ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

  • 光文社
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レビュー : 247
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035709

作品紹介・あらすじ

2008年2月、日本で10年ぶりとなる宇宙飛行士の募集が、日本の宇宙研究・開発を担うJAXAによって発表された。応募総数は史上最多。そして、選抜試験自体も最難関で熾烈を極めるものとなった。本書は、この選抜試験の取材を日本で初めて許され、さらに候補者10人に絞られた最終試験では一部始終に密着することに成功した、NHKの番組スタッフによるドキュメンタリー。その10人がおかれた閉鎖環境という特殊な状況下で、彼らは何を考え、語り、行動したのかをつぶさに追ってゆく。宇宙という極限の環境において自らの命を賭け、かつ他の乗組員の命をも預かる宇宙飛行士とはどういう職業なのか。その資質と人間力に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 久々の大ヒット本である。宇宙に対して特に興味はなかったのだが、これは宇宙の話ではない。夢を持ち続ける大人たちの情熱の話だ。まず登場人物の経歴が豪華で、同じ人間なのにどうしてこうも違うのだろうと心の底から尊敬する。その中でも、「冷静すぎて怖い」と周りから言われるという大西卓哉氏が個人的に一番好きだ。如何なる状況下でも冷静にいられるように私もなりたい。 特に凄いと思ったのは、油井亀美也氏。試験官からのダメだしをすべてメモしていた唯一の人物である。そのメモを元に、問題を改善するためにはどうすればよいかと考えて行動している。本書を読んだ後の爽快感が気持ち良い。何度も読み直したい。

  • 2008年2月、日本で10年ぶりとなる宇宙飛行士の募集がJAXAで行われた。
    NHK取材班はJAXAに粘り強い交渉を行い、最終候補者10名の完全ドキュメンタリー取材の許可を得た。

    この宇宙飛行士募集に対しての応募者は20代から50代まで総数963名だった。
    子供のころから宇宙飛行士を夢見続けてきた者、自分の研究を生かしたい者、宇宙飛行士選抜試験のたびに応募し続けて「宇宙飛行士を目指し続けないと自分が自分でなくなります」という心意気を持つ強者まで。

    ドキュメンタリーの対象である最終候補者10名は、職業も研究者、パイロット、医者、実業家、自衛官などなど多岐にわたっている。
    本書で宇宙飛行士に求められる資質とは何か、として挙げられているのが以下。
     「ストレスに耐える力」
     「リーダーシップとフォロワーシップ」
     「チームを盛り上げるユーモア」
     「危機を乗り越える力」

    試験ではそれらが試され、そして候補者たちは良い素質を見せたり、たまに失敗したり、それを取り戻そうとしたり…。

    彼らはもし宇宙飛行士に選ばれたら、それまでの仕事を変え、キャリアを捨て、家族との生活も大きく変わる。
    そこまでしても宇宙に必ず行けるとは限らない。宇宙飛行士は待つのが仕事だという。だから宇宙飛行士の主な仕事は健康でいつづけるための訓練となる。
    さらに宇宙研究・開発は国を挙げて行われているため、宇宙飛行士はまさに生きた広告塔。そのため日常訓練だけではなく、マスコミ対策の訓練も行わなければならない。

    「夢」として追い続けてきた宇宙飛行士と、現実の宇宙飛行士の仕事は違うかもしれないが、それでも続けたい思うのか。
    宇宙飛行士に選ばれる最後のポイントは、彼らが本当にそこまでして宇宙飛行士を選ぶのかという覚悟を問います。
    そしてそれらは、宇宙飛行士だけではなくすべての職業でも必要とされる資質でもあります。

  • 『宇宙兄弟』に全力ではまって約2カ月。
    同僚の先生が勧めていた新書を読んでみました。

    読んでみた感想は、
    選ばれし人物は本当に「いい人」だということ。
    仕事の面でもずば抜けて優れていることはもちろんでしょうが、
    とにかく人間性が優れている。すごい。

    今、教えている生徒たち。
    将来、社会に出て、きっと仕事はできると思う。
    持っている能力は本当に高いから。
    でも、教師としての本音は、
    《人間》として社会に貢献できる人物になってほしい。
    時にはリーダーとして、時にはフォロワーとして。
    そのためには、身近な大人である私たちが、
    それを実践していかなくちゃいけないんだよねぇ

  • 候補者とその家族の想いに触れて、感動した。

    試験内容もかなり過酷ではあるけど、いろいろと考えさせられることが多くて面白かった。

    心に残ったのはNASAの面接官の言葉。「誰にも人生の物語がある。その物語を聞くことで、候補者が成長してきた背景を理解し、また、どのような選択をしてきたのかを質問することで、その人の本質を理解することができます。」と。
    今までなんとなく生きてきた私には、ドキッとする言葉でした。

  • 10年ぶりに日本で行われた宇宙飛行士選抜試験。その模様に密着したNHKのドキュメンタリーを書籍化したもの。

    宇宙飛行士という特殊な職業に選ばれるような人は、どこか突出した能力が備わっていると思っていました。しかし募集には年齢の制限も設けられていなく、目指そうとする心意気があれば誰もが挑戦できる、随分と門戸の開かれた世界だという事実に驚かされます。
    もちろん宇宙飛行士という仕事柄、語学力や自然科学系の知識は欠かせません。しかしそれ以上にここで要求されるのは「人間力」でした。学習し続ける力、蓄えた知識を適時適切に活用できる力、周囲と円滑なコミュニケーションを取れる力…。夢に向かって奮闘する「かっこいい大人」たちの姿は、子供はもちろん大人でも背筋が伸び、チャレンジ精神が刺激されます。

    2017年の最初の一冊は前向きになれそうな本を選んでみたところ大正解でした。続編もあるのでぜひ読みたい。

  • この本は読んで本当に良かったと思います。宇宙飛行士は、私の未来の選択肢に入っていなかったけど、この本を読んでとても魅力的かつ素敵な仕事だと思いました。宇宙飛行士とは、人類代表として優れた人間力を備えている人だと分かりました。人間力を私も備えたいです。
    今回、この本を読んで宇宙に憧れる人が居ること、未知の世界である宇宙にとても惹かれました。宇宙飛行士の知らなかった部分を知ることが出来て良かったです。

  • もう何年も積読になっていた本。
    絶対にこの本は面白いでしょうという確信があって、
    買っていたのですが、中々読む時間が作れず、ようやく読めました。
    結果は、期待通り。たま~に、こうやって読む前から、ピンとくる本ってあります。

    この本はブラックボックスになっていた宇宙飛行士になるための試験に
    NHKが入り込んで、ドキュメンタリーを製作し、それを元に一冊の本にしたもの。
    宇宙飛行士の試験って、それだけでワクワクしますね。

    どんな試験なんだろうか?と思いながら読みましたが、
    やはり想像を絶するようなプレッシャーを与え続けられ、
    その中でのパフォーマンスや言動を見られる試験のようです。
    最終選考に残った受験者もみな、尖がっていてとても魅力的です。
    誰が選ばれてもおかしくない中、そして、周りは皆ライバルという状況で、
    受験者は周りと協力しながら課題をこなしていきます。
    受験者のバックグラウンドにまで言及されてるので、
    読んでるこっちも気持ちが入って応援したくなります。

    また、単に本のコンテンツを楽しむだけでなく、
    試験中の受験者の言動やふるまいから、
    リーダーとは、フォロワーとは、といった
    一般の人たちにも関わる内容を改めて振り返ることもできる本の構成になっています。

    ちょうど、本を読み終わった後に、
    妻から「宇宙兄弟」の映画を見ようと誘われたので、
    ちょうどよい本の復習にもなりました。

    宇宙に少しでも興味があれば、間違いなく楽しめる一冊です。

  • 前向きに、仲間を信じて、良いチームの一員となること…それが「ありのままの」自分でできる人は滅多にいない。閉鎖空間での2週間もの共同生活訓練で、これまでのキャリアを捨てる重さと、家族を巻き込む怖さを背負って、それでも夢の「宇宙飛行士」に向かう10人のドキュメント。冷静に、折れることなく難問に立ち向かう姿に感動する。

  • 面白い。候補者10人の生き様にも心打たれるものがある。憧れではなく、どこまでホンモノの覚悟があるか。家族にもそれを背負わせ続けられるか。
    NASAやJAXAでも採用の最重要手段を面接としているとこに驚くとともに一方で安心もする。生き様や覚悟を面接で問い続けられるという点で強者の面接だから一企業とは立場が違うけれど、その人の人生を知ろうと努めることはやはり仲間選びのために重要なことだなと再認識した。

  • 自社の研修で紹介された本で、タイトルに興味を惹かれて読みました。
    刻一刻と状況が変わっていく環境下でチームワークを発揮するために求められる資質「リーダーシップ」「フォロワーシップ」とは何か。
    本書では、選抜試験の臨場感を感じながらも、候補者のバックグラウンドの解説を通じて、どのような環境下で「リーダーシップ」「フォロワーシップ」が鍛えられるのかを考えることができました。
    後半のNASAでの面接シーンでは子供の頃の一途な憧れからくる想いや情熱こそが世界を変えていく大きな原動力に繋がっていることに改めて気付かされました。
    僕も少年の頃の感動や想いを大切に、いま一度努力を積み重ねたいと強く願いました!!
    ありがとうございます♪

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