「感染症パニック」を防げ! リスク・コミュニケーション入門 (光文社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334038281

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  • 感染症の対応以上に、リスクコミュニケーションのほうが大事。今の政府では無理。

  • エボラ出血熱、デング熱、新型インフル、バイオテロ…。「恐さ」をどう捉え、いかに効果的に伝えるか。いくつもの感染症のアウトブレイクに居合わせた医師が、リスク・コミュニケーションのあり方を教える。

    シンプルな説明。どうして日本の政府はこれが出来ないんだろう。

  • 良書。
    英文を直訳した教材は、いけてない。自分の言葉にしなければ、人の心に届かない。コミュニケーションは、人の心に届くことが重要。
    日本では、やりましたで満足する傾向がある。チームを作って会議をするだけ。結果を得ることが目的だ。

  • 冷静で現実的な示唆に富む良書。感染症、医学を取り上げての対処策を示しているが一般化することでビジネスや日常生活にも活かせる。

  • 新書なのに,想定読者が医療者…?不思議なコンセプトではあるけど,リスコミ全般についてまとまってるので一応一般にも有益。正しい情報を伝え,パニックを回避し,リスクそのものを減らしていくコミュニケーションの方法論。
    日頃のコンセンサス・コミュニケーションと緊急時のクライシス・コミュニケーションを区別すること。科学的に正しいことを言うだけではなく信頼を勝ち取ること。感情的になる聞き手を否定しないこと。マスコミと良い関係を築き,うまく利用すること。リスクへの対処という目的を見失わないよう常に心掛けること。
    どれもごもっともな指摘。ただいちいちちょっとウエメセなのが気になる人もいるかも。あと,度々出てくるSTAP批判批判は要らないんじゃないかなぁ,とか。
    第一章のリスコミ総論がほとんどの分量を占めていて,第二章の各論が実践編。ここ20年話題になった六個の感染症についてケーススタディするという寸法。扱うのは,エボラ出血熱,西ナイル脳炎,炭疽菌,SARS,新型インフルエンザ,デング熱。

  • プレゼンのノウハウといった戦術面もかなり丁寧だが、それよりも、戦略、すなわちコミュニケーションの確立といった目的を重視した書籍であり、医療関係者のみならず、組織において対外的な役割を担っている人には読む価値が大いにある。

    些末情報に翻弄されて本質がおろそかになる例:
    「レンガがある。その横にレンガがある。その隣にも、その上にも、そのまた上にもレンガがある」→東京駅

    恒常的な問題に無関心である喩え:
    人が犬を噛んだ場合の対策マニュアル、講演、チームの立ち上げがされ、その間、犬は人を噛み続ける

    P246-247.トンデモ主張における一定の戦略
    「ワクチンは100%安全とは言えない」(ゼロリスク追求)
    「私には効かなかった」(アネクドータル(逸話的))
    「ワクチンはナチュラルではない」(天然、自然志向)
    「病気にかかって免疫をつける」(複数リスクの相対的評価が出来ない)
    「ガリレオだって異端」(ガリレオ作戦)
    「ある学説によると」(情報の出所の不確かさ)
    「彼はいい人だ」(情に訴える)
    「業界の陰謀だ」(陰謀論)

    日本人だけ特別ダメ、という論調はたいてい間違ってる。日本人だけ特別優秀、という論調がたいてい間違ってるのと同じくらいに。

  • リスク・コミュニケーションで必要な考え方、スキルなど幅広く網羅。普段から使用可能なスキルもあり、医療に関わる人だけでなく、多くの人に読んで欲しい一冊

  • 感染症をテーマにして、リスクコミュニケーションを実践的に解説しています。
    著者さんはリスクコミュニケーションの専門家ということで、「自分は優秀ですごいことを言っているんだぞ」ということを全面的に押し出しながら、効果的なリスクコミュニケーションの方法を解説しています。
    具体的なアドバイスが多数散りばめられていて、かなり実践的です。
    リスコミに限らず、記者会見とか不特定多数の方に話をする機会がある人には、なかなかに役立つ内容です。

  • 14/11/22。
    11/27読了。あとがきで、岩田先生が書きやすかったと述べていましたが、読む方もたいへん、読みやすかったです。医療におけるリスクコミュニケーションのまさに入門書。

  • 岩田健太郎の新刊。
    リスクマネジメントにおける、リスクコミュニケーションについての入門書かつ実用性の高い書籍。
    リスクコミュニケーションにおける勘所がコンパクトにまとまっている。
    断言口調を使わずに、いろいろな可能性についてその重み付けも考慮しながら書かれているところが良いです。

著者プロフィール

1971年、島根県生まれ。島根医科大学(現・島根大学医学部)卒業。神戸大学都市安全研究センター感染症リスクコミュニケーション分野および医学研究科微生物感染症学講座感染治療学分野教授。著書に『コロナと生きる』(朝日新書、内田樹との共著)、『新型コロナウイルスの真実』(ベスト新書)、『僕が「PCR」原理主義に反対する理由』(集英社インターナショナル新書)ほか多数。

「2022年 『撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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