構図がわかれば絵画がわかる (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 299
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334037123

作品紹介・あらすじ

ムンクの『叫び』は、画面全体が叫んでいる!時を超え、美を生む構図にせまる。

感想・レビュー・書評

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  • なるほど~、そういう見方をするのかー、という目からうろこがちらほら。やはり芸術とかスポーツとか、知識の有無で楽しめる幅がずいぶん違ってくるね。

    ま、ただ最後の方の仏像の話は蛇足だったような。。。

  • 門外漢の自分は構図で絵を観るだなんて考えたことがなかったけれども、これからは美術館に行っても廻る時間が倍くらいかかりそう。それほどに驚きだった。自分が描くつもりで絵を観ることがどれほど面白いか、つくづく実感。

  • レオナルドダヴィンチの絵とピカソの絵。まったく違った時代に描かれ、絵としてのスタイルも違う。しかし、構図は同じ。構図が良い絵はピンボケでも美しい。アンリカルティエ・ブレッソンの決定的瞬間、螺旋階段。フェルメールの牛乳を注ぐ女。レオナルドダヴィンチの聖アンナと聖母子。ピカソのアビニョンの娘たち。点、垂直線、水平線。対角線、三角形、円と中心。遠近法。光がつくる構図。色がつくる構図。

  • 思ってた「構図」ではなかった。
    「構図」の概念みたいな事が書かれているのかな?
    絵画を見る時の視点が増えました。
    仏陀の話は興味深かったです。

  • 絵画の見方を教えてくれる本

  • 読了。

  • 絵を描くときの勉強になった。縦横三角色彩遠近法、みななるほど。マイナス★は仏陀の生涯の部分(2段組みになったところ。編集者もそう思ったんだろうな)。この本のテーマにはちょっとそぐわないか。仏像の誕生について、筆者が関心を寄せているということは分かったけど。

  • 構図。
    それはあれこれの図形をいかに画面上に配置するかという、視覚的な問題だと思っていた。

    この本を読んでその認識が変わった。
    構図は、視覚的要素のみを扱っているわけではない。

    画面左下に人影が描かれていたとき、それは単なる黒い点ではない。「人」という意味が、見る者にはっきりと伝わってくる。

    人間は、意味の世界で生きている。構図もまた、意味に接している。

  • 同じ著者による『色彩がわかれば絵画がわかる』が面白かったのでこちらも読んでみました。さすがの安定感、高いクォリティで、両方読むと絵画の「色と形」がわかるようになっています。

    本書の素晴らしい点は、著者の美術に対する姿勢。あとがきにそのあたりがよくあらわれています。

    (引用注: 著者の美大生時代の考えとして)何百年も昔の絵であっても、いつでも「今」それがすばらしい。それは歴史とは無関係だ。(中略)
    そこで私はこう考えた。歴史の中に美術はあったが、しかし美術の中に歴史はない。(中略)
    ならば、美術史という方法論では、美術の本質はとらえられない。(中略)
    美術史とは別の方法で、「美術の理論」を形にしたい。(p.279-280)

    私は何によらず、寄り道した人の視点が大好きなのです。エリートコースまっしぐらの純粋培養ではなく、留学とか挫折とか病気や事故などを経験し、外から中を、邪道から正道を見る視点が大好きなのです。

    大学を卒業した私は、美術史の研究には進まず、他の分野から美術の核心に迫る道を歩み始めた。(p.280)

    その結果、本書はとてもユニークかつ「誰も言ってないけど確かにその通り!」という観点から「色と形」を論じています。
    例えば透視図法。透視図法という技法を論じるのではなく、まず「垂直線」から話しを始めます。題材は、フェルメールの『牛乳を注ぐ女』。牛乳が地球の重力にしたがってまっすぐに落ちていることに触れてから、地球の重力は万物に及ぶ普遍的な力であり、故に垂直線はとても大事、という。「えっ、そこからはじめるの?」
    そう、そこから語り始める。
    その調子で水平線と対角線を論じるから、次の章で「奥行き」の表現手法としての透視図法がはじめはじわじわと、そして最後に爆発する感じで「あぁ、わかった」と感じられるのです。

    そんな感じの、一般的とは言えないけれど腑に落ちるような、よく考えられた角度からの解説が続きます。目次をみると、本書の「構図」それ自体も美しい、と気がつきます。

    目次
    Step1 ー平面ー
    第1章 「点と線」がつくる構図
    第2章 「形」が作つく構図
    Step2 ー奥行きー
    第3章 「空間」がつくる構図
    第4章 「次元」がつくる構図
    Step3 ー光ー
    第5章 「光」がつくる構図
    第6章 「色」がつくる構図
    Step4 ー人体ー
    第7章 人体を描く
    第8章 美術解剖学

    最後にもう一つ。
    著者が理論的に絵画を見る視点を提供しているからといって、理論一辺倒でないことも強調しておきます。印刷物やパソコンのディスプレイでみてもわからない、「物としての美術品」の大切さを訴えます。

    超一流の名画の、精巧な複製よりも、二流の現物のほうが、はるかに素晴らしい。美術とは、そういう「モノ」であることを忘れてはいけません。絵は、モノなのです。物質なのです。(p.157)
    絵の画面に思い切り近づくと、筆の跡や、絵具の盛り上がりが見えます。絵というのは、線や面がつくる構図、色と色の並び、そういうもので構成されていると思ってしまいますが、本物の絵をまじまじとみると、そうではなくて、絵というのは、筆で描いた、絵具の痕跡なのだということが分かります。(p.157)

  • step2の遠近法や次元の話はおもしろかった。step4の仏像や骨格の話は、本のタイトルから考えても、それまでの話の流れから考えても、(著者自身が文中で語っている通り、)一冊の本としてのまとまりをなくしてしまっている。そんな「破綻」も悪くないというようなことを著者は書いているが、どう読んでも、良い「破綻」ではなく、ただの「破綻」である。著者の余分な話に付き合わされた気分になる。

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著者プロフィール

解剖学者・美術批評家。1960年群馬県生まれ。東京芸術大学美術学部卒業。同大学院美術研究科博士課程修了(美術解剖学専攻)。東京大学医学部助手(解剖学)などを経て、現在に至る。大学院生のとき、恩師・三木成夫の紹介で養老孟司と出会い、27歳のとき養老との共著『解剖の時間』を出版、28歳で単著『脳の中の美術館』を出版。大学院生のときに出版したこの二冊を皮切りに、現在まで約50冊の著書を出す。主な著書に『脳の中の美術館』『体の中の美術館』『絵筆のいらない絵画教室』『自然の中の絵画教室』『「進撃の巨人」と解剖学』など。また美術批評の著作も多く、『「モナリザ」の微笑み』『構図がわかれば絵画がわかる』『遠近法がわかれば絵画がわかる』など。解剖学をベースに芸術と科学の交差する美の世界を探求している。

「2017年 『人体 5億年の記憶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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