名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書)

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  • 光文社
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感想 : 55
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334038113

感想・レビュー・書評

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  • ロシアの遍歴、ロマノフ家の苦悩
    ヨーロッパには◯◯家という政治と財力に物言わせ国の行く末さえ変えてしまう歴史に名を刻む家が多い。
    ロシアもそんなヨーロッパの家と関わり交わりながら
    戦い現在に近いものになって行く。

    名家との婚姻は日本人が考えるより遥かに大変なものだっただろう。
    歴史の背景には革命や伝染病もあり、ロマノフ家も翻弄されて行く。

    特に目を引くのは、ロシアと言う極寒の地にありながらナポレオンとの度重なる戦い。
    アレクサンドルはロシアを救うために自尊心を捨てたとあり涙腺が緩んでしまった。

    ロシアでは最高権力者が突然失脚し、夜明けに乱暴にドアを叩く音に怯えたという。
    罷免や財産没収に留まらず苛烈な拷問、シベリア送り、四肢切断などの公開処刑が妻子一族までを巻き込んでと言うのは、本当に恐ロシアと言わせる所以なのだろうと思う。

    かつては親日と言われた大津事件にも触れており、ロシアの乾いた空気と魅力的な国土も感じられる大変読みやすいボリュームの良書。

  • ロマノフ王朝の
    血で血をあらう惨殺っぷりが
    ものすごい!
    親族のほうが ひどい目に会うんだから
    権力なんて持つもんじゃないのか。
    ヨーロッパから見ると
    妖怪チックな ロシアですが
    なんとなく・・・日本人としてメンタルは
    分かる気もするのです

  • 宝塚でアナスタシアを見て、ロマノフ家の歴史に興味を持った。
    同著者のハプスブルク家の方を読んで、この方の本なら間違いないと思った笑

    まじでめちゃくちゃ面白かった!
    世間に相手されない田舎の国からヨーロッパの国々と肩を並べる大国になり、そして一家処刑されるまでの歴史。

    めちゃくちゃ面白いんだけど、ロシア史は重く感じる。すぐ暗殺したり拷問するし隠蔽する…。
    そして気に入らないやつはすぐシベリア送りにするのが面白かった。日本で言うところの隠岐みたいな感じですかね。シベリア広しといえども、これだけの人数シベリア送りにしてたらそこで文明が発達しても良さそうな。。

    そして思ったより血を重視していないというか。生粋のロシア人ではなくドイツ人とか、他国の血が色濃く入っていてもツァーリになれる点は他の皇室とは違う気がした。

    ゴールデンカムイやはいからさんなど、ちょうどロシア革命前後や日露戦争、アレクサンドル二世の暗殺など、ちょうど時期が被ってるのですごい面白かった。
    ロシア史もっと勉強したくなった。

  • ロシア旅行の前に、この本を読み出かけました。
    旅がより深く楽しめました。

  • 名画で読み解く王朝シリーズ。相変わらず面白い!
    ロシアの秘密主義や陰湿さがじわじわと恐ろしい。
    広大な領土を力で押さえつけたことの副作用が
    いまの時代も続いている気がする。

  • ロシアといえば最後の皇帝ニコライ2世とかエカテリーナ2世くらいしか知らなかったけど、大変楽しく読めました。
    圧倒はされても何を誰を描いたのか、日本人には分かりにくい絵の歴史的背景が分かりやすくて面白かったです。

  • ロマノフ家もまた、個性的な人々の多いこと。
    ピョートル大帝、エカテリーナ二世、ニコライ二世……。
    とにかくロシアは、昔から気に入らない人や犯罪者をシベリア送りにしてたんだなあと思ってしまった。
    ニコライ二世の一家殺害、そしてそれを隠蔽する…というのがロシアっぽい。

  • ロマノフ朝の誕生から終幕まで、簡単に描かれていただけではなく、名画の解説も書かれていたので、物語を読んでいるように思えて、非常に興味深かった。
    ミュージカル『アナスタシア』をきっかけに、ロマノフ朝に興味を持ったが、ニコライ2世だけではなく、エカテリーナ2世たち皇帝も深く知りたいと思った。

  • オペラの「ボリス・ゴドゥノフ」や、ドストエフスキーの作品が妙に気になる。
    やたらに苦悩したり、残虐だったり、ロシア人の人間性に興味を覚えるせいかも知れない。
    王家というのは肖像画を沢山残していて、それが図版で沢山挿入されている。
    切れ味の良い文章と共に脳内にリアルなドラマが展開し、ついつい一気読みしてしまう。
    ロシアの農奴は悲惨だったが、上流階級もなかなか大変。ある朝荒々しく戸を叩く音と共に、地位も財産も命も奪い取られるのだ。
    聖愚者というのがボリス・ゴドゥノフに出て来るが、単なる障害を持った人というわけではないらしい。農奴の生活に耐え切れなくなった人々が全てを放棄してなる場合もあるとか。彼らは好きな事を言う権利があり、ボリスもその聖愚者に、皇太子殺しを指摘されて怯えるのだ。
    ロシアは冬寒いし、その寒さを利用した戦法を持っていたり、何かというとシベリア送りになる所も独特。


  • 海外ドラマのThe Greatを観ているので選んでみました。エカチェリーナ大帝 = Catherine the Greatのthe Greatです。

    関係ないですが、世界史を習った時イワン雷帝の雷ってなんだと思ってたら、Ivan the Terribleで、怖い人だったってことなんですね。雷 = 怖いと結びつかないのが現代人の感覚なのかもしれないです。

    ドラマはピョートル大帝とエカチェリーナ大帝のエピソードが混ざってるってわかりました。唯一現代人の感覚を持ってる主人公を心から応援したくなる話です。エル・ファニングが可愛すぎるのもあるけれど。

    18世紀は女帝の時代だったようで、なぜロシアで女帝が許されたのかわかって読んでよかったです。愛と憎しみというより、とにかく憎しみに満ちた歴史で恐ろしい。王朝の最後に暗殺が横行する、その時とにかく怯えるばかりでなぜ民衆からそんなに憎まれるのか考えようとしない、考えるきっかけすらないのだから、滅ぶべきして滅んだのかなあと。例えばイタリアだったら自国の歴史を学ぶのはきっととても楽しいでしょうね。中野京子さんの絵の見方はとても好きです。でも歴史観はあまりかな。大人だから主観的に見ればいいし、さらっとしてるのはとてもいいけれど、私はそうは考えないかなというのも多いかな。

    とにかくやたらシベリアに送られるのでシベリアの人口どうなってるんだと思って地図をみたら、シベリアって広いんですね!という頭の悪い感想でした。

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著者プロフィール

作家・ドイツ文学者。北海道生まれ。2017年「怖い絵展」特別監修者。「怖い絵」シリーズ、『名画に見る男のファッション』「危険な世界史」シリーズ(すべて角川文庫)、『新怖い絵』『怖い絵のひみつ。「怖い絵」スペシャルブック』(ともにKADOKAWA)『絶筆で人間を読む』(NHK出版新書)、『中野京子と読み解く 運命の絵もう逃れられない』(文藝春秋)、 『欲望の名画』(文芸新書)、「名画で読み解く イギリス王家12の物語」シリーズ(光文社新書)、『美術全集アートギャラリー第5集「ヌード」』(集英社)など著書多数。

「2022年 『展覧会の「怖い絵」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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