森山大道 路上スナップのススメ (光文社新書)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035815

作品紹介・あらすじ

60年代、「ブレ・ボケ・アレ」と呼ばれる作風で注目を集めたカメラマン・森山大道。あれから半世紀。路上に立ち続けた彼が、フィルムカメラ、デジカメを駆使して撮り下ろしスナップを敢行。砂町、佃島、銀座、羽田といった東京の街のほか、北関東を縦横にひた走り、いつものモノクローム以外にカラー写真も撮影。自身のスナップに対する考えや視点、カメラマンとしての姿勢やそのノウハウについて語った、写真学校の学生、カメラ愛好家必携のスナップ入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 路上スナップ写真そのものががかなりの割合を締めているけれど、それをどうやって撮るか、という、技術じゃなくて、姿勢というか歩き方というか考え方というか、そういう本。量のない質はありえない、として、とにかく大量に、まずは自分が普段歩いている道を撮りまくってみろ、と。そうすると、漫然としていた人だって、何かが見えてくる、と。デジタル移行後も、見返さないし、消さないし、ただ数は増えた、と。じゃあただ撮ればいいかというと、町の日常ではなく異界に入り込み、そして撮影者は欲望を抱えた欲望体とならなければ面白くもないし意味もない、という。そうやって写真を撮りくなるし、写真以外もそうしてみたい、となる愉快な本。

  • とにかく「量より質」「街へ歩きに行こう」という

  • よく分からんかったが、なんか自分も毎日の通勤途上とかで写真撮ってみたいなという欲望を感じることができた。

  • とにかく外へ出て撮る。シンプルだけどそれを追求した哲学と格好良さがある。

  • 最初の章で読む気が失せた。芸術性があるって個人の感性によることだから、自分にはこの人の感性が理解できなかった。文章を読んでもなにが言いたいのかよくわからない。写真を見ても作品の深みが分からない。その程度のレベルだからと言われればその通りなんだが、やはり写真って好き嫌いが分かれるよね。

  • 森山については相変わらずの内容。この方はブレないので、作風を知っていれば新しく本で何かを得ることも無いかなと思った。★は森山に関する新規性に対しての評価。

  • 写真

  • 写真のよさというのもよくわからん。本書のものをパラパラ見ると、生々しい生活感を感じていいものもあるけど、そうでないのもある。

  • 著名な写真家の森山大道が、自身の写真の哲学的なもの・・・「下手なコンセプトをもつな、欲望を感じて撮れ、量を撮れ、見返すな、オリジナリティとかアートなどと言うな」を語った一冊だ。
    銀塩フィルムからデジタルへ、写真が特別な技術から誰でもそれなりに撮れるモノへ、変遷する時代を評価され続けてきた人の言葉っていうのは、共感できるできないに関わらず興味深い。
    結局感性なんだろうなぁ、表現って。

  • スナップ写真の大家だということで。撮影テクニック、ノウハウというより、路上スナップに対する姿勢だとか、意気込みだとか、どちらかというと精神的な指南書かな。 掲載されている写真は、そうした日常を切り取ったものが多く、感性の違いか、あまり響かない。なにげない日常を捉えたいという思いはあるのだが少し路線が違うというか。 でも、その場、その場の勢いというか瞬発力のようなものは感じる。多分、真似のできない作品なんだろうとは思う。

    「ほとんどの人は日常しか撮ってないでしょう。つまり、基本的に異界に入り込んでいない。でも、街はいたるところが異界だからさ。街をスナップするってことは、その異界を撮るっていうことなんだよ。」

     まだ異界には入りこめてないし、その入り口さえ見えてないのだと思う。

     こうした大家の文章を読むとき、昔から写真を撮ってきた人が、昨今のデジタル化をどう捉えているかは興味深い話。「撮る分量が増えた」と森山氏。「量の無い質はありえない」が持論の人が言うのだらから相当な“分量”なんだろう。これまでモノクロの作品が多かっただけに、撮影後にモニターに映る画像が気になる、カラーのイメージに引きずられる、という感想が、ほとんど物心ついてから総天然色のカラー写真で育った身からすると面白くもあり、それは果たしでどんな感覚なんだろうと想像が膨らむ。 「まだまだ試行錯誤、実験段階だね」という70越のベテランの言葉は素晴らしいな。

    「もっとも大切なのは、欲望だね。撮る本人が、そのとき、その瞬間に抱えている欲望。それを持ってないと、見ることすらできないから。」

     こういう元気は持ち続けていたいものだ。

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著者プロフィール

1928年、大阪府生まれ。写真集に『Daido Moriyama Buenos Aires』(講談社)、『新宿』『大阪+』『ハワイ』(いずれも月曜社)、『サン・ルゥへの手紙』(河出書房新社)、『犬の時間』(作品社)、『仲治への旅』(蒼穹舎)、『にっぽん劇場写真帖』(新潮社)、『4区』(ワイズ出版)ほか、著書『写真との対話、そして写真から/写真へ』『過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい』(ともに青弓社)、『犬の記憶』『犬の記憶 終章』(ともに朝日新聞社)、『昼の学校 夜の学校』(平凡社)、『もうひとつの国へ』(朝日新聞出版)ほか。

「2009年 『森山大道、写真を語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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