ニッポンの国境 (光文社新書)

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  • 光文社
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レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334036331

感想・レビュー・書評

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  • 北方領土、竹島、尖閣諸島。日本の領土問題についての本です。
    こういう本、初めて読みました。とても分かりやすかったです。
    歴史的背景と現状が、ある程度理解できました。
    著者が実際に島へ向かったレポートもありました。
     
    読んでみて、まだまだ戦後は終わっていないんだな、と実感しました。
    それぞれの国に思惑と事情があり、解決はとても難しそうですが、
    それでも私たちがこの問題の平和的解決について考え続けることが、
    この先も大切なのではないかと思います。

  • 尖閣、竹島、北方領土。解決しそうにないなぁ。

  • 著者の国境もめている地域のツアーとルポ、そして文献的な考察です。

  • 前回読んだ孫崎さんのよりももう少し実地よりに描かれた
    日本の国境問題です。

    ただ、それだけに西牟田さんのは
    国境問題を離れてこの話題を語れないのが弱さとなってます。

    孫崎さんの「日本の国境問題」で描かれている
    ただの棚上げでなく国境問題そのものの比重を下げる戦略のほうが
    ぐっと実践的です。

    この本の特色としては実地に降り立ったことで
    関係諸国における国民と政府の温度差を垣間見せていることです。
    国民が強硬であることもあれば、政府が意固地であることもある。

    それを一緒くたに見てしまうとこじれてしまう。
    政府高官が単純にこの手のミスをすると思わないが
    変なワイドショーが混同した知識で扇動すると
    内政上の視点から道を誤ろうとする政治家が出かねないのが怖い。

  • 北方領土、尖閣諸島、竹島を巡る問題をざっと見るには良いか。このボリュームでは浅くなるのはしょうがない。

  • 北方領土、竹島、尖閣諸島など日本を取り巻く領土問題を中心に書かれた本。著者自らの現地ルポなど現状が分り易く読みやすい。日本が自国として疑わない領土も相手国からみるとそれなりの歴史と生活があり現在も各国ではそういった教育が進められている。特に実効支配されている北方領土と竹島ではこうしている間にも歴史が積み重ねされていくんだなぁ、思う。本当に解決する気があるなら韓国のようにTVCMで国民にアピールしたりや諸外国にアピールするなどが必要だろうし、解決の仕方は白黒ハッキリでなくても共同統治のような灰色でもいいと思う。逆に実効支配している尖閣諸島は主張を重ね歴史を重ねていくことが必要だろうなぁ。またこの本でも書かれているのはアメリカの影響力。歴史的背景があるとは言えアメリカの政策で翻弄されていることもよく分った。

  • 日本の国境をめぐる歴史的な背景、特にポツダム宣言時にアメリカの意向により国境に曖昧さが残された。そうした点で見ると、北方領土、竹島、尖閣諸島問題が実によくわかる。
    当事国同士で棚上げにされている問題の根は深い。
    いつまでも棚上げのままでいいはずはないが・・・。

  • 知っていたようで知らなかった、北方領土、竹島、尖閣諸島の問題が少しは理解できるようになった。が、少し物足りなさが残る。物足りない点は、何かというと、将来の展望のような話です。最後のほうで触れられてはいますが、もっと語ってほしいくだりです。

  • あなたは、日本の今の国境が確定した経緯、北方領土•竹島•尖閣諸島が係争地になった経緯を知っていますか?
    そして、そもそも話題に上るこれらの土地がどんなところかを知っていますか?
    実際で目でみて沢山の人々にインタビューを行った著者の声は空虚な議論では得られない事実を伝えるに十分な文面でした。
    なかなか読みやすかったです。

  • 3.11の震災によって、すっかり忘れられてしまった感もあるが、昨年の後半はずいぶんと領土問題が世間を賑わせていた。2010年9月には尖閣諸島沖で中国漁船問題が発生し、11月にはロシアの元首として初めてメドベージェフ大統領が北方領土に上陸した。はたして、これらの領土問題は、なぜ発生し、くすぶり続けるのか。本書は、その歴史的背景や外交の舞台裏を追いかけ、原因と真相に迫った一冊。

    ◆本書の目次
    第1章 国境の誕生
    1-1 国境の誕生と領土のルール
    1-2 あいまいな日本の領土
    第2章 戦後の復興と領土問題の発生
    2-1 東西に分断されていたかもしれない日本
    2-2 サンフランシスコ平和条約という爆弾
    第3章 冷戦の道具にされてきた島々 ― 北方領土編
    3-1 日本政府と北方領土
    3-2 日本とロシアの影響力
    3-3 四島返還へのこだわりが生んだもの
    第4章 日韓に打ちこまれた楔 ― 竹島編
    4-1 日本と韓国の温度差
    4-2 密約とアメリカの影
    第5章 隔離された島々 ― 尖閣諸島編
    5-1 自由に行けない政治的秘境
    5-2 動き始めた「禁断の島々」 

    著者は、北方領土と竹島の両方に上陸したことのある、数少ない日本人である。その詳細は、前著『誰も国境を知らない』に詳しいが、本書でもそのルポの模様がダイジェスト的に紹介されている。北方領土へも竹島へも、日本政府の姿勢は「行かないように要請する」というものである。しかし、実態としては、いずれもロシア経由、韓国経由で渡航することは可能なのだ。日本政府が行かないように要請しているのは、それを認めるが、日本の領土ではないと認めることと同義になってしまうからである。

    これらのルポの模様が興味深い。対日戦勝碑と古い日本家屋が共存している国後島では、室内アンテナを変えると「笑っていいとも!」が映しだされたという。地理的、心理的に日本を身近なものと感じている現地の人々の声は、非常に印象的だ。また、韓国から竹島へ移動する際には、船が日本製だったというエピソードなども紹介されている。

    しかし、本書の本質は、そのルポの模様よりも、国境の変遷を丹念につなぎ合わせ、その全体像を浮かび上がらせようとしているところにある。見えてきたのは、アメリカの影。いずれの問題も、根底にはアメリカの二枚舌が潜んでいるのである。どうやら領土問題の火種の要因は、ポツダム宣言の受諾から占領状態を脱したサンフランシスコ平和条約調印までの間にあるようだ。

    1946年1月のSCAPIN677の規定において、一度は、竹島や北方領土は日本の領土から切り離されたものとして線引きされている。しかし、その後1951年に調印されたサンフランシスコ平和条約では、竹島、尖閣諸島という地名は消えあいまいなものになっていたほか、千島列島の範囲も言及されていなかった。また、領土がどの政府に対して放棄されたのかも、明記されておらず、非常にあいまいなものであった。

    著者の見立てによると、これらはアメリカが日本と近隣国の間に楔を打つことが目的であるそうだ。ソ連や中国という共産国はもちろん、韓国も朝鮮戦争の結果いかんでは共産国になる可能性もあり、火種を残しておいた方が日本を西側諸国の一員として担保できるということなのである。領土問題は、冷戦の道具として利用されたものに過ぎないのだ。

    しかしその領土問題と引き換えに、アメリカとの特別な関係を保ち、日本が経済発展を築いてきたのも事実なのである。領土問題と経済発展はコインの表と裏の関係だったのだ。正念場を迎えるのは、これまでのような経済発展を期待できない今後の姿勢にあり、どのように解決に向き合っていくべきか課題は多い。

    著者の夢想する特区構想は、ナーバスな問題に触れながらも、本書の読後感を爽やかなものに仕立て上げている。いずれにしても大切なのは、この問題を風化させないという一点に尽きる。3.11の後、戦後は終わったという声が、数多く聞こえてきた。確かに精神的な意味においてはそうかもしれないが、領土をはじめとする物理的な問題は、今だ戦後のままなのである。

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