バカに民主主義は無理なのか? (光文社新書 623)

著者 :
  • 光文社
3.15
  • (0)
  • (7)
  • (9)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 91
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334037260

作品紹介・あらすじ

民主主義だからダメなのか?まだ民主主義じゃないからダメなのか?本書では、日本の民主制の危機、問題点を考えるにあたり、民主制や自由思想の歴史、そしてそれを近代日本がどのように移入したのか、さらに、改正が取り沙汰される日本国憲法の、国民の見落としている根本原理などについて一から学び直す。また戦後政治が何を積み残してきたのかを丁寧に振り返り、最後には、我々に最も欠かけている思考について検証。民主主義の限界を克服する道を探る。「必要悪としての政治」という視点から、民主制の主体=民衆に求められる資質・精神について考える。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 政治

  • 先進国では民主制が衰退しつつある(エマニュエル・トッド)。民主国家を運営しているのは完璧な存在ではなく我々と同じ人間。人間は愚かで欲張りでずるく卑怯未練なところを持っている。そういう人間の代表が行っている政治は愚かで強欲でずるいものである可能性を持っている。だからこそ情報公開で事実を他者の目に晒すことで問題点を洗い出し続けることが必要。民主制で我々に必要なのは服従や忠誠でなく、支持や参加である。民主主義は確認し続ける必要のある、面倒でまだるっこしいシステムである。

  • 感想未記入、引用省略

  • ある程度気付かされることもあるが、やはり新書の例に漏れず、タイトルに敗北している。
    戦後政治史の振り返りはどうして必要だったのか。明治~大正の政治史も、そこまで掘り下げて記述したわりに、それを受けた結章に何もいかされていない。
    すこし大上段から行きすぎた。

  • 日本の民主主義制度についての問題意識を持つ人なら、手にとってみたくなるタイトルだ。口語文で読みやすいことを心がけたのだろうが、一つ一つの内容が浅く、期待したほどでは無かったというのが、正直な感想である。それでも民主制の歴史と展開、憲法問題、戦後日本政治史などをカバーしている。最後に著者曰く、「民主主義は、決して有権者に快楽をもたらすシステムでは無い。永遠に未達成のシステムに関わる虚しさに耐えることで、自分並びに他者の権利は保たれる」と。それにしても歯科医である著者が、なぜこれほどの社会時評を描けるのだろうか?

  • 挑発的なタイトルですが、「もっと民主主義とはなにかを、今の日本の政治を、知りましょう」という内容。学校で習っていた当時はまったく興味を持てなかった公民分野の現代史、今読むと「なるほどー」とよく分かる。
    ずっとずっと日本が引きずって先延ばしにしていたことが、どんどん悪い方向に噴出してきて今に至るんだなということが、現代史を通してみると見えてくるなー。根は深い。でも私は今の時代を生きていくしかない。民主主義を成り立たせるためには、私たち一人一人の意識がいかに大切なのか、痛感させられました。具体的にどうしたら良いのかは分からないけれど、とりあえず今という時代を知ることの大切さを教えられた。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

長山靖生(ながやま・やすお):1962年生まれ。評論家。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。開業医のかたわら、世相や風俗、サブカルチャーから歴史、思想に至るまで、幅広い著述活動を展開する。著書『日本SF精神史』(河出書房新社、日本SF大賞・星雲賞・日本推理作家協会賞)、『偽史冒険世界』(筑摩書房、大衆文学研究賞)、『帝国化する日本』(ちくま新書)、『日本回帰と文化人』(筑摩選書)、『萩尾望都がいる』(光文社新書)など多数。

「2024年 『SF少女マンガ全史 昭和黄金期を中心に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長山靖生の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×