街場のメディア論 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035778

感想・レビュー・書評

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  • 内田樹さんのスタンスが理解できた。

    受け取る人がいて、贈与者が生まれる。
    この成り立ちをしっかりと意識していないと、
    「本を売る人」中身を伝えるを怠る贈与者がでてきたり、
    対価を渡すことで即効性のある贈与を求めるようになり、価値がないようなものに価値を見出す力が不足しているとのこと。

  • 新聞がテレビを批判しない。著作権に対する考え方の矛盾。価値は内在しているのではなく、それに価値があるという人が出てきて、初めて生まれる。

  • テレビで語られるメディア批判論を改めて問いかけている本。市場原理主義に関しては少々納得いかないところもあるが、人からもらったことは贈り物であり、別の人に贈り物をするという考え方はとても興味深かった。

  • この本が5年前に発刊されていることにまず驚く。分かりやすい語り口調なのに、ハッとさせてくれる瞬間もある。面白くって、イッキ読みしてしまった。

  • 意外にわりやすかった。アメリカ論や中国論の方がいいかも。

  • 2010年8月出版
    今読むと大したことない本

  • "世界を意味で満たし、世界に新たな人間的価値を創出するのは、人間のみに備わった、このどのようなものをも自分宛ての贈り物だと勘違いできる能力ではないのか。"
    後半は終始この主張に基づき、著作権や電子書籍、ミドルメディアなどを論じていたが、より広範囲に及ぶ事象の根幹となるとも感じた。

  • 著作物の在り方について。自分の仕事がどんなものかを考えるきっかけになる本だった。

  • 再読本(1回目2011年2月)。「贈与と返礼」の人類学的地平からメディアの社会的存在意義を探り、メディア危機の本質を見極める。内田樹が贈る、マニュアルのない未来を生き抜くすべての人に必要な「知」のレッスン。神戸女学院大学の人気講義を書籍化(表紙カバー)。

    本書の主張は一見、筋道が通っているように思えるが、問題だらけである。私がそのように考える理由は2つある。

    1つ目は、自分の思想と絡め、最終的に市場主義批判となっている点である。例えば、「贈与と反対給付義務」(p.205)はまさにその典型例である。

    2つ目は、メディア理論についての専門的な内容について全く触れられていないだけでなく、著者のメディアに対する考えの押し付けになっている点である。その主張が何か裏付けがあるものだったらいいかもしれない。しかしそういったものが全く見受けられなかった。著者の考えと合うように、メディア論とはまったく関係のない都合の良い引用を度々している。

    もちろん、すべてが間違っているとは思っていない。『「選書と配架にアイデンティティをかける人」(読書人)の絶対数を増やすべき(pp.164-165)』とする意見や、『マスコミが偏った弱者への「推定正義」の適用とその連鎖をする傾向がある(pp.76-96)』とする意見は納得できる。だがそれらの鋭い指摘も著者の偏った考えのツールとなっている。

    読み物として読むには面白いかもしれない。しかしメディア論というには陳腐な内容である。この本を読むかどうかは、本レビューを読んだ人の判断に委ねることにする。

  • 残念ながらちょっと難しい。
    医療と教育に市場原理を適用してはならないことはよく分かったのだが。
    肝心のメディアについての理解が深まらなかったのが残念。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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