ルポ 差別と貧困の外国人労働者 (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 300
感想 : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035686

作品紹介・あらすじ

日本経済にとって、外国人労働者は都合の良い存在であり続けた。企業の繁栄を支え、あるいは不況企業の延命に力を貸してきた。しかし日本は、その外国人を社会の一員として明確に認識したことがあっただろうか。第一部では、「奴隷労働」とも揶揄されることも多い、「外国人研修・技能実習制度」を使って日本に渡ってきた中国人の過酷な労働状況を概観する。第二部では、かつて移民としてブラジルへ渡った日本人の主に子どもや孫たちが、日本で「デカセギ労働者」として味わう生活と苦労、闘う姿を追う。こうした中国人研修生・実習生と日系ブラジル人を中心に、彼ら・彼女らの心の痛みを描きながら、日本社会をも鋭く映す、渾身のルポルタージュ。

感想・レビュー・書評

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  • そのモノにとって都合の悪いことは
    なかなか表に出てこない

    悪意がからんでいる場合は
    なおさらのことである

    あらためて
    隣の国との間に地面に国境線がない
    日本の有り様を考えてしまった

    ちょうど 今欧州の難民の問題のことがニュースとして飛び込んできた

    私たちは地球の上に暮らしている
    今 地球上で起こっていることは
    決して 私たちと無関係なものは 何一つないのだ
    と 改めて 考えてしまった

  • 外国人の支援ボランティアを数年来やってきましたが
    就労に関しては最悪の状態になってきていますよね。
    単純労働の製造関係から、現実の舞台は福祉介護現場へとシフトしつつあると思います。いろいろな意見はあると思いますが、彼らの置かれている状況をぜひこの本を読んで知っていただきたいです。

  • ルポ 差別と貧困の外国人労働者 (光文社新書) 新書 – 2010/6/17

    現代の人身売買というこの酷い事実を社会はもっと広く共有するべきだ
    2011年10月9日記述

    ジャーナリストの安田浩一さんによるルポタージュ。
    実際に現場へ出向き取材をし写真を取り・・という地道な取材を積み重ねた中で見えてきた Fact=事実に驚くばかりだった。

    中国人の研修生という形での重労働と日系ブラジル人の解雇問題等を解説している。

    特に前半の中国人研修生の酷い労働実態には読んでいて日本の暗部、恥部が凝縮されているように思った。
    時々ニュースや新聞記事になることもあるが、あまりその実態に迫ったものは少ない。

    実際本書を読むまでの私自身の認識の甘さを恥じている。

    預金通帳、キャッシュカード、パスポートを取り上げられた上で長時間労働、安い賃金
    (月で5〜7万円程・・しかも調査機関への対応のために建前用の2重帳簿まで作る有様)
    パワハラ、セクハラ、暴行事件は日常茶飯事のように起きているものの表に出てこない構造。

    (強制的に作らせる仮の借用書等)強制帰国、人権侵害のオンパレードに怒りが込み上げてくる人も

    いるだろう。我が国日本では義務教育などでも人権の大切さを教えているはずなのだが・・・
    経営者たちのモラルのなさ、どこかで悪い事をしているという認識がまるでない事にも呆れる。
    この事実を広く社会に認知してもらい問題の解決を願わずにはいられない。

    後半は日系ブラジル人たちのリーマン・ショック後の解雇で苦しむ姿などが書かれている。
    ただ個人的に前半の中国人研修生問題のインパクトが強すぎて、この日系ブラジル人たちの項目が
    なんだが色あせてしまった。理由としては例えば

    社会保険や雇用保険に未加入のまま働かされた等だ。もちろん許されることではない。
    しかしこの問題は日本人の非正規雇用者にも当てはまる点が多く日系ブラジル人固有の問題というものが
    ぼやけてしまったためかもしれない。

  • 中国人研修生、実習生の日本での過酷労働レポート、ブラジル日系人の出稼ぎ実態レポートの2本を柱に書かれている。中国人の研修生は時給300円、残業代はさらに安く、休みなしで働かせているようだ。労働者ではなく、あくまで研修生という立場らしいが、今でも改善されていないのだろうか。マスコミではほとんど取り上げられていないように思える。

  • 日本の「民度」の低さを露呈させる作品。 あとがきに少しの希望が見いだせるが、全体的にはなにも進展していない現実。

  • 登録日 2015/09/24

  • ルポ 差別と貧困の外国人労働者。安田浩一先生の著書。日本の重労働は外国人労働者が支えている面が大きい。そんな外国人労働者を差別したり、外国人労働者が貧困に苦しむような社会は絶対に間違っていると思います。日本社会を支えている外国人労働者に対する敬意と尊敬の念を形にして示すような社会であってほしい。

  • 外国人労働者の問題を、中国人の研修生問題とブラジル人の派遣切り問題に焦点を絞って、具体的な事例を紹介していく。これらの問題は統計的なデータを見て考えることより、多くの事例に触れていくことがまず大事であることを再認識した。

  • レビュー省略

  • 中国やブラジルから日本に働きに来る人々の状況をレポートするノンフィクション。想像以上に悲惨なものだった。特に、低賃金で搾取されている中国人研修員(労働法を適用しないためにそう呼ぶ)たちが気の毒になった。経営者に繰り返し性的暴力を受けても、強制帰国を恐れて逃げ出せない研修員もいるという。
    ここ数年は中国も豊かになったので、こんな思いをするために日本に来る人は減っているかもしれない。というより、将来的には日本と中国の立場が逆になるのではないだろうか?お金がある中国に日本人が出稼ぎに行き、現地の人に奴隷のように扱われる日が来るかもしれない。もしそうなったら、同じ日本人として許せないだろう。

    日系ブラジル人も、昔は同じ日本人だったのに、雇用する側とされる側になってしまい、出稼ぎに来ても貧しい生活を強いられているという。移民対策は世界中の先進国で深刻な問題となっているが、解決が見えない。
    外国では、正規の就業ビザ取得が困難なため、法定賃金以下で働くことに甘んじている日本人がたくさんいる。もしくは、ビザサポートと引き換えに、ごく低賃金で働かされている例もある。
    外国で働く者として、いろいろ考えさせられた。

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著者プロフィール

1964年、静岡県生まれ。週刊誌記者を経てノンフィクションライターに。2012年、『ネットと愛国』(講談社)で講談社ノンフィクション賞受賞。2015年、月刊誌「g2」(講談社)に発

「2022年 『沖縄の新聞記者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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