精神障害者をどう裁くか (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 199
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035013

作品紹介・あらすじ

「野放し」と「厳罰化」のあいだ-。なぜ「心神喪失」犯罪者たちは、すぐに社会に戻れるのか。なぜ刑務所は、精神障害者であふれるようになったのか。

感想・レビュー・書評

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  • 精神疾患者の家族を持つ者として、気になる分野であったので読んでみた。世界と日本の歴史を経て、精神衛生法から精神保健法、精神保健福祉法、その他の制度への推移。歴史的経緯や制度を学ぶのにとても良い本だと思う。(個人的には第五章から急に面白さが増し、後半は一気読みだった)明確な答えがある問題ではないだけにとても考えさせられる。

  • なにげなしに読んでみた本だったが、非常に考えさせられる本だった。
    この本を読むまでは私は触法精神障害者によって、被害を受けた被害者側の立場にたって物事を考えがちだった。もし自分や自分の家族が、何か事件に巻き込まれたとき、その加害者が心神喪失や心神耗弱を理由に、刑罰を減免されたら…
    とても理不尽に感じると思う。そんなのおかしいと思うかもしれない。それはそれで咎められることではないと思う。
    ただ、この本を読んだことで、(触法)精神障害者の人たちもまた、病と闘う人たちなのだという視点を得ることができた気がする。もしかしたら私だって、精神障害を抱え得るという可能性に気づく。そうしたとき、とても苦しい気持ちになるだろうと想像する。
    この本によって過去に、そして現在に触法精神障害者がどういう扱いを受けているのかを、知ることができた。
    難しくはあるけれど、被害者と、加害者と、どちらの立場もが大事にされるのが理想なのだろうと思う。
    最後に述べられていた、社会には精神障害者の居場所がないということはやっぱり考えさせられずにはいられない。

  • 社会
    思索

  • 仕事で必要に迫られて読む。
    精神障害者に関する歴史、法律や法律の考え方が整理されており、精神保健福祉法や医療観察法を理解する入門書としてとても役に立った。

    著者の考えが保安処分を許容する傾向にあることは少しきになるが、精神科医と弁護士との考え方の違いは否めない。
    また、歴史や制度の説明が主題なので、自分や家族に精神障害が認められた場合や被害者になってしまった場合にどうすべきか、将来制度をどう改善すべきかについてまでには議論が及んでない。
    他方で、現在の(出版当時の)精神医学の水準についての説明(多少抽象的ではあるが)や具体的事例における精神鑑定結果の批判的検討が分かりやすく参考になる。

    最新の統計や事例がアップデートされたら改訂版も買って読みたい。

  • 精神障害者には罰を下さず治療を優先。
    罪に問わず強制入院させるのであれば、実刑判決したあとに治療に専念すればいいのでは?

  • 精神障害者についての基本的な事項が整理されていて、とても分かりやすい本です。精神障害者問題についての歴史的経緯を概観することができます。歴史的経緯を知らないと、今起きている問題をきちんと理解することはできないと思いました。

    精神障害者問題は古くからあって、今なお解決策が見出されていない問題。触法精神障害者は、犯罪の加害者であると同時に病に苦しむ人でもあるという言葉が印象に残りました。社会にとって、本人にとって、一番いい方法は何なのでしょうか。少なくとも、今の時代において検討されるべきは、司法と医療が、協力してこの問題に取り組むことなのかなと考えました。

  • とても興味深い内容だった。

  • 精神鑑定について、一般の人に説明するのに示唆に富んだ内容だった。司法精神医学に影響を与えた精神分析の悪い面についても、反省させられた。(って、私が反省することじゃないけど…)

  • 暗澹たる思い。問題はここに至るまでに手が打たれないこと、そして、精神障害者の居場所が無い社会か…。その一手一手は小さくとも、打たずにいた結果に対して払わされる代償が大き過ぎる…。

  • 岩波明氏の本は二冊目。
    最近興味を持っていた精神障害者の法律について書かれていたので、読みました。

    措置入院、医療保護入院や、最近できた医療観察法、昔の精神障害者の扱われ方から現在に至るまでの歴史など、とても勉強になった。

    たまに挿絵や写真が載っていて、当時を想像することができました。。

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著者プロフィール

昭和大学医学部精神医学講座主任教授(医学博士)。1959年、神奈川県生まれ。東京大学医学部卒業後、都立松沢病院などで臨床経験を積む。東京大学医学部精神医学教室助教授、埼玉医科大学准教授などを経て、2012年より現職。2015年より昭和大学附属烏山病院長を兼任、ADHD専門外来を担当。精神疾患の認知機能障害、発達障害の臨床研究などを主な研究分野としている。著書に『他人を非難してばかりいる人たち』(幻冬舎新書)、『精神鑑定はなぜ間違えるのか?』(光文社新書)等がある。

「2020年 『医者も親も気づかない 女子の発達障害』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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