女子高生の裏社会 「関係性の貧困」に生きる少女たち (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334038144

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  • JK産業で働いている子供達の肉声。アンケートのサンプル数は少ないが、雰囲気をつかむためには役立つ。

    『最貧困女子』で指摘されていた、三つの縁の制度を除く二つの縁、三つの障害のうち精神障害が当てはまるケースばかりだった。

    子供達を搾取する側の体制はきめ細かく完全だ。それに反して守る側の体制は縦割りで、杓子定規。そこをどう打開するかが今後の課題だ。

    ・厳しい状態にある人は、人を頼る勇気が持てない
    ・大人が秘密を守ることは、大事だがジレンマもあるだろう。
    ・教育、居場所、仕事

  • 同じ年頃の息子を持つ立場で、本当に複雑な思い。そんなにやすやすと、というくらい世間を知らない高校生。
    稼ぎたい裏社会の大人の思惑ととにかく欲求を満たしたい大人の思惑……これがメディアなどで露わになることで、当たり前になっていくこと、世間に受け入れられていくことも恐ろしい。
    低年齢化と貧困層からそうでない層に拡散していく構図はあらゆる犯罪にいえる。社会と大人としての責任を感じるが何が出来るのか…まず意識することだろうか。

  • 読んでいて情けなくなる、いや、それを通り越して悲しくなるルポである。

    人様に迷惑をかけてはいけない、と言われて子供は育つ(最近はそうだろうか?)。

    俺は違うと思う。

    人は大人になっても他人に迷惑をかけて生きていく。

    迷惑をかけるのを恐れて人との関わりを断つよりは、むしろ積極的に迷惑をかけるべきだとも思う。

    むしろ俺はこう思う。

    人様を悲しませることをしてはいけない。

    法律だからとか、決まり事だからとか、常識だからとか云々理由をつけて様々なことが禁止されている。

    が、そんな細かいことはどうでもいい。

    自分がされて悲しくなること、自分が見て悲しくなること、そんなことを人にしないこと。

    人様に迷惑をかけないよりは、大分ハードルが下がると思うのだが、どうだろうか。


    本書ではJKリフレとか、JKお散歩、そして売春に至る女子高生数人のルポである。

    SNSが作ったネット上の社会は人と人を繋げる反面、裏社会への入口としての間口を広げた。

    居場所を無くした彼女たちの行きつく先の裏社会を描き出す。


    さて、大町というド田舎でのんびりしていて、久しぶりに実家の高田馬場のニュースを見たと思ったら「個室で女子高生の大衆を嗅がせる。経営者逮捕」の店が高田馬場かよ。

    ホント、ろくでもないな東京は。ホント、ろくでもない大人だな。

    「これは大人の責任だ」作者は文中でそう指摘する。

    お金を出して搾取するのは大人である。

    職に貴賤はないというが、未成年を金で買うというのは職とか金とか働くとかなんだとか以前の問題だろう。それはダメだろう。やっちゃダメだろう。


    貧困、社会の階層化、少子高齢化、無縁社会、ブラック企業、

    全ての社会問題のしわ寄せは若者に背負わされる。

    これらの問題に直面し、解決しなければいけないのは若者のはずだ。


    俺は他人のブログは全然読まないのだが、唯一読んでるのが「Chikirinの日記」
    その最近の記事で「かわいそうなお年寄りをもっと支援すべき!?」というものがあった。

    若者にもっとも重要なものは教育だと思う。

    大人が若者への教育をおろそかにし、その若者を搾取する構造は将来、国の崩壊を確実に引き起こす。


    と社会もなんにも関わらない無責任な27才(独身・会社員)がぬかしております。

  • 女子高生へのインタビューを加えた考察。
    性産業ー低年齢化

    ・SNSによる情報の拡散
    ・貧困・DV・母子、父子家庭、離婚など家庭問題
    ・先進国で唯一児童保護の法律や犯罪者を罰する制度が薄い

    情報社会の中で、今まで一生出会うことのなかった人々がいとも簡単に出会うことができます。
    また、スマートフォンなど携帯電話は個人に1台が当たり前で親の知らない内に様々な情報に触れられるのが当たり前になりました。

    その中で、女子高生達を上手く騙し、利用しようとする性産業や風俗業界が言葉巧みに迫ってきます。
    警察の取り締まりもありますが、形態を変化させ摘発を逃れ続けています。

    ・スカウトやナンパの技術
    ・JKお散歩の勤務者への叱咤激励
    ・客とのトラブルの仲裁
    これらのノウハウはマニュアル化され、女子高生にとって居心地の良い(という幻想を見させる)環境を作っていく。
    実社会で声を上げるー学校関係者・相談機関など公共機関を含め 少女達の人権を無視した言動や対応がある。そういった点で、信頼して向き合える大人がいないことの問題点を指摘。

    関係性の貧困、児童保護や国による少年少女を利用する犯罪組織の撲滅、子供達への教育などを考える必要があると感じました。

  • 職場内にも繋がれていない人っているんだろうな...。繋がれる場(機会)を作りたいと単純に思う。

  • 先日著者の講演会に出席したことをきっかけに購入&読了。荻上チキとも鈴木大介とも違うのは、女性だからなのか、当事者だからなのか。類書にはないリアルがあります。正直JK産業には興味がなかったので、ここまで来てるとは思いませんでした。初版が2014年なので、今はもっと変化を遂げていることと思います。
    欲を言えば、「生活安定層」がJK産業に参入するようになった背景についてもう少し深掘りして欲しかった。でもまぁこれは、研究者でも評論家でもない著者に望むべき筋ではないのだろう。
    女子高生の目線を失っていないことが、最大の強みであると感じた。

  • 2016.5.10
    関係性の貧困、というキーワードで現在の社会が抱える問題がいろいろ説明できてしまう気がする。衝撃的な内容だった。

  • 自分の過ごしてきた「女子高生時代」とは違う世界でびっくりしたというのが最初に抱いた感想でした。

    JK産業に入る人たちにはさまざまな背景があると思います。
    ただ居場所を探している、助けを求めている女子高生たちに対して、手を差し伸べる大人が「商品」として扱っているという現状がとても悲しくなりました。
    彼女たちにとっては「ようやく見つけた信頼できる大人」が、実は自分を利用するだけに近寄ってくる存在だと気付いたら、彼女たちは余計傷つくだろうなと感じました。

    簡単なことではないと思いますが、家庭や学校、地域…彼女たちの身近にあるネットワークのどこかが、手を差し伸べられるような、彼女たちの小さな「助けて」の声を拾えるような社会をつくることが大事だなと感じました。

  • 現在の女子中高生の見えない部分について勉強しておこうと思い、平積みされていたこの1冊を手にした。

    内容は驚きの連続であった。

    その中での一つ。アメリカの評価ではあるが、先進国の中で、日本は人身売買の規制を十分に行えていないと評価されているのである。本文の内容が事実であれば、そう言われても仕方ないことである。

  • 女子高生が裏社会に取り込まれている実態が、現場に入り込んだルポによって、リアルに明かされます。貧困や関係性の欠如など問題点が述べらますが、ごく普通の女子高生が巧みに性産業に取り込まれる実態はショックです。本論ではありませんが、危険ドラッグの流通経路や消費に関わる対象が一般人化しているそうです。格差社会の進行とともに、裏社会に取り込まれる一般人が増え、日本社会が不穏になっていく兆しを感じます。

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著者プロフィール

一般社団法人Colabo代表。1989年生まれ。中高生時代に街をさまよう生活を送った経験から、行き場のない少女たちへの夜の街でのアウトリーチ、シェルターでの保護や宿泊支援、シェアハウスでの住まいの提供など、10代女性を支える活動を行なっている。また、虐待や性暴力被害を経験した10代の女性たちとともにアウトリーチや、「私たちは『買われた』展」の開催など、虐待や性搾取の実態を伝える活動も行なっている。
著書に、『難民高校生 絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル』(英治出版・2013年、ちくま文庫2016年)、『女子高生の裏社会 「関係性の貧困」に生きる少女たち』(光文社新書・2014年)ほか多数。
受賞歴として、2015年「エイボン女性年度賞」、日経ビジネス「次代を創る100人」、文藝春秋「日本を代表する女性120人」、日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー「若手リーダー部門」、2019年「Forbes Under30 Asia 2019社会起業家部門」、2021年「国際女性デー | HAPPY WOMAN AWARD 2021 for SDGs」など。

「2022年 『当たり前の日常を手に入れるために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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