- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334037468
感想・レビュー・書評
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社会的立場を考えた上で正しい日本語を選択することは、日々社会で必要であるため、とても参考になった。アニメや漫画、身近なものを例としていて学生としては共感しやすくわかりやすかった。社会言語学への関心が深まった。
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文法的な言葉の正しさを重視するあまり片隅に追いやられている「言葉のふさわしさ」。
生きた言葉が存在するのは人と人とがコミュニケーションを行う社会そのもの。社会の中で言葉がどのように使われているのか。これを知ることにより初めて言葉の真の姿が見えてくる。貴様、御前もかつては敬語。言葉の正しさは時代の変遷とともに大きく変わりゆく。言葉として決して正しくなくとも、時と場合によっては最もふさわしい言葉となることは、しばしば我々が日常経験すること。形式にとらわれることなく、おかれた場面で、空気を適切に読み、どのように言葉を選び使うかが最も重要だということである。 -
社会言語学ってこういう話なのか。
語用論とかテクスト分析とかとごっちゃになっている。
わかりやすいし面白いとは思う。 -
□内容
なぜ、方言はうらやましがられたり、馬鹿にされたりするのか。『となりのトトロ』のサツキとカンタの会話から、何が分かるのか。あの人はなぜ自分のことを「オレ」と言ったり「ぼく」と言ったりするのか。ママと呼んでいたのがかあさん、おふくろ、母親、と変化するのはなぜか。状況に合った敬語が使えるようになるにはどうしたらよいのか…。学校では教わらない、でも、一番「伝わる」日本語とは…?「生きた言葉」と、環境(社会)との関係を科学する―「ことばの社会学」の入門書。 by アマゾン
□感想
『文章は接続詞できまる』でも感じたが、なにか物足りない。各章の最初と最後を読めば主要はわかる。タイトルやトピックのネーミングも上手だ。けれども、何かが足りない。それってなんだろう。
社会言語学の入門書というように、網羅(といっても、社会言語学の本は読んだことはない)しているが、広く浅くというものだ。
興味深いのは次の3つ。
話し手は、親しさを示したい場合は相手の言葉遣いに合わせ、反発を感じる場合は相手の言葉遣いを合わせない傾向がある。それを分析するのがアコモデーション理論である。p.115
→本書では帰省したら「関西弁」、子どもには子どもにあった「話し方」、外国人にはできるだけわかりやすい日本語で話そうとする、ということを「言葉遣い」としている。後述したのは親しくしたい、というものもあるがマナーや思いやりということもあるだろう。
たしかにm親しくしたい場合、(意識したことはないが)自然と相手にあった言葉遣いをしている。また相手の使う「言葉」を使って話をしようとする。これも結構あるのでは?
英語は性差別語(sexist language)だと言われることがある。例として、chiairman,policemanなどmanを用いたり、actor/actress, waiter/waitressのように男が基本形で女が派生形だったりする。これらに対して性中立語にする動きがある。
これらに対して社会的な反発がある。問題は言葉にあるのではなく、差別意識にある。言葉の言い換えに終始しても意識を改革しないことには根本的な解決にならない。その言葉が相手を侮蔑するかどうかは文脈によって決まることが多く、文脈を無視して表面的な言葉の使用だけを問題にしていいのか、という意見もある。
でも、言葉は自分でいうことは許されても人から言われると傷つく。例えば、「おれ、デブだからさ」と自分でいうのと、「お前、デブだな」と人からあらためて言われるのとでショックを受ける。pp.211-214
→うーん。もう少し書いてほしい。誰かこれについて話しましょう。
同じ意見文を書いてもらった場合でも、国によって色が出る。韓国人は身近なことについて引きつけて自分が感じたことを大切にするのにたいし、中国人は身近なことを書いても最終的には一般化して、経済・社会・文化といった大きな枠の中で教訓的に取り上げる傾向がある、ドイツ人の文章は飛躍が少なく、接続詞などで丁寧に理論を追っていくのにたいし、フランス人の作文は表現に凝る印象があり、批判的な見方を忍ばせる傾向がある。
どこまでが言語の問題で、どこまでが文化あるいは教育の問題かわかりにくいところはあるが、書き手の言語的・文化的背景が反映されていることはたしかだ。 pp.214-219
(まっちー) -
社会言語学入門としてお勧めの一冊。
読みやすく、社会言語学がどのような学問かわかる。
専門用語も出てくるが、分かり易い説明がされているので、知識がなくても楽しく読めるだろう。 -
志望学部・職種:外国語学部
ここがオススメ!:日本語にはその場の空気感によってふさわしい、ふさわしくないがある。相手と自分の関係や、その場の状況で一人称が何種類もに変化する。日本人は無意識に使い分けているが、正しい日本語というよりもふさわしい日本語を選ぶ事は、日本語を勉強する外国人にとって簡単ではない。日本人には無意識で気がつかない事が書いてあるので、改めて日本語について理解を深められる本だと思う。 -
理論言語学=記号としての言葉の内部構造を明らかにすることを目指す内部志向の言語学=正しさの言語学
社会言語学=発話された言葉と発話された外部環境の関係を明らかにすることを目指す外部志向の言語学=ふさわしさの言語学
社会言語学からみた「言葉」についていろんなことが書かれていておもしろかった -
先生おすすめ本('22.7 図書室通信掲載)