飛ばし 日本企業と外資系金融の共謀 (光文社新書 620)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334037239

作品紹介・あらすじ

会計基準の穴を突き、金融工学を駆使する損失隠しの手法とは?共同通信社、テレビ朝日でスクープを連発してきた著者による、金融犯罪事件簿。問題を先送りしたい日本企業の経営者の体質と、それを食い物にしてきた外資系金融の実態を暴く。

感想・レビュー・書評

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  • 【要約】


    【ノート】
    ・amazonでたまたま目についた

  • 企業の損失飛ばしのお話。

    手口は年々高度化するけれど、共通するのは下記2つ。
    ・表沙汰にしにくい損失
    ・ガバナンスの欠如

    露見した時には途方もない損失になっているというね。。。手を替え品を替え、この手の事件は忘れた頃にまた起こるのでしょう(-_-;

  • 「前述したワラント債は、ワラントと社債を切り離し、ワラントだけでも独立して売買できるタイプが主流だ。」

    損失隠しの”飛ばし”に焦点をしぼった本。
    実際に行われた飛ばしの方法、金額、経路が書かれている。
    山一証券、ヤクルト、オリンパスの事例が登場する。

    山一証券の倒産は悲劇的に語られるが、本書を読んで、山一はつぶれて良かったと感じた。金融のプロとして失格である。

  • 地元の図書館保有。

  • 簿価割れ資産を「飛ばす」場合、飛ばした先でどうやって資産をBS上簿価で抱いていたのか、抱く資金はどこから手当てしていたのかが全く理解できていなかったのだけど、この本でその疑問が氷解。「売り現先」、「仕組み債」、「のれん代として繰延べ」・・・。考える奴も見破る奴も凄い、と素直に思う。

  • 果てしなくややこしいし読んでて暗い気分になる

    嫌な現実から目を背けるためにはなんでもするという愚かさ
    バブル前後の金の価値の低さ(一度体験してみたい)
    あとはきっちり稼いでいく外資系金融機関のしたたかさ

    ま、儲けにならないことをこんだけ労力と金かけてやってりゃ大変なことになるわな
    早く日本も資本主義国家になるといいんだけど

  • Tobashi

  • とにかく面白い.

    タイトルにある「飛ばし」に関する手法と,実例が書かれている.
    それが記者出身の著者が顛末を詳らかにすることで,テレビで見ていただけの世界が当時のその現場にもぐりこんで自分自身で体験できたような生々しさを感じることができる.
    悪い意味での人間臭さを実感として感じ,人の業とはどういうものか見つめることとなる.

    読書によって,別の世界に引き込まれるという体験を初めて受けた.
    著者には感謝の念しかない.

    図書館で借りようとせず,購入することをお勧めする.

  • 本業を忘れ財テクなんかに走るべきではない、「にぎり」で特金を運用するなどトラブルを進んで抱えるようなもので言語道断・・・そんなことを今になって声高に叫んでも所詮は後講釈だ。簿外の含み損が何百億円規模で膨らんでいく事態を目の当りにしたら、先送りして今をしのげればと願ってしまうのが人情だろう。山一証券の廃業に至る飛ばし、ヤクルト巨額損失事件、オリンパス事件。本書はこれらの発端から結末までの経緯を詳細に述べており、抜き差しならない状況に追い込まれる過程がひしひしと伝わってくる。各事件とも、歯止めの効かない杜撰な管理体制だったことに唖然とさせられるし、これらの教訓を踏まえて現在は法制度や社内管理体制が整備されているのだと思う。それでも仕組みを作るだけで再発防止できると果たして言えるだろうか?月並みだが、不幸な歴史を追体験し、少しでも立ち止まって考えることも必要なのではないか。本書はその機会を提供してくれると思った。

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著者プロフィール

田中周紀(たなか ちかき)
1961年、島根県生まれ。上智大学文学部史学科卒業。共同通信社社会部で95~97年、テレビ朝日社会部で2006~10年の計5年9ヵ月間、国税当局と証券取引等監視委員会を担当。10年にテレビ朝日を退社し、現在はフリージャーナリスト。
著書に『巨悪を許すな! 国税記者の事件簿』(講談社+α文庫)、『実録 脱税の手口』(文春新書)、『飛ばし 日本企業と外資系金融の共謀』(光文社新書)、『会社はいつ道を踏み外すのか 経済事件10の深層』(新潮新書)など。取材・構成に横尾宣政著『野村證券第2事業法人部』(講談社+α文庫)などがある。



「2023年 『東京医大「不正入試」事件 特捜検察に狙われた文科省幹部 父と息子の闘い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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