「ネットの自由」VS.著作権 TPPは、終わりの始まりなのか (光文社新書 604)

  • 光文社 (2012年9月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784334037079

みんなの感想まとめ

知的財産とネットの自由に関する重要なテーマを扱った本書は、TPPに対する新たな視点を提供します。従来の農業や医療の問題にとどまらず、著作権や知財の側面を深く掘り下げており、読者にとって非常に示唆に富ん...

感想・レビュー・書評

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  • TPPに対する反論だけでなく、
    知財およびネットの自由に関する論点を含んでおり、
    非常に示唆的である。

    国という単位を越えて動く資本に対抗するには
    同時に行政も国を超えていくことで対抗できるというのも
    逆説的にありうる。そのような戦い方をしてくれるのか、どうか。
    頼むよ、安倍くん。

  • SOPA、ACTA、そしてTPPと著作権をめぐる法律や条約についての議論がたえません。本書は、それについて生じた議論やユーザー・企業らによる反応を整理したうえで、それらの法律・条約に盛られている条項が、「誰に」「どのような」メリット・デメリットをもたらすのかを、わかりやすく説明されていると思います。

    この本の主張は、第3章第6節のタイトルにあるように、著作権の正解は創作モデル・収益モデルによって変わってくるということ、だからこそそのルールをつくるのが誰であるべきなのかを考えていかなければならないということだと思います。

    著作権の議論はどうしても、それぞれの立場の人々が、それぞれの立場の利益だけを守るための意見の言い合いになりがちですが、筆者である福井さんがおっしゃるように、「文化」の側に立ち、文化がもっとも多様で豊かになるために、どのようなルールが必要なのか、を考えていかなくてはならないのでしょうね。

  • TPPを知的財産の面から論じている。
    TPP関連の本は、バイアスのかかりすぎたものが多く、なんとも判断がつきかねていた。よくある農業や医療などの問題を扱ったものではないけれど、やっと素直に問題点を理解させてくれる本に出会えた。

  • SOPA、ACTA、TPPと著作権が絡む法律、条約、協定のことがわかると同時に著作権にまつわるもろもろについて考えることが出来る本。

    著作権自体を否定することはないです。面白いものを作れる人が作ったなりに何かしらの対価を得ることは必要だと思います。しかし、行き過ぎた保護は新たな創作の妨げになるのは否めません。

    良いと思われるコンテンツはどんどん流通させて、流通することで対価が得られる仕組みがあればいいなあと思います。


    ブログはこちら。
    http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4331854.html

  • ちょっと前に話題になったTPP、農業だけじゃなくて著作権とかの知財面でも問題だったらしいです。

    アメリカから与えられたものをそのまま受け入れるのじゃなくて、間違ってもいいから自分で考えること・・・・うん。

  • 違法ダウンロード刑罰化やアメリカのSOPAといった著作権周りの話に関する本

    アメリカのSOPAやTPPに見られるような国内法で実現できなかった主義•主張を他の重要な問題と抱き合わせたり、単独で法文化した国際条約や協約という圧力に載せて、その批准により国内法を整備する「ポリシーロンダリング」の話はかなり興味がある分野

    ただ、日本の著作権周りの法整備は最早TPP基準以上との噂も。

  • かなり新しい話題を扱っている。経緯から現状までを知ることができる。

  • TPPをアメリカの知財政策を実現するための国際協約であるとする。域内の知財ルールのアメリカ化。あとわが国における「カラオケ法理」(知財利用が事業者の管理下でなされていて、事業者が利益を上げようとしているなら、事業者を知財利用の主体と見てよい)の影響を批判的に検討。やはりフェア・ユースの有用性を説いている。

  • 蔵書整理で手放すので、再び出会い読む日もあるか

  • 今、審議中のTPPについて知財方面から解説した書。
    著作権の解説から、日本の状況(といっても2012年の著作だけど変わっていない気がする)をわかりやすく示している。
    TPPがアメリカの仕組みの国際化だということがよくわかる。日本はこれを受け入れてよいものか、もっと論議が盛りあっがてよい。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784334037079

  • 507.2 / 知的財産権 / 自由貿易地域 /

  • TPPという黒船を仮定することで現状がくっきりと描写されてよく理解できる。しかし著作権はそろそろ根本からやり直したほうが便利。コピー機だのカメラだのが身近に普及しすぎてやすやすと著作権侵害してしまう。

  • オンラインショップで購入。
    知財部の仕事に直接関係は無いものの興味のある題材でさくさく読めそうという事で購入しました。
    実際、文章も読みやすくこういった本にありがちな自分語りの嫌な部分もなく、興味深く読みつついくつか為になる部分もありました。

  • TPPについてはいろいろなところで取り上げられているが,著作権に関することもこれだけ縛られることは初めて知った.
    一般的にはほとんど知られていないのではないだろうか.
    SOPA,PIPAについても表面だけでは分からないことがたくさんあることを知った.
    著作権問題を論ずるには押さえておくことが必須の一冊だろう.

  • 一般レヴェルではなかなか報道のなされない、知財分野におけるTPP問題についての概説。TPPで米国が主導する著作権強化やその背景等を分かりやすく解説している。個人的には、現在の日本のコンテンツ業界における二次創作を取り込んだ盛り上がりは維持していくべき(著作権者の利益は守られるべきではあるが、ファンの純粋な「好き」という心情をベースに成立している場に非親告罪という概念を強引に持ち込むのは「無粋」と思う)であると感じており、そのために日本における「最適な知財バランス」の実現に向けた交渉がなされる事を切に願う。

  • キーワードだけはよく聞く「TPP交渉」。前政権から政権交代しても、外交交渉の重要事項としてクローズアップされています。ところが要素が余りにも多岐にわたっているため、ワシもそうですが「で、結局TPPって何?」という疑問符は多くの人が持っているところかと思います。

    で、本書。そのTPPの中では要素のひとつに過ぎませんが、とても大きな意味を持つひとつである「著作権の(加盟国)標準化」について、ひとつひとつを丁寧に、日本の実情と世界の実例を踏まえて解説されていて、ワシ自身、かなりの部分でTPPの著作権分野への理解が深まりました。

    表題にもありますが、TPPで提示される著作権は、過渡期でもあるネット社会と「どのようなバランスを取るか」が計られています。そしてそこはどうしても、従来の産業を重視した構造にならざるを得ません。

    でも、ネットって実際「ただのインフラ」なんですよね。それ故に、従来の発想から離れた、このインフラを踏まえた制度設計が大切。果たしてTPPはそれを実現できるのか……というと、この本を読んだ上でのワシの理解は、それは難しいんだろうな、ということ。

    何にせよ、そこまで(ある程度ですが)きちんと考えられ、意見を持てるようになる、という意味でも、本書は良質の教科書です。

  • TPPはやはり恐ろしい・・・
    知財の分野でどのようなルールがつくられるのか・・・
    そのあたりの事情を知るにはよい著作だと思う。

  • 国際条約と著作権。
    同著者の「~何か」「~世紀」と比べて,より限られた論点にフォーカスした感じ。

    自分の感想がまとまらないので,,,とりあえず他の人の書評をご紹介。

    FJneo1994氏 「企業法務戦士の雑感」
    http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20130224/1361987368

    ta26氏「風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る 」
    http://d.hatena.ne.jp/ta26/20121104

  • 本書のテーマは大きく3つに分かれている。
    ひとつは、アメリカがTPPによって目指している知的財産戦略がどういったもので、日本にどういう影響を与えうるかという解説。TPPは自由な貿易を唱っている一方で、知財については強力な権利設定がされていて、かならずしも流通を促すものではないことが指摘されている。

    ふたつめは、そもそもの知財ルールの在り方について。国内で個別にルールを決めるべきか、条約によって国際的なルールを作るべきか、というのは難しい問題だけれど、自分の行動がどの国の法律によって規制されるか不透明な現状は、規制する側の態度によって大きく変動してしまう可能性ので好ましくないとは思う。

    3つめは著作物によるビジネスについて。現状のコンテンツ提供企業とユーザーとの対立構造について、社会学的な指摘がされている。今後、どういう流れになるのかわからないけれど、流通しにくくすることによって収益を得るモデルを成立させるには、強力なプラットフォームとセットでなければ難しいと思われる。

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著者プロフィール

弁護士・ニューヨーク州弁護士。1991年東京大学法学部卒業。1993年弁護士登録(第二東京弁護士会)。骨董通り法律事務所代表パートナー、日本大学芸術学部客員教授、国会図書館審議会・文化庁などの委員、「本の未来基金」理事、think C世話人、東京芸術大学兼任講師などを務める。著書に『18歳の著作権入門』(ちくまプリマー新書)、『著作権とは何か』『著作権の世紀』(集英社新書)など多数。
http://www.kottolaw.com/
Twitter: @fukuikensaku

「2016年 『インディーズの護身術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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