日本の難題をかたづけよう 経済、政治、教育、社会保障、エネルギー (光文社新書)

制作 : 荻上 チキ  SYNODOS 
  • 光文社 (2012年7月18日発売)
3.10
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  • 36レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334036935

作品紹介

非難やあら探し、足の引っ張り合いはもういい。ポジティブで前向きな改善策を話し合おう-。経済、政治、教育、社会保障、エネルギー各分野の気鋭の研究者、当事者が、日本再生のための具体的な戦術、政策を提案する。

日本の難題をかたづけよう 経済、政治、教育、社会保障、エネルギー (光文社新書)の感想・レビュー・書評

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  • 自分が当事者として問題を解決に充てられない分野の問題に触れることができます。その分野における挑戦者の方々の問題への取り組みを垣間見ることができて勉強しなり、刺激になりました。様々な問題を解決していく立場に立ちうる塾生を輩出していきたいと思います。
    妙にいつも荻上チキさんの分析力と発言力には納得させられてしまいます。また視点の鋭さは、見習いたいし、うらやましくも思います。
    特に印象に残った3つ。一つは、「経路依存性」。なぜ、PCのキーボードの配列は、QWERTY型なのか。これは、ゲーム理論の経路依存性からくるという紹介。次に「メカニズムデザイン」をメッセージから結果への関数とキャッチーしている件は、惚れ惚れしました。3つめは、ひきこもりを社会学から評価していた点。そのほか、ナッシュ均衡やマスキン単調性、環境エネルギー、社会モデルなど一冊にして今日本が抱える代表的な問題をあらゆる視点から評価、検証の結果を学べる本です。

  •  日本の難題を片付けるための手法の入門編といった位置づけの本だろう。「SYNODOS」編集長の荻上チキさんが編者で若手の研究者らが、実践的な「片付ける」手がかりをかみ砕いて解説する。「こうすればいい」と声高に言わず「こういうやり方もある」と呼びかけるのは、荻上さんが常々訴える「こうしたほうが良いのでは」といったポジティブな提案を積み重ねる―「ポジ出し」の考えからかな。
     前半の3章はわりとアカデミック。(でも、わかりやすくかみ砕いているけど)。経済、政治、社会の各分野で、今、日本には足りていない、もしくは今後の社会で重要になる知見とかを提示している。
     エネルギーと福祉について語る残り2章はどちらかというと当事者よりの人のため、より実践的に「自然エネルギーによる持続可能な社会の実現」のロードマップの一例と、障碍者福祉における「社会モデル」の重要性を述べている。
     まあ、大切なことは、この本だけでは終わっちゃいけないこと。そういう意味では、参考文献とかも載せててほしかった。

  • 気鋭の学者が、各分野の新たな知見により社会現象を考察するヒントを示す、というオムニバス形式。

    1のマーケットデザインによる社会制度の設計
    2の政治分野への計量分析の応用

    が学問領域的に近く、興味深かった。

    1のマーケットデザインは概念的に初めて知り、その可能性に興味がわいた。例示されているゲーム理論に基づく真偽選択が、どうやって制度設計と結びつくのか、非常に興味がある。

    2については、憶測と印象でイメージされがちな政治の世界のメカニズムを経験則によらず、定量的なデータから裏づけし、読み取ってみようという試みがなされていた。政治に限らず、行政過程においても、企業の意思決定過程にも、同じアプローチは可能と思われる。非常に面白い可能性を感じた。

  • 本のタイトルから日本の抱える問題について解決策でもかいてあるものと思っていた。しかし、この予想は裏切られた。どちらかと言うと問題を分析する、又は議論する道具についての内容の説明のように感じた。
    何か問題を議論するには客観的に判断できるデータと中立的な分析手法が必要と言われている感じがした。同意できる部分は多かったので、読んでみて良かったなと思う。
    ただ、手法の部分に主眼が置かれていたので、この手法を使った問題解決の提言のようなものも読みたかった。

  • 以下引用
    ①人間関係はストレスフルですが、人間関係がない状態はもっとストレスフルです。ひきこもりには具体的な人間関係の悩みはありませんが、人間関係が結べない、社会参加できないという点で苦痛が伴う。
    ②何かを変えるということは、何かを捨てるということでもあります。何かを始めるということは、何かを用意するということでもあります。
    ③障害とは本人の周辺の環境との「かかわり」によって生じるもの

  • 20140727読了

  • 当事者性と客観性が問われている気がします。
    菅原さんの論文は、あくまでイメージに囚われずに客観的な分析をするとイメージとどう乖離するかがわかる。
    また、大野更紗さんの文章は当事者になってわかること、使い古された「バリアフリー」なんて言葉は、使い古してはいけないんだなと、感じる。

  • 日本社会にある問題を、具体的なデータを例示しながら新しい理論を教えてくれる本。
    最終的な答えを提示してくれるのではなく考え方やメソッドを提示してくれるのだが、どうコンセンサスを得てどう実行するかがないと解決しないのでは?

  • 関係者間の利害調整を生業とする我々にとって、本書に説かれているような理屈は、常に頭の中を巡っているものだが、これが学問となって、「ゲーム理論」や「ナッシュ均衡」といった専門用語で語られると、何だか別の世界の出来事のような印象を受ける。
    我々はこういったロジックを、大学で学ぶわけでもなく、教科書を読むわけでもなく、ひたすら上司に怒られながら、長年の実務経験の中で、独力で身につけてきた。それもまた、究極のOJTとして意義深いのかもしれないが、できればもう少しスマートに体得したいと思うのは私だけだろうか。
    昨年、英国のとある役所を訪れたとき、行政の責任者とともに、「エコノミスト」の名刺を持った人が出てきて、大変驚いた。我々の国では、行政の実務者と社会科学の研究者が机を並べて仕事をすることは稀だ。
    行政と研究の垣根を低くして、人材が頻繁に行き来すれば、学問の分野で得られた知見をもっと実務に活かせるようになるのではないか。そんな柔軟性がもう少しあってもいいと思うのは、私だけではないはずだ。

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