ギャンブル依存国家・日本 パチンコからはじまる精神疾患 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334038311

感想・レビュー・書評

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  • 国とすれば、稼げればOK、国民なんて、どうでもいい

    ギャンブルをやるのは、人間の本能かもしれません。
    なぜ、ギャンブルを生み出したのか、
    それをやると楽しいからです。

    脳科学が発展して、
    ギャンブル依存症患者の脳の報酬系の仕組みが、
    はっきりしました。ギャンブルをすると快楽物質のドーパミンが出る。
    その快感こそが、依存症へと繋がる一つの大きな原因です。

    しかし、日本という国は、
    官民連携して、ギャンブルという打ち出の小槌を使って金もうけしています。
    既得権益を作って、天下りを生み、また産業界も、バックが国ですから、
    安心です。

    もちろん、ギャンブルに行くのは、無知でバカな国民です。
    「楽しい」という作り出された幻想です。
    ギャンブル場に行けば、楽しい。

    500万という依存症患者は、精神病の疾患です。
    それを、国が排出してるのは、さすがとしか言いようがありません。
    異常を異常と思わない「この空気」が異常なのでしょう。
    あらためて、国家というものは、国民のあるものではないんですね。
    今、日本は、あらゆる面で、衰退に向かっていますが、
    批判しても、怒っても、嘆いても、何も変わりません。
    気持ちは、わかりますが、無駄です。

    大阪で、カジノができますが、著者の指摘では、
    経済効果、雇用創出の他に、負の面があまりに多いとわかりました。
    周辺地域の犯罪率の増加、破産者の増加、産業も荒廃する。
    良いことなしですね。でも、関係ありません。
    稼げれば良いわけで、それで、既得権益が増えれば、OKです。

  • ギャンブルが日常にあることが異常だと気がついた。パチンコ最近してないから気楽に読んでみたら、もはやパチンコなどが存在することこそ悪ではないか。

  • 医学分野を題材とする
    とてもおもしろく、読ませてくれる小説を
    書いておられる作家さん
    というのが
    私の中の帚木蓬生さんだった。

    書店で
    へぇーっ
    帚木さんはこんな本(本書のこと)も
    書いておられるのだ
    と 何気なく読み始めたら

    いやいや これが
    なかなか興味深く
    一気に読ませてもらった

    この世の中の「負」の面
    ギャンブル依存の実態を
    鋭く指摘し、警鐘を鳴らしておられる
    メンタルクリニックのお医者さんであること
    を改めて認識させてもらった

    これは
    この国を憂うる
    社会問題を考える一冊として
    次の人に手渡したい一冊です

  • 厚労省2014年発表のギャンブル依存有病率は男性8.7%女性1.8%。米国1.6%香港1.8%韓国0.8%に比べ高率。元凶はパチンコ・スロット、諸外国では規制対象なのに、日本では利権構造のため野放しになっている。

    カジノをコントロール下におけるなら、パチンコやスロットなど他を全て廃止して、一本化すればよいかも。プラスするのは最悪だけど。

  • 【簡易目次】
    はじめに――わが国最大の精神疾患 [003-013]
    目次 [014-017]

    第1章 精神科医から見たギャンブル汚染列島 019
    第2章 ギャンブル汚染の実態と利権構造 067
    第3章 日本はギャンブル汚染から脱却できるのか? 127

    おわりに――カジノとELSI [212-218]
    主要参考文献 [219-220]

  • カジノ法案が成立してしまった状況で、この本を読んだので、日本の未来が心配だ。それにしても役人の天下りと癒着には呆れてしまう。タイトルとおりの本でとても参考になった。

  • 本書にあるように事件の原因にパチンコにハマって…。という理由は多いような認識がある。
    依存症は数あれど当たった時の刺激が強いのだろう。

  • パチンコ・スロットはゲームであってギャンブルではないというのは無理があるだろう。宝くじがギャンブルと言われるとなんだかなぁ~と思わないこともない。

    ギャンブル中毒患者がこんなにいるとは驚き。

  • S493.74-コウ-728 300412673
    (光文社新書 728)

  • 精神科医だけど、文学賞を受賞した作家でもあるらしく、文章が上手い。

    日本全国どこにでもあり、お手軽に行けるパチンコ・スロットマシーンなどの娯楽がいかに危険か、具体的な統計データや、最近の刑事事件などを引用しながら、論理的に説明していて、非常に説得力がある。

    パチンコ業界の利権に群がる警察の実態と、その利権から得られる莫大な金についても冷静に明晰に説明されている。

    日本の新聞やテレビは、パチンコ業界と警察の癒着を追及できない。
    なぜなら、パチンコ業界から莫大な広告収入を得ているから。

    記者クラブでの馴れ合いといい、広告スポンサーへの弱腰といい・・・。
    日本のマスメディアの腰抜けぶりは、想像を絶するものがある。
    国際的に比較しても、記者クラブ制度のもとで、政権与党や警察に飼い慣らされた日本の飼い犬ジャーナリズムのダメさは、後進国以下のレベルであることが、世界的にも知られている。


    それにしても、オレがギャンブルに全くハマらなかったのは、なぜだろう?

    小学校3年生くらいの頃はゲームセンターに入り浸っていた時期もあったし、コインゲームでスロットマシーンとか、競馬みたいなゲームも熱中してやってた。
    でも、いつの間にか、全く行かなくなってた。

    学生時代は、みんなで馬券を買ったこともある。
    競馬好きの友達に誘われて、早朝、郊外の競馬場まで行くとコーヒーとサンドイッチをタダでもらえて、一緒に馬を眺めていた。
    麻雀好きの先輩に誘われて、徹マンに付き合ったこともある。
    でも、そういうのって、お付き合いでやってるだけで、楽しいとは思わなかった。

    1度だけ、パチンコ屋に行って、ビギナーズ・ラックで当たったことがある。
    でも、2度目に行ったときは全く出なかった。
    3度目はもう行かなかった。

    仕事で海外に行ったときは、カジノも行った。
    ラスベガスではスロットマシーンやったし。
    でも5$くらい使っただけで飽きた。
    あとは、ひたすらブロンドのお姉さんが運んできてくれるコロナ・ビールを飲んでた。
    外国へ行けば、カジノにも行くけど、オレにとっての楽しみは、タダでビールが飲めることだけ。
    はっきり言って、ギャンブルやるよりビール飲んでたほうが楽しいんだよね。

    ようするに、オレはドケチだし小心者だから、脳が、ギャンブルに熱中できないような構造になっているのかもしれない。

    パチンコ業界が1年間で20兆円も儲かってるという事実を知っていれば、パチンコ屋にせっせと通って金を貢ぎ続けるなんて、あまりにもバカらしくない?
    あらゆるギャンブルで、勝者になれるのは、胴元だけだ。

    ギャンブルって、どの角度から考えても、金と時間のムダとしか思えない。
    ハマらなくて本当に良かった。

    ギャンブル障害ってのはヤバすぎる病気だ。
    麻薬中毒やアル中と同じくらいヤバい。

  • これまでの著者の書籍は病気についての説明が多かったが、今回は具体例をたくさん述べるにとどめている。本の大半を占めるのが、いかに我が国がギャンブル依存症対策に無策であるか、歴史的そして国際的な比較から述べられている。カジノ法が喫緊の情勢だからだろうか。この法案に対して、今、何が必要かを説得力を持って訴える著書であった。

  • パーキンソン病 薬物治療 ギャンブル嗜癖がでる

    ギャンブル依存でできたドパミン優位の脳は簡単に変化しない

    一度ピクルスになった脳は、二度ときゅうりにもどらない

    once your brain becomes a pickle, it can never become a cucmber again.

    一度たくあんになった脳は、二度と大根にもどらない

  • 日本のギャンブル業界についてと、ギャンブル依存症について書かれた本。言論の自由が奪われたら、真っ先に禁書になりそうな内容ばかり書いてあるなあと思いました。作者の帚木さんは小説家としても有名。

    読んでいて特に驚いたのは
    ・日本国内のギャンブル依存症の人数が推定約536万人であること。
    イメージでいうと福岡県の人口が約507万人なので、福岡県に住む人が子どもから大人までギャンブル依存症でもまだ届かないぐらいな感じ。
    恐ろしいことこの上ない>_<

    ・日本国内では毎月と言っていいほどに、ギャンブルが原因の犯罪が起きていること(2009、2010年の調査)
    しかも無期懲役の判決が下るレベルの殺人とかが。さらにひどい時は一ヶ月のうちに何件もそんな事件が・・・。そういえばベネッセの情報流出事件も動機はギャンブルの借金返済の為だったことをこの本を読んで思い出した。

    政府はカジノ計画に熱心ですが、この本を読むと「それってますます日本をダメにするんじゃ・・・」としか思えなくなる。

  • キャンブルもアルコール依存症と同じ依存症であり、それを国家が後押ししている構造の異常さを炙り出す。
    カジノはもちろん、宝くじ等のくじや公営ギャンブルの利権構造にも切り込む。
    自分を含めまわりの現状を今一度冷徹に見てみる必要がある。

  • ギャンブルがヒトに与える影響と、ギャンブル業界を知るために

    ギャンブル依存症についてと、国内パチンコ、スロット、公営ギャンブル、海外との比較をデータと共に述べ、ギャンブル大国としての危機を告げている。
    パチンコスロット台数に関しては、コンビニ並みに多いことには驚いた。地方の公営ギャンブルが赤字でも解体や雇用等問題があり、仕方なく続けている実態。国の機関がギャンブルを元に資金や天下り先にしている。

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著者プロフィール

1947年、福岡県小郡市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、TBSに勤務。退職後、九州大学医学部に学び、精神科医に。’93年に『三たびの海峡』(新潮社)で第14回吉川英治文学新人賞、’95年『閉鎖病棟』(新潮社)で第8回山本周五郎賞、’97年『逃亡』(新潮社)で第10回柴田錬三郎賞、’10年『水神』(新潮社)で第29回新田次郎文学賞、’11年『ソルハ』(あかね書房)で第60回小学館児童出版文化賞、12年『蠅の帝国』『蛍の航跡』(ともに新潮社)で第1回日本医療小説大賞、13年『日御子』(講談社)で第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞、2018年『守教』(新潮社)で第52回吉川英治文学賞および第24回中山義秀文学賞を受賞。近著に『天に星 地に花』(集英社)、『悲素』(新潮社)、『受難』(KADOKAWA)など。

「2020年 『襲来 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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