二大政党制批判論 もうひとつのデモクラシーへ (光文社新書 424)
- 光文社 (2009年10月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334035273
感想・レビュー・書評
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学ぶべきところはあるが、いまいち釈然としない。
どーすりゃいいんだ。
二大政党制=成熟したデモクラシー+ダイナミック
政権交代下でのみデモクラシーは成立。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
[ 内容 ]
47%の得票で74%の議席獲得。
民主党圧勝は民意といえるか?
時代遅れになりつつある二大政党制の欠陥を指摘し、政党政治とデモクラシーを、いま改めて考える。
[ 目次 ]
第1章 政党はどのような存在なのか(「部分」としての政党 歴史の中の政党 ほか)
第2章 政治改革論と「政治工学」の始まり(有識者会議の提言 「小選挙区」か「併用制」か ほか)
第3章 二大政党制の誤謬(「デュヴェルジェの法則」と二大政党制 「単峰型社会」での政党政治 ほか)
第4章 歴史の中の政党政治―なぜ社会に根付かないのか(3つの革命と政党 社会ネットワークの中の政党 ほか)
第5章 もうひとつのデモクラシーへ(忘れられた「憲政=コンスティチューション」の政治 「闘技デモクラシー」の可能性 ほか)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
二大政党制のメリット・デメリットがそれなりに整理できる。日本はイギリス型も二大政党制を目印に改革を行ってきたようだが、どうもそれは的外れであるらしい。
それには日本の民主化の流れの中で、政党が社会に根付かなかったことが問題のようだ。この辺の議論は面白かった。
ただし、「じゃあどうすんの?」ってことで提示されている方策は、どれも最後にちょちょいと書いたような逃げの議論に終わり、残念。 -
「極論だが、マニフェストがありとあらゆる政策をあらかじめ規定しており、そのための財源や実現手段も明確にしているのであれば、政治家や政党が政治を担う必要性は著しく低まることになる」
「しかし、それでは政治そのものが否定されることになる。私たちが政治を必要とするのは、予見できない課題や新たな利害対立が生じた場合、万人に対して説明責任を果たし、秩序立てて説得したりするようなリーダーシップや集団的な行動がどうしても求められるからである。これが政治を政治たらしめている所以であるとすらいってよいだろう」(p140~141)
という部分は、なるほどなと思った。政治の役割を、諸利害対立の「調整」のような狭い射程に限定することなく規定したことに感銘。