- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334039035
感想・レビュー・書評
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今回、五輪に関する贈収賄が事件として注目を集めていたので読み直しました。スポーツビジネスに興味を持つ人にはFIFAや電通がサッカーに限らず、スポーツビジネスの世界でどのような影響力をもち、どのような役割を果たしてたかを知ることはもしかしたら必修科目ではないかと思います。
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東京五輪に関連して電通の存在がクローズアップされる中でタイトルを目にして面白そうだなと思い、本書を手に取った。
本書には電通やFIFAの他にアディダスが重要な存在として登場する。アディダスは電通と共同出資でISLという会社を立ち上げスポーツビジネスに切り込んできた。電通が嫌う汚れ仕事(お金配り)の部分を担ってきたのがアディダスである。このアディダスおよびISLの体質がIOCやFIFAの腐敗体質および放映権の高騰を助長してきたものといえる。本書ではこれらの組織における腐敗を描いてはいるものの、やはり取材が難しいのだろう、表層的な一面を描くのみで、その裏で本当に何が行われていたのかというジャーナリスティックな部分に踏み込むには至らない(特に電通に関する記述については電通側の発言を鵜呑みにした記載となっている印象がある)。とはいえ80年代以降のスポーツビジネスの急拡大の背景を知るには面白い本だと思った。高橋治之の一代記としても面白く読める。 -
軽い気持ちで読んだ、スポーツビジネスの楽屋噺みたいな本です。
サッカーを観るのは割と好きだし、スキャンダル的なことも含めて、ネット記事を拾い読みするのも徒然に愉しんでいるので。
確かに、好きな人には面白いんです。
戦後から1990年代、いや、2000年代、というか現在にいたるまで。
サッカービジネス、ワールドカップというビジネス、放映権商売。
オリンピックも含めて、「衛星中継ビジネス」とでも言いますか。
コレは、ほんとにビッグバンというか、ほぼゼロから始まって、巨大な娯楽になり、当然、巨大なビジネスになって、巨額のカネが動いています。
当然そこにはどろどろした人間ドラマもあるわけでしょう。
つまりは、正論から言うと、コネとカネと情実と賄賂が飛び交う、ぐっちゃぐちゃの不正だらけの「アウトレイジ」な世界なわけです。
そこに「日本」という視点を持ち込んで、電通という会社の「イケイケ時代」に、いかにワイルドで力強くてワルな「志士」たちが個人の力でビジネスを作って行ったか、というおはなし。
取材元が電通なり電通OBを含みますから、批判という訳でもなくて、微妙な温度の低空飛行を続けるあたりが、妙味と言えば妙味。
ただ、英雄譚、冒険物語、というエンターテイメントで言うと。
結局は高度成長からバブルという時代に乗った人々の群像という感じで、そこに「理想」や「思想」と言った起爆剤が無い物語、という感もありました。
もうちょっと、ビジネスというゲームに魅せられた人間模様、という切り口で書いてくれると面白かったのか。
ただまあ、ほんと、どれだけ不正があっても「スポーツ」という筋書きの無いドラマの生中継っていうのは、テレビと言う装置の至高のソフトであるんだよなあ、と、改めて思いました。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/689664 -
日本のスポーツの美談や美学とは全く違う世界なので、その時点でアレルギーを起こす人もいるかもしれません。
事実としてそういう世界があるということが、長い取材の賜物として分かりやすく書かれている本だと思います。 -
キナ臭いスポーツビジネスの話
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うわー。悪人ばっかり。
とも言えますし、
歴史って必然なんだなぁ、、、。
とも言えます。
スポーツには、明るい面と暗黒面が両方ある、とよく言われます。中でもサッカーは、中田選手が移籍するときの本などからも、その「半端ない」感が強いスポーツです。
こんな題名で今、出版して大丈夫なの?と思いますが、中身は至って中立的です。誰が悪いとも決めつけず、当事者への取材と、事実を元にかかれています。
なのに、まるでよくできた物語のように、登場人物がみな「エッジのたった」ひとたちなので、歴史小説を読むかのような感覚になれます。
思惑はどうあれ、マラドーナが世界ユースのアルゼンチン代表として日本でプレーしていたことが、日本のサッカーが飛躍する大きなきっかけになっていたことがわかります。
黙って待っていて、自然にそんな機会ができるわけではありません。
「偶然」のような出来事を、現実にしたひとたち、一人一人の背景が、本当にドラマチックに感じられるはずです。
それにしても、あんなに日本のサッカーに貢献してくれた、ジーコさんに、何の協力もしなかったこと。それも、「返事をせず態度を明らかにしない」対応だったことが、恥ずかしくなります。日本人らしい、といえばそのとおりなのですが・・・。 -
(後で書きます。参考文献リストあり)
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電通がいたからここまで栄えたとも思うんだけど...