医師のつくった「頭のよさ」テスト (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
3.55
  • (34)
  • (82)
  • (87)
  • (18)
  • (4)
本棚登録 : 1059
感想 : 110
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334036898

作品紹介・あらすじ

学校でよい評価を得られる子どもと社会で大成する人の共通点は、自分の「認知特性」を理解し、最大限に活用していることです。自分を知り、認め、選択し、適応させる人こそが、「頭がいい人」なのです。認知特性とは、目や耳などの感覚器から入った情報を理解・整理・記憶・表現する「方法」で、六つのタイプに分かれます。社会では、アイデアを生み出す創造性、整理整頓できる逐行機能、仲間から好かれる社会性、仕事の締め切りを守る時間感覚などさまざまな能力が求められますが、それらは認知特性を意識することで伸びるのです。自分の得意な表現方法とは?違うタイプの人とうまくつき合うには?など、簡単なテストを通して解説しましょう。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • これを読むと、何もかもが腑に落ちる。

    半世紀以上生きてきた自分自身・子供逹(今や大人だけど)・夫の、それぞれの得意なこと不得意なこと・言動・特徴は、ああそういうことだったのかと。

    人それぞれ「認知特性」があるとのこと。
    本書では「視覚優位者」「言語優位者」「聴覚優位者」を更にそれぞれ2分割した6パターンに分けているが、私も家族も、そのどれか1つだけに当てはまるというわけではなく、あちらこちらにまたがっている。
    (自分は言語がやや優位、聴覚がやや劣勢、でもほとんどが同じようなバランス型)

    また、「ん?ちょっと先生(著者は医師)、同一タイプの中でも、そことそこの能力は必ずしも一致していませんよ」と言いたくなる部分もある。
    (あるタイプは「言語を映像化することも、逆に映像を言語化することも得意です」と書かれているが、私は前者は当てはまるが後者は全く当てはまらないからだ。
    ←本人がそう思い込んでいるだけで、本当は得意なのだろうか?)

    だが自分の半生や子育てを振り返ってみると、
    「あの特性は、ここに書かれているこれだったんだ!」ということがたくさんあって納得できるし、子育てを始める前に知っておきたかったなとも思う。

    本当は家族にも読ませたい。
    今からでも自分の認知特性を客観的に理解することも、他人様と関わって生きて行く上で人それぞれの認知特性があるということを知っていることも大事だと思うからだ。
    本書で解説されている「認知特性」は、「性格・個性の違い」と、なんら変わらないような気がしないでもないのだが、うまく言えないけれど、そういうのとは違う。

    他の人のことも、「ああ、あれは特性だったのか」と知れば腹も立たなくなる。
    昔から、お茶やランチしながら面と向かっている私の話を聞かずに、「今、明らかに周りのテーブルの他人の会話や様子、店に入ってきた人の方に気が行ってるよね?」というのが丸わかりの友人が2人ほどいる。
    内心、失礼な人だなと思っていたけれど、彼女逹は「聴覚優位者」なのかもしれない。

    また一般的に、「メモを取ろうともしないのは、けしからん」とメモを取らない人を不真面目だと捉える人と、そう捉えられる側の人、反対に、「いちいちメモを取らなきゃわからないのか?メモを取ってわかった気になるのではなく、メモなんか取らずに真剣に聞いてその場で理解することが大事だ」と言う人と、そう叱られる側の人がいると思うのだが、これはナンセンスであって、それぞれの特性が違うから生じる発言や行動なのではないかと、とにかく色々なことが腑に落ちたのであった。

  • 小児科医が頭の良さを認知特性(対象をどうとらえるか)という点から大きく6パターンに分類し(視覚優位者、言語優位者、聴覚優位者をそれぞれさらに2パターンずつ計6パターン)、自分の認知特性を知ることで今後の人生にうまく役立てていこうというもの。

    以下本書の解説+自分なりの捉え方。

    視覚優位者(写真タイプ)
    頭の中にカメラを持っていて、記憶するときは写真のようにして記録してしまう能力。芸術家に多い。

    視覚優位者(三次元映像タイプ)
    写真として記録するというよりは対象を立体的にとらえる能力。建築家などに適正あり。

    言語優位者(言語映像タイプ)
    イメージを言葉に置き換える能力。感覚と論理がバランスよくつかわれている感じ。コピーライターなどに適正あり。

    言語優位者(言語抽象タイプ)
    言語を通して事象を抽象的にとらえる能力。言葉、文字、数字、図などに強い。一般的な受験の問題はこれを測る特性があるため、これに優れたタイプが多い。

    聴覚優位者(聴覚言語タイプ)
    音で聞いて言葉のイメージをとらえる能力。弁護士、アナウンサーなどに適正あり。

    聴覚優位者(聴覚&音タイプ)
    「音」自体の認識に強いタイプ。音を覚えるのが早く、音感がいい。音楽家などに適正あり。

    おおきくざっくりとこれらに分類し、いわゆる知能検査がはかろうとしていることやそれらと認知特性との関連なども書かれている。

    これらが一般的かはわからないけど知能を定義、分類して特徴を捉える、どういった能力が足りていて、どういった能力が不足しているのか、という考え方は参考になった。

  • 著者によると頭が良い人と言うのは、一人一人生まれながら持っている資質や能力を最大限に活用できる人のことだという。

    人それぞれに認知特性がある。
    人はおのずと自分の認知特性を生かした職業を選んでいるものだが、さらに評価されるためには、自分の得意な能力を発揮し、不得意な能力を補えるようにしなくてはいけない。

    著者が提唱している認知特性というものが、どの程度普及しているものなのかがよくわからない。
    ただ、こういったラベリングというか、パターン分けは読んでいて楽しい。
    自分はどのタイプなんだろうかと、探してみたが、ぴったりと当てはまるものはなかった。それについては著者も述べており、必ずどれかに当てはまると言うものでもないようだ。それぞれの特性の伸ばし方も書いてもらうとよかった。

    能力の伸ばし方について多少触れてはいるのだが、具体性に欠ける。その点で、モヤモヤ感が残る。どうすれば、より自分の能力が伸ばせるのか。そこを知りたかった。
    こう書いていて思ったが、日本人は、血液型のように、ラベリングが好きだ。また、マニュアル的にどうすれば成功するか知りたがる。この本にもそういったものを期待してしまった。その安易さを反省したいと思う。

  • 自分頭悪いな…と思うことが多々あったので、タイトルが気になり手に取った。

    人にはそれぞれ特性があり、その特性が診断できるテストも中に記載されている。

    自分の特性診断結果に対して、思い起こせばたしかに納得するできごとが多く、面白かった。
    それぞれの特性に向いてる職や勉強法なども載っており、深堀していきたい。

  • 実は先にネットで
    「本田35式認知テスト」というものを知り
    書籍化したやつないかな〜と探したら
    これがひっかかりました。
    なるほど、この医師が作ったのか。

    この本の中にもテストがついてます。
    ネットでやったけど、もう一度やりました。
    多少、気分で自分の回答もブレるけれど
    結果としては同じ特性が出たわ。

    タイトルは「頭のよさ」と言ってますが
    特性を知って、それに合った方法で勉強すれば
    才能を活かせるってことのようです。
    昔の自分に英会話のテープ聴きまくっても
    身につかないって教えてあげたい( ̄▽ ̄)
    ↑これは「聴覚優位」の人の勉強法

  • 認知特性テストをやったことがきっかけで読みました。

    自身も特に仕事で苦手としていることで不利になることがあり、やりづらさを感じていたので、「特性」というキーワードには興味があり、知識を深めたいと思っていました。

    本書のタイトルにある「頭の良さ」とは、IQや記憶力だけではなく、一人ひとりに生まれながらに備わっている資質や能力を最大限に活用できる人のことだと言っています。
    正直、「確かにそうなのかもしれない」という目から鱗の感覚と、「とはいえ本当にそうかな?」という感覚がありました。
    「頭がいい」か判断するのは他人なので、他人も特性のことを理解していないと読み書きができる、記憶力がいい人が結局「頭のいい人」だと認識されて本人は行きづらくなるからなのだと思います。

    そういう意味では、親や上司はもちろん、たくさんの人に「認知特性」のことを理解をしてもらい、苦手な部分も含めて「個性」だと認めながら得意なことを生かせるようになる世の中にしたいですね。

    本書は基本的には子供の発達と認知特性について書かれていますが、大人の立場でも参考になります。著者や彼女の夫、子供の特性や行動を例にしていてわかりやすかったです。

    覚えておきたいメモ
    「言葉は自分のものではなく相手のもの」言葉は相手に受け取られた瞬間に相手のモノになる。相手の立場に立って考えた会話こそ、コミュニケーションである

    手先が器用な人は大脳を効率よく使えている。脳を発達させたければ手作業をせよ

    人は9歳を境に「記憶の脳」から「思考の脳」にシフトする
    「暗記=記憶」という訓練ではなく、試行錯誤による成功体験などの経験記憶の引き出しを増やしてあげる

    思い違いや勘違いは衝動性ゆえの結果(勘違いが多い私もきっと衝動的なのだろう)

    弱い感覚があったとき、その感覚だけを強化しようとしてはいけない
    リハビリテーション学からも、麻痺のあるからだのほうを鍛えるのではなく、麻痺がないほうのからだを鍛え、そのサポート役として麻痺のある側も一緒に鍛えていく

  • 人は認知特性で6つに分けられる。簡単なテストで自分の特性がわかり、興味深く読めました。写真のように記憶するタイプ、ノートに書くより聞いて覚えるタイプなど、確かにこういうタイプ分けがあるなと共感します。そしてどうしたら社会で自分を活かせるかに触れているのが良かったです。最後の章はもう少し深掘りして欲しい感がありましたか、科学的な切り口でなるほどの内容。
    自分の特性をしっかり認識して、うまく活かしてやるように、自分を導くのが大事だなあ、としみじみしました。

  • 日常生活で無意識にやっていることを改めて一つ一つ取り出していくと、人間は本当にさまざまな能力を駆使して日常生活を送ってるんだなということが分かった。自分がどの認知特性タイプかを意識するだけでかなり時間短縮になりそうだ。
    日々診察している小児科医だからこそ書ける子どものことは勉強になった。赤ちゃんが育っていく過程での重要な機能や子どもの社会性など。知っていれば周りと比べる必要がなくなるので大人にとっても子どもにとっても有用だと思う。
    自分もまるで診察を受け思い込みを正してもらったような気分だ。

  • 相手の認知特性を知れば、ちょっとした配慮ができる。無駄なストレスや不快も減り、お互いに気持ち良く過ごせる。

  • できれば、国民全員の課題図書になってほしいくらい…!

    というのも、「自分は視覚優位なので図で説明をお願いします」なんてことをそれぞれが自覚できて共有できるなら、どんなにかお互いにやりやすいだろうと考えてしまうからです。

    障害がある人だけに不得意があるわけでもない。才能がある人だけに得意があるわけでもない。

    「個性」という言葉は「ユニーク」と言う意味あいで使われがちだけど、こういったデータを通してそれぞれが自分の特性=個性を認識できるようになればいいのに。

    たとえば、イラスト多めのカラー版にするとか、漫画をはさむとか、診断をキャッチーなネーミングにするだけで一気に世間ウケしそう。リメイク版も出るといいな。

全110件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

東京都生まれ。医学博士、小児科専門医、小児神経専門医、小児発達医。東京慈恵会医科大学卒業後、国立小児病院、国立成育医療研究センター、都立東部療育センターなどで肢体不自由児や発達障害児の臨床に携わる。2010年、世田谷区にニコこどもクリニックを開業。著書に『頭のいい子は、3歳からの「遊び」で決まる!』(PHP研究所)、『医師のつくった「頭のよさ」テスト』(光文社新書)、『誰にでも才能はある。問題はその「原石」をどう見つけて磨くかだ』(KADOKAWA)、『あなたの才能が10分でわかる40問テスト』(自由国民社)がある。

「2015年 『タイプ別「頭がよい子」になるヒント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

本田真美の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×