視力を失わない生き方 日本の眼科医療は間違いだらけ (光文社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334039592

感想・レビュー・書評

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  • 深作さんによれば、目の寿命は個人差もあるがせいぜい70年くらいらしい。だから、それにあった使い方、心構えがいる。しかし、人間の体はそれ以上に長生きする。あるいは、長生きさせられる。そこでいろんな目の病気が問題になってきた。深作さんは世界的に有名な優秀な眼科医で、眼科医は目医者ではなく、外科医の一種でなくてはならないという立場だ。しかし、日本の眼科医は技術が低く、大病院であっても、まともな手術ができず、助かる病気も放置されたり、悪化したりしてきた。たとえば、緑内障はかかったら最後どうしようもないと言われているが、早期に手術すればそれなりによくなるそうだ。それをしないのは、医者に技術がないからである。深作さんは実は美術史家でもあり、眼科医の立場から画家の絵を分析した本『眼脳芸術論』(生活の友社)を出している。たとえばだれそれの絵の色彩が変化したのは、白内障の影響だとか、だれそれの絵の色の使い方から、その人が色盲であったとかという分析である。ぼくはこの本は先に読んでいたし、その人が有名な眼科医だということは知っていたが、本書をしばらく読むまでは同一人物だとはわからなかった。ただ、本書の一部はたしか少し前の『週刊現代』か『ポスト』かに出ていた記憶がある。その記事あるいは本書を読んで、深作さんに見て欲しいと思う人がどっと出てくるだろう。しかし、それだけに、診察までは1、2年待たされることになるのではないだろうか。

  • 昔から疑問だった「内科医と外科医はいるのに眼科医は診る医師と手術する医師に分かれてないのか?」について
    最初に触れており内容に納得できたので信頼して読めた。

    内容は旧態依然とした日本の眼科の診療と手術を批判して自分凄いにかなりのページ数が割かれているが
    深作眼科で行われる治療内容が記載されているのでこちらも納得できる。
    謙遜することが一切ないのはアメリカナイズされているからなのか?
    この部分が受け入れられないと読み辛いかもしれないが
    目の健康を気にかけている人には読む価値が大いにあると思う。

    匿名で複数の眼科医の著作本や治療内容を挙げているが
    目の健康にここ数年敏感になっている方ならほとんど検討がつくと思う。
    特に繰り返し出てくる目の運動を推奨して目が良くなるとの宣伝文句の本は持ってるw
    (この本を読んで処分することにした)
    確かに目を回すような運動をしていた時は蚊飛症が時々起きていたのを思い出してヒヤッとした。
    三日坊主の性格が幸いして
    今は全く起きず複数回の定期健診でも問題なかったので大丈夫だと思いたい。
    でも大学病院の医師に長年診てもらっていることに過信しないようにしようと
    思いを新たにすることが出来て良かった。

  • 眼科治療での外科手術の有効性がよくわかった。白内障や網膜剥離の手術についても新しい知識が得られたし、緑内障治療が手術単体で35,000円程度のものとはびっくり(実際はもっとかかると思うが)!血糖値の乱高下も防ぎたい。

  • こういう本を読んでいるとジジ臭い感じがしますね(ジジイに近づきつつあるので仕方がない)。30歳を過ぎて網膜剥離にかかり手術、50近くになり周囲の同年代に等しく私にも老眼が訪れつつあります。海外にいて言葉が不自由である中で病気に対応するためには先んじて学ぶ、これしかないというのが本音です。

    で本作ですが、曰く評価しづらい。

    いや、私は信じますし、次にかかるのならこの病院に行こうかと本気で考えています(幸い今のところ目に異常はありませんが)。

    ただ全般的には筆者の華麗な経験や趣味の絵画の話(多摩美の院卒!)などが自慢気に聞こえ鼻につきそうな内容となっております。

    それが気にならなければ面白く読めると思います。特に第2章は世間で受け入れられている目に関する常識に対しこれでもかと反駁しており、医者のいう事を素直に信じている方には衝撃的な内容かと思います。

    一例としては、
    ・眼球体操は目を気づつける(私もやっていました・・・)
    ・日本の大学病院での眼科手術は練習台にされるだけ
    ・日本の大学病院の手術は遅れている
    ・周回遅れの処方や技術の原因は医学会と製薬業界との癒着にある

    等々が書かれています。この方向でのトップランナーは私の中では内海聡医師なのですが、そのマイルドバージョンといっても良いかもしれません。その他糖尿病由来の網膜剥離に関して宗田哲男医師や江部康二医師に言及があります。両医師の著作が好きな方には楽しめる内容かと思います。

    あと、モネの睡蓮について60代に書いたものと80代に書いたものとの比較が医学的所見と共に掲載されておりました(要は白内障です)。かつて原田マハさんの『ジヴェルニーの食卓』を読みましたがモネとクレマンソーの会話でモネが目の不調を訴えているシーンが脳裏に浮かびました。

    ・・・
    最終的には楽しく読めました。
    全般的に反権威・反王道的な主張ですので、一般的にはオルタナティブ情報として取り入れるのがよろしいかと思います。私個人としては非常に有効であり、ためになる書物でした。

  • 語り口が明快。それゆえに信頼できる。
    言い切れるということは、自信、自負の裏返しなのだろうし、
    目医者を蔑称と捉えているところからしても尚更。

  • 知らないということはとても怖いことだけれど
    どの情報が正しいのかを見極めるのかはこの情報が氾濫した世の中では困難、ということをまざまざと見せつけてくれる本。

    わたしの目に何かあったら深作先生かそのお弟子さんにお世話になりたい。

  • 本書を読むと、いかに日本の眼科治療が遅れており、専門医をしっかり選ぶことの大切さが分かります。また、世の中に間違っている情報が多いことも知らされました。

  • こうした本に出会えたことに感謝。

  • 江部先生が糖質制限つながりでご紹介されていた本

    ドクターX並みのドロドロ?日本の学会のレヴェルの低さを暴露

    製薬会社との癒着や大学と学界の強固なつながりなど、お金が絡むと事実も都合の良いように捻じ曲げられるようです

    どこにでもある話ですが、医療の世界でそれをやるのは勘弁してほしい


    長くなりますので
    詳細はブログにて綴っております
    http://art-love.hatenablog.com/entry/2016/12/24/000000

  • レーシックや眼内レンズを
    日本に導入した眼科医の先生の本

    普通の眼科医とオペをする眼科外科医はだいぶ違うとわかった

    白内障手術をする必要に迫られて手に取ったけど
    勉強になった

    知ってると知らないではだいぶ違う

    なかなかキョーレツな先生っぽいけど

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著者プロフィール

神奈川県生まれ。航空大学校を経て、滋賀医科大学卒。横浜市立大学附属病院、昭和大学藤が丘病院等を経て、1988年に深作眼科を開院。アメリカでも研鑽を積み、米国白内障屈折矯正学会(ARCRS)にて理事、学術審査員、学会誌編集委員など歴任。深作眼科は週刊朝日MOOKや読売新聞等の「眼の手術ランキング」で全国1位に選ばれるなど、日本最大級の眼科として知られる。現役のスーパードクターとして、白内障、緑内障、網膜剥離など総計15万件もの手術を経験。多くの最新手術法を開発し、世界に向けて発表している

「2016年 『やってはいけない目の治療 スーパードクターが教える“ほんとうは怖い”目のはなし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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