ウォーホルの芸術 20世紀を映した鏡 (光文社新書 458)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035174

作品紹介・あらすじ

20世紀を代表する美術家であるアンディ・ウォーホル(1928‐1987)は、生前における多方面にわたる活躍やメディアへの頻繁な露出から、これまで様々な流言飛語に曇らされ、毀誉褒貶に包まれていた。しかし、1989年にニューヨーク近代美術館で大規模な個展が開催され、94年にはアメリカにある個人美術館としては最大のアンディ・ウォーホル美術館が開館するなど、その多面的な芸術は正確に評価されつつある。「孤独なトリックスター」の実像とは-。本書は、日本での大規模なウォーホル回顧展にも関わった美術史家が、ウォーホル芸術の意味と本質に迫り、それを広く美術史の中に位置づける画期的論考である。

感想・レビュー・書評

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  • とても読みやすいアンディ・ウォーホル解説書。アンディ・ウォーホル・キョウトに向けた予習として読了。

  • 825

  • 宮下さんの本としては、はじめの頃なんですよね。でも、語り口はおんなじなんです。ぼくは好きですね。https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201906130000/

  • キャンベルスープ、モンロー、毛沢東 etc. どんな背景で生まれてきたのかわかった!う〜ん。奥が深い。笑 関連書籍、あと2冊読むぞ!

  • 自分の思う素晴らしき軽薄さみたいなのをウォーホルはすでに表現していて普通にすごいとおもいました こういうのを文芸とか音楽でやりたい

  • モダンを否定したポストモダンはプレモダン、古典、土俗との共通性がある。宮下氏を通して、ウォーホルにそのことを見る。人間には時代に左右されない要素や構造がある。

    ・モンロースマイル
    ・写真は恐怖、絵画は哀悼
    ・イコンは媒介

  • ウォーホルの人間性に深く迫っている。ただ、正直言うと割と一般の人もそう思うだろうな、という話が多く、余り発見がなかった。要は彼はクールでそこらの芸術家とはカテゴリが違うということ。

  • ポップであることの本質は誰にでもアクセスできることではない、誰からも切り離され、ただ時代のみと繋がっている事だ。大量生産によるイメージの喚起というウォーホルのコンセプトは資本主義と社会主義、20世紀における2つの思想の交差点であり、同時にシルクスクリーンを効果的に用いたアナログな手法は今となっては図らずしも前世紀的な意匠を感じさせてしまう。彼の作品は芸術でありながら自己表現とは無縁であったが、彼の人間性にまで踏み込んだ本書を読んだ後には、逆説的にそれこそが自らの人間性を守る手段であったのかもと思えてくる。

  • 20131207

  • ウォーホル作品のタナトス的側面に対して、
    思い入れが強すぎる気がした。
    とは言え、悪い本でもない。

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著者プロフィール

宮下 規久朗(みやした・きくろう):美術史家、神戸大学大学院人文学研究科教授。1963年名古屋市生まれ。東京大学文学部美術史学科卒、同大学院修了。『カラヴァッジョーー聖性とヴィジョン』(名古屋大学出版会)でサントリー学芸賞など受賞。他の著書に、『バロック美術の成立』(山川出版社)、『食べる西洋美術史』、『ウォーホルの芸術』、『美術の力』(以上、光文社新書)、『カラヴァッジョへの旅』(角川選書)、『モチーフで読む美術史』『しぐさで読む美術史』(以上、ちくま文庫)、『ヴェネツィア』(岩波新書)、『闇の美術史』、『聖と俗 分断と架橋の美術史』(以上、岩波書店)、『そのとき、西洋では』(小学館)、『一枚の絵で学ぶ美術史 カラヴァッジョ《聖マタイの召命》』(ちくまプリマー新書)、『聖母の美術全史』(ちくま新書)、『バロック美術――西欧文化の爛熟』(中公新書)など多数。

「2024年 『日本の裸体芸術 刺青からヌードへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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