日本の地価が3分の1になる! 2020年 東京オリンピック後の危機 (光文社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334038199

感想・レビュー・書評

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  • 人口動態から予想した、不動産市場の未来を展望している。生産年齢人口(15~64際)と老年人口の割合を分析の基礎にしており、やはり明るい展望は少なく、地価は下がるとしている。状況の悪化を食い止める方法として生産年齢人口の定義の変更が議論されているが、どうやらそのようになる確率がかなり高まったと感じた。75歳まで働かされる世の中になるのだろう。今後はそれを前提とした人生設計が必要になると思われ、真剣に考えてみたい。本書の中では、世界の都市との比較や、移民をどれぐらい受け入れれば地価が維持できるかや、東京圏の中で浮上する街と停滞する街を予測しており、議論の内容が面白い。個人的には豊洲の30年後がどうなっているがとても気になる。

  • 人口減少で地価下落か、当たり前過ぎてつまらんな、と思いつつ手に取ったが中々楽しめた。タイトルの「3分の1」という数字自体には本文にもある通りさほどの意味はなく、実は地価がメインイシューというわけでもない。本書が最も強く焦点を当てているのは、終盤の対談からも明らかなように実は「移民」だ。冷戦下での高度成長という僥倖により過去の中途半端な成功体験を得てしまった日本が、これから移民という問題にどう向き合うべきかというのは確かに難しい問題。

    「生き残る都市」として本書では自由が丘や中野、池袋が「個性が一貫した都市」の例として挙げられているが、一方でこれらの都市は若者が世帯を持った時には他都市へ転出してしまい人口が減少するため、人口の維持には「一生住みたいと思わせる施策が必要」だという。ここに少々矛盾を感じないわけでもない。「若者が年取っても住んでいる=あらゆる世代が均等に住んでいる」都市というのは、「無個性な」都市なんじゃないだろうか。個性と人口の維持を両立させる都市というものの姿が、今のところ僕にはイメージできていない。

  • そうなるだろうな、と感じていることを「現代世代負担率」などの数値を交えて論理的にまとめてくれた本。

    最後の、魅力のある日本、住んでみたい東京でありつづけるために、どうあるべきかの対談が面白かった。

  • 最終章の対談部分に東京の価値を上げるアイディアが集約されている。
    決して悲観するだけの内容ではない。

  • 生産年齢人口が減り現役世代の社会保障負担が増え、経済活動が停滞しGDPが下がり、土地の需要が減り地価が下落するという人口要因のみで試算した予想に対し、移民で対応した場合、また高齢まで働く場合のシミュレーションを詳細なデータを使って示す。
    そして、近年変化のあった東京周辺の街の歴史と現状をサブカル的筆致で書いている。
    巻末はHOME’S総研所長 島原万丈、カナダでの研究従事など海外生活経験の豊富な清水千弘、三浦展の三名による座談会。
    日本の現状から未来を考えるのではなく、海外の事例や理想の未来からするべきことを考える発想の転換の必要性がよくわかった。

  • 文字通り、今後少子高齢化の影響で日本の地価が下落することを予測する一冊。

    単に地価が下落することのみならず、今後の高齢化で日本全体の状況が変わることがよくわかった。

  • 速読した。納得するにはもうひとつ説得力がなかったように感じた。人口減少と生産人口の割合減少が、直に地価1/3になるとは思えなかった。タイトルのインパクトに中身が追いついていない感じ。

  • 日本の地価が3分の1になる! 2020年 東京オリンピック後の危機 (光文社新書)

  • タイトルの根拠が今ひとつ。

  • 現役世代負担率で、本論を突っ走った後、自身のフィールドワークと座談会で締め。
    地価が3分の1になったら、建物にお金をかけられるじゃないか、という視座は面白い。

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著者プロフィール

三浦展(みうら・あつし)
1958年生まれ。社会デザイン研究者。カルチャースタディーズ研究所代表。家族、若者、消費、都市、郊外などを研究。著書に『 「家族」と「幸福」の戦後史――郊外の夢と現実』 (講談社現代新書) 、 『ファスト風土化する日本――郊外化とその病理』 (洋泉社新書) 、 『東京は郊外から消えていく!』 『首都圏大予測』 (光文社新書) 、 『愛される街』 (而立書房)などがある。

「2022年 『中央線がなかったら 見えてくる東京の古層』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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