無理くり(?)且つ後付的に女性の身体を流用して作り出された男性の寿命が女性に比し短いのは必定らしい。しかも、男性ホルモンは人間の免疫作用を低減させる効果もあるとのこと。

    生物としては男は弱いんです、いたわってもらえると幸いです。。。

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著者プロフィール

青山学院大学 理工学部 教授

「2019年 『マッキー生化学 問題の解き方 第6版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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