「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334038168

感想・レビュー・書評

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  • 話題本。女性活用を目指す上司は読んだらいいと思う。
    高学歴、両立支援が整う大企業に勤め、若くして結婚出産という「勝ち組女性」が職場復帰後に退職してしまうのは何故か。
    単純に両立の難しさという言葉だけでは紐解けない社会的背景を調査するという主旨の本。(たぶん)

  • バリキャリ志向よりも、ゆるキャリ志向の人の方が長く働ける。

  • 自分の中で働き方がテーマになりつつあったので、とてもためになった。
    自分が働いている会社がWEB企業だからか、この本を読み始めた時にはなぜ筆者がこのように憤っているのかだったり、悩みがいまいち理解できなかった、けれども、次第にこの日本が持っている、潜在的な女性差別に気づくことができた。僕が大人になるより前からあった女性差別は薄れつつも、その影響は育休世代が直面する問題となっている。
    今さら女性活用といっても、なかなか子供を産んだ女性が仕事などを通じて夢ややりがいを両立させられるように、社会の仕組みも、考え方さえも至っていないのだ。

  • 切実な本だ。修士論文を元にした出版で、今後、このように新書に論文を書き直した出版は歓迎したい。

    いわゆる女性の勝ち組にも、ケアとジェンダーの問題が根強く横たわっていたことを15人の「語り」の中で、分析している。

    男女共同参画ではなく、ケアしているものの参画という指摘が鋭かった。

  • 「出産後も就労継続を志向する女性」(いわゆるバリキャリ?)の悩み・葛藤・その構造、そして解決策を検討したもの。ざっくりいうと「妊娠前のようにバリバリ働きたい」⇔「でも(十分な育児もしたいから)みんなと同じように働けない」「バリバリな仕事をやらせてくれない」というような。15人の女性にインタビュー・ケースを分析するという形で書かれているのだけど、「わかる~」って話も多くすいすい読めました。
    男女ともに働きやすくなるために必要とされているのは、第一にまさにこの本が「ケア責任」と名付ける責任の分散なんだと思う。子どもを育てるとなると、授乳・おむつ替え・泣いた時の対処・寝かしつけなんかから始まって、日中一緒に遊んであげる・危なくないよう見ててあげる・病気の時の対処等々いろんな「お世話」をする責任が待ってる。大人が生活するための家事も。産むことと母乳あげることは母親にしかできないけれど、それ以外は父母平等でいいはず。というところから「みんなが」出発するようにしないと解決しないと思う。
    第二にそういう制約のある時期を「誰しもあるもの」として「適度な配慮」(この本では「過剰な配慮」=やりがいを感じられない「楽すぎる」仕事への配置も退職の一因になると指摘している)をしていく職場側の変革。成人男女の客観的な統計上も結婚して子供がいる人の方が多いのだから、子育てで大変な期間は一定の配慮をすればいいと思う。
    私がこれまで見た限り、今の職場はこの面ではすごく「良い」部類なんだろうと思う。自分自身、子ども生むことが特段不利益とかそういう観念自体抱かなかった。そういえば「焦ることもあるかもしれないけど長い目で見れば変わらないから。」と言ってくれた先輩女性もいた。そして確かにその人自身、言ってくれた時点で十二分に能力を発揮・評価されているように見えたので「そうだよね」ぐらいにしか思わなかった。先輩女性たちは多くが子育てを経ている人だし、全体の男女比率に比べて管理職?の男女比率が劇的に変わっていないこともあると思う。育休明けの勤務地がどこであれ、「まあ今はそういう時期だな」程度にしか思わないと思う。
    この本読んでてわかった、あと二つ、大きい要因は、仕事の「質」が変わらないということと、(たまたま上司の巡り合わせか?)男女問わず、子ども関係理由に早く帰ったり遅く来たりが、仕事に支障ない限り普通に行われていたことだと思う。
    もしかしたら自分も目をそらそうとしているだけで、他の人から見たらそんなことないのかもしれない。でも育休とる側がこう思えるっていうのは大事だと思う。

  • 今の私と同じ歳くらいのときに出版されたようで驚きました。尊敬の眼差しです、、(゚∀゚)
    なかなか読む時間が取れず、頭とおしりくらいしか目を通せてないのが残念です(´・ω・`)
    どんな方が書いたんやとググったらめちゃくちゃ美人さんでビビりました!(*´ω`*)

  • ジェンダーについて自分がどのように捉えているのか、本文中に登場する15人と比較する中で、第三者的に捉えることができたように思う。
    仕事と育児とのバランスに関する自分なりの納得感の得方、落としどころを見つける上で参考になると感じた。
    今回扱われているのは0-2歳子育て中の女性たちだが、その後子どもの年齢が上がって行くにつれて別の葛藤が生じるように思われ、そちらについても興味深い。

  • 女性・高学歴・高収入・総合職・子有りを兼ね備えた所謂「勝ち組」セグメントのジレンマ。ありそうで無かった内容

  • モヤモヤを言語化してくれてた

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著者プロフィール

ジャーナリスト、東京大学大学院博士課程

「2019年 『なぜ共働きも専業もしんどいのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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