日本代表の冒険南アフリカからブラジルへ (光文社新書 504)

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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334036072

感想・レビュー・書評

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  • 印象的な写真を撮るサッカーライター、宇都宮さんが、
    2010年南アフリカワールドカップを追いかけた1冊となります。

    なんともセンシティブで、心の奥を揺さぶるような書き様は健在で、
    それは、宇都宮さんのサッカーへの愛がつまっているからでしょうか。

    大会期間中に1日1本、とても楽しそうに取材されている記事に、
    “サッカーのある風景”を切り取った写真が、印象的な彩りを加えています。

    ちょうど、日本が2014年ブラジルワールドカップの出場を決めた前後に読了。

    2010年の成果を上手く2014年に持っていけるのか、
    まだ1年、もう1年、、どちらであっても、全力で追いかけたいところ。

    意外だったのが、実際の日本代表の状況が、
    『ファンタジスタ・ステラ』でのソレ被るんですよね、、ふむ。

  • 連載中も毎日読んでいたけれど、新書化されたこの本も一気に読んでしまいました。日本代表の冒険というよりは、著者の冒険という感じです。

  • 南アフリカW杯の記録。個人的にはこの大会の負の部分を、もっと知りたかった。

  • 2010年に行われた南アフリカでのサッカーW杯の観戦記。

    先週の金曜日、6月4日から2014年にブラジルで開催されるW杯のアジア最終予選が始まった。日本は1・2次予選を免除され、3次予選からの登場だったけれども、それでも3次予選が始まったのは去年のことであり、ということは、南アフリカでのW杯の翌年のことになる。サッカーのW杯は4年に1度の大会で、間合いが長いように感じるけれども、こうして予選から考えてみると、ずっとW杯はやっている、という風にも考えられる。

    2002年の日韓W杯、2006年のドイツW杯は現地に観戦に出かけた。2002年は韓国で、スペイン対パラグアイという、今から考えるとけっこうな試合(ラウールがスペイン代表のエースであり、パラグアイにはチラベルトがいた)を観戦し、2006年はドイツ・カイザースラウテルンで、思い出すのもイヤになる日本対オーストラリア戦(日本が終盤に大逆転負けを喫した試合)を観戦した。もちろん、南アフリカにも観戦に行きたかったのであるが、お金も暇もなく(韓国は近くて安かったし、ドイツの時には”たまたま”出張と重なっていたのだ)、断念した。2014年のブラジルも遠く、よほどの幸運がないと行けそうにない。次に現地でW杯を見ることが出来るのは、仕事を引退してからだな、と思ったりする。
    サッカー観戦は何でも大抵好きだ。海外のリーグ戦もJリーグも高校サッカーも。自分の子供がやっていた少年サッカーでも面白かった。生で見ても、テレビで見ても面白い。それでも、W杯を現地で見るのは、また違った味わいがある。
    2006年のドイツW杯の日本対オーストラリアの試合の行われたカイザースラウテルンというのはフランクフルトから電車で30分くらい(だったと思う)の小さな町だった。僕もフランクフルトから電車で会場に出かけたのであるが、電車は満員。乗客は勿論日本人ばかりではなく、オーストラリア人も乗り込んでくる。行きの電車は日本人とオーストラリア人が乗っていても和気藹々としたものだった。満員電車の中に、でかい身体をしたオーストラリア人が大量に乗り込んできて、正直迷惑な気もしたけれども、まぁ、4年に1度の晴れ舞台だし、という余裕がまだあった。試合は1対3の逆転負け。それも、信じられないような崩れ方をした逆転負け。帰りの電車は意気消沈した日本人と、大騒ぎのオーストラリア人の乗り合いとなった。オージーは基本的に陽気で人が良い(のだと思う)。ナイスゲームだったな、と話しかけてくるが、相手に悪気はなくても、こちらは、これほど不愉快な気持ちになることは滅多にないだろうというくらい不愉快な状態だったので、うっとうしいばかりだった。去年のアジア杯の決勝戦、李のゴールで延長戦で日本がオーストラリアを下した時には、5年越しに敵をとった気になり、それ以来、李のファンだ。

    とまぁ、どうでも良いことだけれども。

  • 写真がきれい。
    「ああ、あんな試合だったな」「そうそう、そうだったな」と2010年ワールドカップを振り返ることができた。
    この人、2011年の女子サッカーワールドカップのルポとかも書いてないかなあ。

    サッカー初心者の私がわからなかった言葉をメモっとく。

    ・マリーシア…ポルトガル語「malicia」 悪意。 特にサッカーで、試合に勝つための ずる賢さをいう
    http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%EA%A1%BC%A5%B7%A5%A2

    ・アンチ・フットボール…守備中心のフットボールのこと

    ・トータルフットボール…ポジションが流動的で、且つ全員攻撃全員守備

    ・マグレブ…モロッコ、アルジェリア、チュニジア、西サハラの北アフリカ北西部に位置するアラブ諸国

    あ、あと文中で使われてた「他山の石とすべきであろう」って言葉遣い、正しいのね。私今まで間違って使ってた。

  • 南アフリカW杯の取材記。あの大会がどういうものだったかという物が一番よくわかる本だと思う。パブリックビューイングで見たりとか、いろいろと大会の雰囲気を感じ取れる、記録として是非残しておくべき本だと思う。

  • 大切な記録。

  • 写真がたくさんあっていい。リアルタイムに書かれた記録として価値が高いように思う。

  • 評価はスポーツナビである程度内容を見ていたから。本単体なら☆4つ。著者の文はただサッカーの試合内容や結果にフォーカスするだけではなく,歴史だったり,その試合をとりまく背景や文化が臨場感をもって感じ取れるのでいつも楽しんで読んでいる。しかし読みながらこれが半年以上前の話だっていうのがとても意外だった。ちょっと前くらいの感覚なんだけどな。そのくらい衝撃的な日々だったし幸せな日々だった。著者の文を読みながら当時の楽しい日々を思い出せただけでも読む価値はあったなと思う。

  • ワールドカップから半年。
    アジアカップ優勝の余韻に浸ってまもない今、楽しかった31日間の
    記憶をふつふつと思い起こさせてくれた。
    毎日スポナビのコラムがアップされるのが待ち遠しく、
    サイトチェックしていた日々を懐かしく思いました。
    これからも繰り返し読んで思いにふけたくなる本です。

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著者プロフィール

写真家・ノンフィクションライター。1966年生まれ。東京都出身。東京藝術大学大学院美術研究科修了後、テレビ制作会社勤務を経て、1997年に「写真家宣言」。以後、国内外で「文化としてのフットボール」を追いかける取材活動を展開。2010年『フットボールの犬 欧羅巴1999‐2009』でミズノスポーツライター賞大賞、2016年『サッカーおくのほそ道 Jリーグを目指すクラブ 目指さないクラブ』でサッカー本大賞を授賞。現在、個人メディア『宇都宮徹壱WM(ウェブマガジン)』を配信中。

「2022年 『前だけを見る力 失明危機に陥った僕が世界一に挑む理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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