宇宙に外側はあるか (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334036676

作品紹介・あらすじ

なぜ宇宙は存在するのか-。この宇宙は奇妙な謎に満ち溢れている。しかし、現在、人類の宇宙を見る目は大きく開かれつつある。いま、宇宙の何がわかっていて、何がわかっていないのか。宇宙の全体像とは?宇宙の「外側」とは?現代宇宙論のフロンティアへと旅立つ一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 「宇宙ハンパねえ……」
    と、途中からずっと思っていました(笑)
    宇宙って自分が思っていた以上に"SF”の世界だったんだなあ(意味通じるでしょうか?)

    少し前に話題になったニュートリノや重力波、あるいは、ワームホールやビックバン、ブラックホールやダークマターといったお馴染みの用語たち。

    そうした用語の解説から見えてくるのは、自分のちっぽけな常識が通用しない宇宙の姿です。

    光がまっすぐに進めない世界。
    時間も空間もない世界。
    この次元とちがう次元にあるかもしれない、平行世界の宇宙。

    SF小説や映画にはちょくちょく触れているので、こうした可能性があることは、なんとなく知っていました。でも「あくまでフィクションの話だろうな」とも頭の片隅では、思っていました。

    それがこの本の、難しさを極力排した、平易な語り口のおかげで、事実や可能性の一端を、確かに感じられるのです。
    だからこそ、宇宙は思っている以上に「SFしてる」と、自分は思ったのです。

    さらにこの本の思考は広がっていきます。物理学の理論はいつのまにか、未来や運命はあらかじめ決まっているのか、という問いに。

    そして時間や空間の話は、最終的には存在や認識といった、哲学的なところにまで行き着きます。

    語り口こそは平易なのですが、ここに至るまでの思考は、かなり難しい……
    この本の全体の自分の理解度は多めに見積もっても、3割あるかどうか……

    その上、読んでから日が経ってるので、説明できることはほとんどありません。たぶん後2、3回読めば、5~6割くらいにはいくかなあ(希望的観測)

    それでも、この本を読んでいるときは面白かった! さっきも書きましたが、SF小説や映画の世界の可能性が存在することは分かりましたし、
    難しい理論を、理系がからきしの自分にもなんとなく納得させ、論を進める筆は、本当にすごいと思います!

    本の内容は、理解できるに越したことはないです。でも時に理解できなくとも、ワクワクしながら本を読み進めることができるのだなあ、ということに、自分でも驚きました。

    それがこの本の持つ力であり、宇宙の無限の可能性の一端なのではないか、と思います。

    • 地球っこさん
      とし長さん、明けましておめでとうございます。
      宇宙って大好き。でも難しくてチンプンカンプン。
      それでも好きなんだよ!
      という感じの私な...
      とし長さん、明けましておめでとうございます。
      宇宙って大好き。でも難しくてチンプンカンプン。
      それでも好きなんだよ!
      という感じの私なので、
      『理解出来なくとも、ワクワクしながら
      本を読み進めることできる』
      とのこと、共感します!
      そんな本をたくさん読めたらいいな。
      今年もよろしくお願いします(*^^*)
      2020/01/02
    • 沙都さん
      地球っこさん、明けましておめでとうございます。

      去年から、読書とブクログを本格的に再開し、知らなかったことを知る楽しさや、
      この本で理解で...
      地球っこさん、明けましておめでとうございます。

      去年から、読書とブクログを本格的に再開し、知らなかったことを知る楽しさや、
      この本で理解できない、それでもワクワクできる可能性を、見つけることができました。

      学生時代にこんな気持ちになれたら良かったのに、と思う反面、あの頃好き勝手に本を読んでたからこそ、今こうした本を無理なく読めて、こんな心境になっているのかな、とも思います。

      地球っこさんの今年の本との出逢いが、良いものになりますように…

      今年もよろしくお願いいたします。
      2020/01/03
  • 人間原理やマルチバースについて、割と詳しく書かれており、この手の本としては、なんか哲学的だなー、とか思っちゃいました‼️

  • 宇宙の外側が未知なのはもちろん。観測が可能なブラックホールの中は物理法則が完全に通じない世界であると知ることができました。

    私は物理とはこの世で絶対的なルールだと思っていました。
    しかし、宇宙の外側で通用しないならまだしも、宇宙の中でも絶対的なルールが通用しない場所があることに衝撃を受けました。



    私の勉強不足で、本書の内容の4割くらいは理解が追いつきませんでした。
    しかし、4割が理解できなくても、十分おもしろいと感じました。
    その理由は謎を楽しむことができるからです。
    わからないからこそ、ワクワクすることもあるのだと気付かされました。

  • 哲学的で面白い。

  • 誰もが一度は考えたことはある問いに対して、現段階の研究でわかっていることがつらつらと書かれています。
    難しい理系の込み入った話はなく、俯瞰的な問いかけで進められています。

  • 宇宙について最低限知る、二冊目。たまたまではあったが事前に村山先生の『宇宙は何でできているのか』を読んでいたため、最低限知識に基づき、これまた最低限理解できた、気がする。(理解できていないところも多々あるのだけど)
    途中途中で復習しながら、知識が補完されていったので図らずもこの順番で良かったなと。またすぐ忘れそうなので、また数年後に、最新版の新書で知識をアップデートしたい。

  • マルチバースの存在を考えるのと、神の存在を考えることの違いはなんだろうか。

  • 理解出来ないところはとことん理解出来ず、半分ぐらいは流し読みした。
    量子論って何?ってレベルの自分には少し難しすぎたのでまた知識が深まってから読むとまた感じ方が違うかもしれない。
    でも、宇宙の微調整問題という考えはすごく面白く不思議と納得してしまった。

  • 読みながらワクワクした覚えがある

  • 分かりやすい。常識の通用しない異次元が今そこに存在するという事実に目を見張る

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著者プロフィール

■松原 隆彦(マツバラ タカヒコ)
高エネルギー加速器研究機構、素粒子原子核研究所・教授。博士(理学)。京都大学理学部卒業。広島大学大学院博士課程修了。
東京大学、ジョンズホプキンス大学、名古屋大学などを経て現職。主な研究分野は宇宙論。
2012年度日本天文学会第17回林忠四郎賞受賞。
著書は『現代宇宙論』(東京大学出版会)、『宇宙に外側はあるか』(光文社新書)、『宇宙の誕生と終焉』(SBクリエイティブ)など多数。

「2020年 『なぜか宇宙はちょうどいい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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