- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334037260
作品紹介・あらすじ
民主主義だからダメなのか?まだ民主主義じゃないからダメなのか?本書では、日本の民主制の危機、問題点を考えるにあたり、民主制や自由思想の歴史、そしてそれを近代日本がどのように移入したのか、さらに、改正が取り沙汰される日本国憲法の、国民の見落としている根本原理などについて一から学び直す。また戦後政治が何を積み残してきたのかを丁寧に振り返り、最後には、我々に最も欠かけている思考について検証。民主主義の限界を克服する道を探る。「必要悪としての政治」という視点から、民主制の主体=民衆に求められる資質・精神について考える。
感想・レビュー・書評
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政治
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先進国では民主制が衰退しつつある(エマニュエル・トッド)。民主国家を運営しているのは完璧な存在ではなく我々と同じ人間。人間は愚かで欲張りでずるく卑怯未練なところを持っている。そういう人間の代表が行っている政治は愚かで強欲でずるいものである可能性を持っている。だからこそ情報公開で事実を他者の目に晒すことで問題点を洗い出し続けることが必要。民主制で我々に必要なのは服従や忠誠でなく、支持や参加である。民主主義は確認し続ける必要のある、面倒でまだるっこしいシステムである。
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感想未記入、引用省略
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ある程度気付かされることもあるが、やはり新書の例に漏れず、タイトルに敗北している。
戦後政治史の振り返りはどうして必要だったのか。明治~大正の政治史も、そこまで掘り下げて記述したわりに、それを受けた結章に何もいかされていない。
すこし大上段から行きすぎた。 -
日本の民主主義制度についての問題意識を持つ人なら、手にとってみたくなるタイトルだ。口語文で読みやすいことを心がけたのだろうが、一つ一つの内容が浅く、期待したほどでは無かったというのが、正直な感想である。それでも民主制の歴史と展開、憲法問題、戦後日本政治史などをカバーしている。最後に著者曰く、「民主主義は、決して有権者に快楽をもたらすシステムでは無い。永遠に未達成のシステムに関わる虚しさに耐えることで、自分並びに他者の権利は保たれる」と。それにしても歯科医である著者が、なぜこれほどの社会時評を描けるのだろうか?