クリエイティブ人事 個人を伸ばす、チームを活かす (光文社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334038076

感想・レビュー・書評

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  • 【読書メモフォーマット】

    ■読了した日付: 2021/9/6

    ■読もうとおもった理由:
    人事の仕事をしているため、新たな人事の形について知りたいと思ったから。

    ■読んだ後に得たいと思ったこと:
    これからの人事の可能性について、自分なりに意見を持つ。

    ■目的は達成出来たかを4段階で(×,△,○,◎):◎

    ■心に残った箇所:
    ・「経営陣と現場の板挟みの状況、社内にある矛盾の中から解を見出そうとする人事のことを『AND思考の人事』と私は呼んでいます。」
    ・「『しらけの排除』は私たちが人事制度を企画する際のキーワードとなっています。」
    ・「人事担当者にとっての真の学習とは、インプットした知識や情報をもとに『自分ならどうするか』を考えること、考えたことを周囲の第三者に当てて反応を見ること、そのうえで立てたプランなり施策なりを実行に移し、経験を増やしていくことだと思います。」

    ■感想:
    本書の著者の1人である曽山氏はサイバーエージェントの人事として界隈では非常に有名な人物である。そのため本書でもサイバーエージェントにおける事例の紹介が非常に多くなっているが、少し前のものなので変わっている部分も多いだろう。しかし重要なのは事例ではなく、それを通じた曽山氏の学びであったり、経験の部分であると感じた。多くの人が「サイバーエージェントの施策は特殊で参考になりにくい」などの意見を言うことがあるが、単純な事例導入ではなく、そこから得た学びなどをベースに組み込むことで、自社ならではの施策立案などに役立てられるのではないかと思った。
    これからの人事像や、組織・個人に臨む姿勢について学べた良書だと思う。

  • 共感する部分が多くあり、改めて自身の在り方、仕事への向き合い方を見つめなおすことができた

    Doableではなく、Deliverable!
    ‐Line Managerや現場にどんな価値を届けているか、人事があるおかげで何が会社にもたらされているか

    評価はシステムではなく、「納得感のある対話」
    ‐日常的に上司が部下と話し合い、良ければほめる、悪ければ指導するという関係を築いていれば、評価や査定の結果がどうであっても部下は納得して受け入れる

    人事は「コミュニケーションエンジン」

  • 人事のミッションをコミュニケーション・エンジンとする点に共感したし驚いた。捉え方次第でどんな部署も花形にできうる。

  • サイバーエージェントの急成長期の人事の経験があますことなく公開されている。大小問わず、自分の属するチームやコミュニティの「人」を大切にしたいと思ったら手にとってほしい一冊。

  • サイバーエージェントの人事制度に関する本。ユニークな制度が多く、注目に値するが、人事は戦略の要だと考えると、そことの関連性に欠けるのが物足りない。人事本部長という立場上、限界があるが、当該企業に関する他書との併読によって、全体像が見えてくるものと思われる。いずれにしろ、素直に書かれた良著である。

  • 人事だけなく、社長をはじめとするリーダーの人には、
    こんな風に働いて欲しいという願いがあると思う。

    一人ひとりが異なる個性を持っている。
    その上、人にも会社にもチームにも、その前後間での状態がある。
    あるところではうまくいったとしても、
    それはあるところであって、他でうまくいくとは限らない。

    何かの理想を軸として、人と対峙して制度を作り、少しずつ改善していく。
    軸があるから、悪いところは悪いことだときちんと指摘できる。
    この道にも一発回答はなく、ただ一歩ずつ進めることしかないのかなと思いました。

    (以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
    ○「経営と現場の間に一貫性をもたせる」という言い方もよくしています。会社の目指す方向性を決めるのは少数の経営陣です。一方、現場で働く人たちはさまざまな局面において、自分で考えて決断し、成果を出します。これをうまく一致させること、そこに人事のクリエイティビティが見だされるのではないかと思います。(P.26)
    ○私たちは新しい人事制度を企画するときは、事前に社員に対してかなり入念にヒアリングをしますし、その制度を導入することによって、かえって社員がしらけてしまわないかということを考え抜きます。ネーミングにこだわるのは、その制度を流行らせたいからです。社員がその制度のことを家族や友人に自慢できるようにしていきたいと思っています。(P.29)
    ○また、制度をつくるうえで、私たちはむやみに平等性を追求しようとはしていません。社員の才能はそれぞれ異なります。にもかかわらず平等性にとらわれすぎると、一人ひとりがもっている才能を認めないことになりますし、才能のある人材を認めないことにもなりかねません。手を挙げた社員は誰でもチャンスを得られるという意味での公平性はとても大事ですが、人事は平等だけでは成り立たないと考えています。(P.29)
    ○「答えはみんなの中にあるって学んだ」と私は思った通りのことを言いました。(P.51)
    ○中途採用者に会社になじんでもらうことを藤田は「溶け込まし」と表現していましたが、それを可能にするためには、社員同士が話し合って親しくなれる機会を増やしていくしかないと考えたのです。(P.53)
    ○精度は細かく作り込んではダメなのです。もちろん、しっかりとした軸は必要ですが、制度自体はなるべく軽めにつくり、現場が運用しやすいようにしたほうがいいのです。
    運用しやすい制度は社内に浸透します。逆に、いくらよくできた制度でも、現場でうまく運用されなければ長続きしません。「制度は計画が二割、運用が八割」。(P.61)
    ○評価・査定はシステムではなく、「納得感のある対話」なのです。日常的に上司が部下と話し合い、よければほめる。悪ければ指導するという関係を築いていれば、評価や査定の結果がどうであっても、部下は納得してそれを受け入れるのです。(P.62)
    ○会社を辞めていく人は、目標の達成度合いがなぜか下降気味になるとか、出勤や退勤の時間が変わるとか、体調不良を訴えるといったサインを出しています。そうした変化を100%読み取るのは不可能でしょうが、できるだけ見落とさないようにしなければなりません。人事の仕事に「びっくり」はあってはならないことなのです。(P.82)
    ○我々のリーダーである藤田は「理想と現実のギャップを直視して、一歩ずつ前進していくことが大事だ」とよく言います。マキシムズに書かれていることは理想ですが、経営陣が理想を掲げるからこそ、会社に軸ができ、人事には理想を実現していこうという覚悟と努力が生まれます。(P.87)
    ○全ての人事制度は流行らなければ意味がないという考え方に立ち、新たに制度を企画する際には、社員の反応を事前によく考え、社員がしらけてしまわないかどうかをイメージしています。(P.91)
    ○前回の倍近い167件もの応募があったのです。私が「何をやったの?」と尋ねると、彼女は「提案してくれそうな人を一通り回って、一人ひとりに声をかけただけですよ」と言いました。私は思わず「すごい!」とうなりました。一人ひとりに声をかけるだけで、それほどまでに応募が増えるとは予想もしていませんでした。
    このうれしくも意外な結果は、人事の要諦を私に教えてくれたように思います。社員に動いてほしいときは、人事がまず動き、一人ひとりの社員と直接会って声をかけなくてはいけないのです。(P.97-98)
    ○英語人材の中にはそうした境遇に耐えられない人たちがおり、ちょっと仕事で壁にぶち当たると、「今の仕事は自分がやりたいことではない」とか「今の仕事では自分の力が生かせない」などと言って辞めてしまうことがあります。(P.113)
    ○リーダーを育てるためにはリーダーをやらせるしかなく、経営者を育てるためには経営をやらせるしかない(P.117)
    ○新任マネージャーに対して、「三つのスキル」を獲得するように求めています。それは「目標力」「役割力」「評価力」です。(P.123-124)
    ●目標力はチームの成果を定義し、メンバーを導く力。役割力は個々のメンバーの強みを見極め、成果を出すために配置する力。評価力は成果への進捗を確認し、軌道修正する力。(P.124)
    ○ミスマッチ制度は、将来の会社のために欠かせない有効な制度だと考えています。大事なことは「頑張っている人が報われる会社」をつくることであり、その障害になるものがあるのであれば、厳しい態度で挑まなければなりません。誰にでも優しい会社は、いずれすべての社員を路頭に迷わせてしまう可能性があります。(P.135)
    ○人事制度というものは、自社の”なりわい”合わせてつくらないといけない(P.169)
    ○仕事に時間のかかるメンバーがいて、本人の改善能力に期待できない場合にマネージャーがやるべきことは、その仕事からムダを取り除いてメンバーの負担を軽くすること、それに尽きます。(P.175)
    ○「ネガティブというものは流行るものだから、もしネガティブな人が出たら徹底的に排除する」とはっきりと言いました。(P.192)
    ○その直前に、藤田に「お休みをいただきます」とメールすると、「今回の件あhお疲れさまでした。ゆっくりしてきてくださいね」という返信がありました。労をねぎらうような文面に救われました。
    以来、自分が必要とされている限りは、この会社のために精一杯尽くそうという思いを強くしました。(P.199-200)
    ○世間にはよく「トップは孤独だ」とこぼす社長がいますけれども、八木さんは人事部門を預かる身として、藤森さんに絶対にそんなことは言わせないと先に決めている。人事のリーダーがそこまで腹をくくっていると、経営パートナーそいての迫力が増しますね。(P.227)
    ○中でも私が感銘を受けたのは、会議のさなかに誰かが何を意見を言ったときに、ファシリテーターが「ほかに誰か同じようなことを考えている人はいませんか」と聞くというテクニックです。(P.233)

  • 目標力、役割力、評価力
    経営陣と現場の間の通訳、コミュニケーションエンジン。
    意見が出たときに、他に同意する人をファシリテーターが探す→少数意見が出やすくなる

    読みやすい
    人事では無いけれど、他部署との接し方、部下の評価、コーチングのヒントを得られた

  • わくわくする中身。進んで板挟みになる、しらけのイメトレ、こみみシート、コミュニケーションエンジン、決断経験、などなど、考え方がすごく参考になりました。

  • 2017.10.4
    マネージメント研修前に2日間で読了。
    人事のアグレッシブさが面白い。自らを経営陣の言葉を伝える役割を担うと定義。
    様々な仕掛けもアグレッシブ。結局は、コミュニケーションが大事。

  • 以前ケーススタディーでサイバーエージェントをやった時に藤田社長の本と一緒に買ってそのまま積読になっていた本。人事本部長の本として読むよりも、マネージャーの心得として読むといいのかも。

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著者プロフィール

サイバーエージェント取締役人事統括

「2017年 『強みを活かす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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