つくし世代 「新しい若者」の価値観を読む (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334038489

感想・レビュー・書評

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  • 1985年生まれより、若い世代を分析してます。おもしろいです。

  • わからない言葉が多かったけど、背景を説明されるとなるほどと思う。
    自分が昔から持っていた感性と同じものもあり
    新しく生まれた感覚が新鮮だったり。
    若い世代と同じ場所で一緒に仕事をしているので、
    上から分かったような言い方になることがなく、
    今の状況を分かるように解説してくれている感じ。
    常時繋がっていること、
    プライベートを(編集しながらも)垂れ流すことが
    普通であるような環境で生きていくことの大変さ。
    そうした世代に向けて商品を売り流行を作ることの難しさ。
    こういう本があることで、見えにくい世界のとっかかりが見えてありがたい。
    というか自分の世代の持っていた見栄のくだらなさにげんなり。

  • 若者分析の本です。とくにマーケティングに活かすべく研究された内容から若者を解説しています。2015年に30歳を迎えるよりも若い世代、そして、さらに若い2015年に23歳を迎えるより若い世代の二段階に若者を分け、分析しています。「ゆとり世代」「さとり世代」と呼ばる彼らですが、著者は「つくし(尽くし)世代」という視点からも彼らを眺めることができる、と新たな光の当て方をしています。押し付けを嫌い自分で選ぶ感覚、ノット・ハングリー(脱根性論と言えると僕は思う)、せつな主義など、まず2015年に30歳を迎えるより若い世代の特徴から僕なりに見えたことは、他律性を嫌うところに幸せがあることを知っているということをとっかかりに、彼らにはロック移行の音楽の影響ひいてはミュージシャンたちの影響が多大なのではないかということです。押し付けを嫌うのも、ノット・ハングリーも、せつな主義も、70年代以降に浸透してきたロックなどをやるミュージシャンの歌詞や生きざま(生きざまはあくまでイメージ戦略だけの場合もあるでしょうけれど)に感化された親たちや、混ざり合った社会の空気を幼少時から吸って育ってきたがために、こういう人間になってきた、と言えるような気がしてなりません。「ゆとり」「さとり」そして指示待ちだとか批判もされる彼らですが、そんな価値観や考え方をもった彼らが世代として出てきたのは、わかりやすいところでさきほどは音楽だけに絞りましたが、もっと考えてみれば、彼らの存在は、音楽や映画、漫画などのサブカルチャーの勝利としての発現なのかもしれない。そう考えてみると、彼らへのイメージから悲観性が消えていきます。おもしろいじゃない、と思えてくる。

  • 1980年に30になる人より若い人について書いている。今の若者は何故欲がないのか、消費しないのか、熱くないのか、などの疑問が解明する。デフレを生き抜き、デジタル世代の価値観がわかる

  • どこが良かったというわけではないが、若者への敬意を根本に、数字、事例に基づいた記述は好感が持てた。彼ら/彼女らを味方に付けるのに王道はないと感じたが、強みを見出し、気遣いを感じ、ともに接し続けた時に、またとない世代であることが分かるのではないかと予感した。

  • 大学卒業後に入社した会社で様々な企業の商品開発に参加してきた著者が、その中で関わってきた若者たちの意識や姿をまとめた本です。

    今の若者は、「ゆとり」「さとり」という世代から、自分たちのフィーリングで、コスパを徹底しながら、つくし、つくされ、みんなでハッピーになろうとすることを自然に体得し日常生活に取り入れている「つくし」世代だとしています。

    我が家にもその世代の子がいます。確かに買い物上手で、サプライズイベントもあれやこれやと考えながら友だちとの関係を楽しんでいる姿もみているので、なるほどと妙に納得したりしました。本に出てくる言葉もほとんど知っていました。

    昨年の3月に出た本で1年近くが経とうする中で、もうすでに最新ではないんだろうなと思います。しかし新しい世代は前の世代から生み出されるので、時系列できちんと踏まえていくというのは重要なのでとてもよい内容でした。

    ハリーゴードンセルフリッジの「ボスとリーダー」論」(p224)も、なかなか面白かったです。メッセージをどう伝えるかはどの分野にも共通すること、運動とマーケッティングは違うものですが、何かしら共通項を見出していけたら面白いかなとも思いました。

  • うーん、当たってるところももちろんあるんやろうけど、何より気になったのは、こんな最新の本に書かれていることでさえもちょっと昔のことのように思えるところ。たぶん、もうそういうところに興味を持ってないよ、と感じてしまうというか。情報とか流行がアップデートされるはやさに、ただただ驚くばかりでした。

  • 私は日本の歴史が好きで、日本史に関してならある程度の予備知識もあるし、それなりに本も読んでいる。しかし世界史は学んだ記憶もなく、宗教に関して興味はあったが聖書についての本を読んだことはなかった。したがってこの本を読んでいて地名や固有名詞などが出てくると予備知識がない分、頭で整理しきれず、「これなんだっけ」「誰だっけ、関係性わからん」とか思う部分が多くあった。そのつど読み返したりもしていた。しかしあまり深くはわからないけれど面白く読めた。キリスト教やユダヤ教の聖典となっている聖書を知ることで宗教についても、特に一神教に関わる考え方を知れたことはとても重要で、これからも詳しく知りたいなと感じた。

    日本では宗教に関して無関心の人も多いが、世界的には宗教とはもっとも関心を持つべきもといっても良いくらい生活に密着している部分もある。国際交流が盛んな今、それぞれの宗教に関して大概を掴んでいることはコミュニケーションをとる上でも重要であると考える。その中でこの本を読めたことはなんとなくではあるが理解できた分で意味があったと思う。そして日本の、自分たちの宗教について考える機会をあたえられた気がする。

  • 「最近の若者は」ということは、どの世代でも言うことだが、「ゆとり」「さとり」世代の行動と消費について、実例を交えながら説く。ADKの方の書かれた本だが、博報堂のような、若者向けのプロジェクトがあるそうだ。そんな若者との会話から教えられることが多いのだろう。仕事で使う以外にも、この世代の子供のいる親にもためになるかも。

  • <目次>
    序章   さとっているだけじゃない、今時の若者は何を考えている?
    第1章  チョイスする価値観~世間の常識より「自分ものさし」
    第2章  つながり願望~支え合いが当り前じゃないからつながりたい
    第3章  ケチ美学~「消費しない」ことで高まる満足感
    第4章  ノット・ハングリー~失われた三つの飢餓感
    第5章  せつな主義~不確かな将来より今の充実
    第6章  新世代の「友達」感覚~リムる、ファボる、クラスター分けする
    第7章  なぜシェアするのか?~「はずさないコーデ」と「サプライズ」
    第8章  誰もが「ぬるオタ」~妄想するリア充たち
    第9章  コスパ至上主義~若者たちを動かす「誰トク」精神
    第10章 つくし世代~自分一人ではなく、「誰かのために」
    終章  若者たちはなぜ松岡修造が好きなのか

    <内容>
    マーケティング会社でマーケティングをずっとやってきた著者による、若者(2015年に30歳になるよりも若い世代)がどう考えているのかを、「ワカスタ」(マーケティングに興味を持つ大学生のグループ)を作って、彼らと共に分析をしたもの。10章あるが、文章が分かりやすい(もしかすると中身がない?)のでサクサク読めました。
    結局彼らのマインドは、①チョイスする価値観(常識よりも「自分マインド」) ②「つながり願望」(SNSなどをわざと切るなど「つながりすぎない」工夫をしているとはおどろきました。小、中学生時代にそうする工夫を学ぶのでしょうか?) ③ケチ美学 ④ノット・ハングリー ⑤せつな主義 (ここからは大学生を中心に)⑥友達感覚 ⑦シェアする意識 ⑧ぬるオタ ⑨コスパ意識 そして、そこから彼らは「つくし世代」と呼ぶ。”ゆとり”より呑気ではないし、”さとり”ほど冷めていない。自分の存在意義を作るために、工夫し、「だれがトク」なのかに敏感。
    生徒への対処に参考になります。

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