- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334036218
作品紹介・あらすじ
チェンメ、リツイート…災害流言という人災!流言やデマはどのように生まれ、どのように広がるのか?真偽を確認するにはどうすればいいのか?そのメカニズムを解説し、ダマされない・広めない基礎知識を伝授。
感想・レビュー・書評
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今年の三月は東日本大震災に関する本を読もうと決めて、『想像ラジオ』に続いて二作目。
本書は2011年5月、まさにデマや流言が飛び交っている最中に出版されている。リテラシー(情報を見抜く力)の底上げに関しては普段からの備えとしてやり続ける必要があるとしながら、「流言ワクチン」の摂取が重要とする。過去の事例から学ぶこと。
流言の広まるメカニズム、「うわさ屋」と「検証屋」とに分けての分析など勉強になった。そして検証屋も自分の不得意分野ではうわさ屋になり得る。友人同士で「あなたは間違っている」などと言うと人間関係が険悪になることもあるため、非難モードではなく共有モードでコミュニケーションをとることが重要。
東日本大震災のあと、放射線に関するデマや間違った情報が出回って、放射線の専門家のはしくれとして勉強したり職場内の情報発信に協力したことを思い出した。
「政府や東電は嘘をついている!」という先入観を持って、とにかく誰かをバッシングしたい人が多かったように思う。物事を批判的に捉えることと非難的に捉えることをはき違えた人が多かった。
自分はLINEを少し使う程度で、SNSとは距離を取りたいと思っているけど、とにかく情報に接するときには鵜呑みにすることはしたくないと思う。当時読んだ『風評被害』には「うわさは智者で止まる」という言葉が紹介されていて、できることならデマを止める側になりたいとは思うけど、検証屋がうわさ屋になりえるという話もあるし、慎重でありたい。
震災後早期にこの本を出版したことの意義はとても大きかったことだと思う。そして、とりあえず平和に過ごせている現在、リテラシーの向上に努めなければと思わされた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東日本大震災にまつわる、流言・デマの検証本。当時Twitterは相当見ていたので、大体知ってるけど、見なかったらデマにかかることもないのかなと。まあ、少なくとも無闇に拡散することだけは避けようと思う。
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当たり前のことだけど、なかなかできていないことが書いてある実用書。
震災のときとか非日常はもちろん普段から情報のソースはちゃんと確認しないといけないなと改めて思う。
萩上チキさんはほんとちゃんとした仕事をしているなぁ。誠意があるってこういうこと。 -
東日本大震災でネット上で観測されたデマについて解説。デマに対処するには、ソースをきちんと調べることが重要と認識した。
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実用的な良書。「コスモ石油の黒い雨」に始まり、東日本大震災で流れたデマが、どのようなメカニズムで流れたのかを検証した一冊。要は、「情報に飛びつかずに、ウラを取ろう」という話だが、以下の側面によりとても面白かった。
(1)【拡散希望】とか「○○から聞きました」のようなデマの典型を示してくれているので、情報のウソホントを見分けるためのちょっとしたマニュアルのようになっていること
(2)ツイッターという新しいメディアが浸透してから起こった大震災におけるデマの特徴を描いていること
著者はこの本を「流言ワクチン」と表現しているが、確かに、これを読んでおくことでデマを真に受けない・自ら拡散させないという耐性が前よりはできた気がする。 -
デマに踊らされないために、情報を丸呑みしない心構えが大切。
世の中のことを斜めから眺めるくらいの方が、これからの時代、いいのかも…さみしいけど。 -
積んどいた本でした。流言・デマはこれからも増える一方でしょうから、受けるサイドがうまく対応するしかないでしょうね。限界あるとは思いますが
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前に受けたとある論述試験で、災害時の情報提供がテーマになっていた。その時は全然知識なんてなくて、ただ思い付いたアイデアなんかを書きつづって終わったけど(もちろん落ちた…)、今の情報社会に生きてる一人として、知っておきたい分野だなと思って読んでみました。
流言についてケース別に構成・説明されている。社会心理学とかヒトの行動心理の分析も合わせてなされていて最後まで興味深く読めた。
デマを頭から信じない、「流言ワクチン」を持つこと。こういう考え方を学校とかで教えていかなきゃいけない時代なのかもしれない。-
2012/03/05
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有事の時こそ冷静で在れ。興奮せず淡々と。「拡散依頼」や「皆に教えて」って言うのを右から左に流さずソースの確認しようってのはいいが、誤ソースだったり操作されてる可能性もあると言われるとコンスタントに止めるってのがいい気がする。。ソースの質の判断は素人には難しい。それと、有事のときに悪事をはたらく奴は問題外だけど、震災関連の本を読む度に出てくる「善意の人」ってのがやっぱり厄介。「善意」に基づく言動が必ずしも「善行」にならないってのがイタイ。ボランティア一つとっても「善意」ではなく効果や結果で評価されるべき。