「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書) (光文社新書 439)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035426

作品紹介・あらすじ

ベストセラー『はじめての課長の教科書』の著者が、注目企業での実務経験に基づいて、人材育成プログラムの論理的な背景と、プログラム導入の実践上のポイントを概説。IT系ベンチャー企業のフリービット株式会社で、著者が実践し、注目を集める育成プログラムを初公開。

感想・レビュー・書評

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  • 初期にポテンシャルを見抜くのは中々難しいですが、何かしら滲み出る部分を感じとれるようになることは可能なのか。
    どんな人材でも差はあれど伸びるのだろうか。

    そんな疑心な今日この頃に読んでみました。

  • ”タイトル買い→一気読み!
    ---
    T:
    P:
    O:
    ---
    <一言>
    酒井穣(じょう)さん。フリービット株式会社 戦略人事部ジェネラルマジェージャー 兼 経営企画グループリーダー。
    <読書メモ>
    ・卒啄同時(そったくどうじ)…禅において、師匠から弟子への知恵の伝授が行われるときの心得のこと(p.1)
    ★第6章では(中略)導入した人材育成プログラムがどの程度ターゲット人材のパフォーマンス向上に役立っているのかのみならず、「人を育てる社風」の形成度合いを測定するための方法を提案します。(p.11)
    ・人材の3つのタイプ(CCL マイク・ロンバルト氏)
     積極的学習者(全体の10%)
     消極的学習者(全体の60%)
     学習拒否者(全体の30%)
    ・人材育成とは、人材のパフォーマンス向上を達成する活動である (p.50)
    ★自分の能力を出し切るためには、まず自分で自分の可能性を信じてあげることが重要だと思います。さらに弱気になりがちな自分を、「君の能力は、そんなものではない」と叱咤激励してくれる家族や友人の存在が絶対に必要です。(p.67)
     #そうでないと「自分の能力では、今の仕事ぐらいがちょうど良いのだ」と考えるようになってしまう
     ##これ、いま起こっていることでは?
    ・退職していく人材は、自社の「卒業生」である (p.82)
     「楽天MAGAZINE」などで退職者のその後をフォローしている
     #へ?、Tさんに見せてもらおう!!★
    ★人は「教えた瞬間に学なくなる存在」なのですから、人材育成のデザインは「教えずに学ばせる」ことをめざさねくてはなりません。(p.99)
     #p.97 の自発・受身 × 座学・経験 マトリックスとあわせて紹介しよう!!★
    ・マネージャーの機能
     機能4:社内外の個人や組織との連携 (p.113)
    ・キャリア・パスの4象限モデル (p.116)
    ★バックワード・チェイニング
     行動8から始めて行動1に至る方法
     ・最後までやりぬいたという充実感
     ・つねにゴールのテープを着るという成功体験を積ませつつ、徐々に難易度を高めていく経験のデザイン
    ★教えると学ばないのが人間という生き物なのです。(p.134)
     ★p.99とあわせて。
    ★ARCSモデル by ジョン・M・ケラー教授(p.138)
     Attention
     Relevance
     Confidence
     Satisfaction
    ・「日本で最も人材を育成する会社」リーグの設立
     ★興味のある会社の方はご連絡を!
    ★人事育成に対する組織の準備状況を測定するための質問 (p.167)
    ・フリービットの人材育成プログラム
     - 読書手当「道真公の愛」…給与明細に印字。手当がゼロでも驚かないが、愛がゼロだと・・・
     - Yammer(イントラtwitter)”

  • 『これからの人材育成の実務は、「研修のデザイン」ではなくて、「経験のデザイン」という方向に向かいます。

    ですから、実質的に「人材の現場への放置」を意味してきたOJT(On the Job Training)の時代も終わりなのです。

    この点において経営戦略のギアを正しくシフトさせることができない企業は、驚くべき速度で世界中の企業から取り残されることになるでしょう。

    なぜなら、これからは企業が人材に選ばれる時代に突入し、経験のデザイン含め人材育成プログラムの充実の度合いは、こうした人材が企業を選ぶときに最も重視するポイントになってくるからです。』

    その通り!

    ハイパフォーマーを育てるのは「研修」ではなく「経験」で、その「経験」をいかにプロデュースするかが人材育成のミッションだという主張にはげしく共感。

    そして、次の方針で「経験」と「研修」を実施するのが効果的だという考えが非常に参考になった。

    A群(積極的学習者)。黙ってても主体的に学習し育つ一割の社員には最適な「経験」を。

    B群(消極的学習者)。働きかけがあればきちんと学ぶ六割の社員には必要な「研修」で導きながら「経験」を。

    C群(学習拒否者)。学びを拒絶する三割の社員には諦めずに信じて接すること。

    なかなか面白かったなぁ〜。

  • ・成功を収めているビジネスパーソンを100人集めて成功の要因を聞いたとして、共通して言えることは「彼らを成功に導いた原因は決して研修ではない」という事実だ。

    ・北京では研究開発をできる一流大学の人材で、新卒から3年目で年収150万円、30代前後のエース級人材でも300万円程度。英語も問題なくこなす。グローバル化の中で、日中の賃金格差は平均給与300万円を下回るレベルで均衡するだろう。

    ・「顧客志向」の信念が経験学習の効果を左右する。
    (顧客にありがとうと言われても嬉しいと感じられない、と言っている社員。強みを発揮できる視点を探してあげれば解消できるかと思ったが、伸び悩むかな。。)

    ・人は教えた瞬間に学ばなくなる。人材育成は教えずに学ばせる事を目指さねばならない。

    ・「どんな能力を鍛えれば、この会社で認められる存在になれるのですか?」若手の人材にこう聞かれて即答できない会社は長期的にはその地位を弱めていくことになる。

  • 第一回の「中部人材育成担当者の会」の指定図書。読んでみてすごく良い本だと感じた。教育制度を検討する上ですごくためになるし、参考にできるトピックスが盛りだくさん。とはいえ、第二章の「誰を育てるのか」については、もう一歩踏み込んで、示唆を示して欲しかったし、ところどころ「本当にそうかな?」と納得できない個所もある。でも、そういった部分も、自分なりに考えるきっかけとなるので、GOOD!

  • マネージャーの定義ややるべき事などがまとまっている。
    筆者によると、マネージャーの定義は「理念実現のために、組織長として部下を従え、必要に応じて利害の異なる社内外の人々と連携しつつ、経営者により与えられる組織目標を実現する」であり、そのためには①個の力、②指示の受け方、出し方、③報告の仕方、出させ方、④社内外組織との連携、調整、⑤組織力の強化の5つが重要と説く。
    特に組織力の強化は部下の育成、業務効率の向上(高いレベルの仕事でも「あたりまえ」にすること)が肝要で、育成においては消極的学習者を以下に伸ばせるかがポイント。俗に言う「修羅場経験」自分の不備を自覚させるために必要である。

  • 題名は単純明快だけど、内容は頭の良い人達の言いようで、私には少し小難しかった。

  • 包括的に人材育成の方法論を整理した本。
    ありそうで、なかったかもしれない。

    1.何のための育てるのか
    2.誰を育てるのか
    3.いつ育てるのか
    4.どうやって育てるのか
    5.誰が育てるのか
    6.教育効果をどのように育てるのか
    7.教育プログラムの具体例

    目次も、まるで報告書のもののように、美しい。

    そして、見事に引用された古典の文章も、
    キリリと光っている。

  • フリービットの話は一部で、あとは人材の育成における概念論であったが、薄く幅広く網羅されており、今の自分のレベルに合っていた。むしろそれを危ぶまなければならないか

  • 冒頭から刺激的な内容が多く、著者には相当自信があるようにみえる。
    最後のほうに書かれていた、「読書手当」はいいかもしれない。

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著者プロフィール

株式会社リクシス創業者・代表取締役副社長。
1972年東京生まれ。慶應義塾大学理工学部卒。
TIAS School for Business and Society
経営学修士号(MBA)首席取得。
商社にて新規事業開発に従事後、オランダの精密機器メーカーに光学系エンジニアとして転職し、オランダに約9年在住する。
帰国後はフリービット株式会社(東証一部)の取締役(人事・長期戦略担当)を経て、2016年、ビジネスパーソンのための仕事と介護の両立支援サービスや人工知能を用いた高齢者支援サービスを提供する。
株式会社リクシスを共同創業。
認定NPO法人カタリバ理事、プロ野球選手会顧問なども兼任。
過去には事業構想大学院大学特任教授、新潟薬科大学客員教授なども歴任している。

「2021年 『リーダーシップ進化論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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