データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)

著者 : 伊藤公一朗
  • 光文社 (2017年4月18日発売)
3.82
  • (27)
  • (61)
  • (46)
  • (3)
  • (0)
  • 本棚登録 :696
  • レビュー :55
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334039868

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • データ分析手法(計量経済学)の入門書としては最適な一冊。各種データ分析試験の解説と比較を解説している。豊富な実事例を交えて説明しているので読みやすい。

    今後データ分析を部下に依頼する立場にあるマネジャー、もしくはすでに何らかのデータ分析をするor依頼する立場にあるが独学でなんとなく進めている人などに特に読んでもらいたい。データ分析に関するリテラシーがかなり向上すること間違いない。

    注意点としては、AI, Deep Learningなど流行りの機械学習系については言及していないこと。

    以下、本冊で言及している重要なトピック:
    ・因果関係と相関関係
    ・データ取得試験の解説と比較
    --RCT (Randomized Controlled Trial)
    --RDデザイン (Regression Discontinuity Design)
    --集積分析
    --パネルデータ分析
    ・介入グループ(Treatment Group)と比較グループ(Control Group)
    ・内部妥当性(Internal Validity)と外部妥当性(External Validity)
    ・各種バイアスの解説
    --自己選抜バイアス(Self-Selection Bias)
    --出版バイアス(Publication Bias)

  • 経済学者による「因果関係」を正確にみるためのデータの見方の考え方などを平易な言葉で説明。

    ある結果Yに対して原因がXと考えられるとき、どうやったらX→Yの因果関係を示せるか。

    世の中には
     第3変数により相関関係と因果関係を誤解したもの
     因果関係が逆なもの
    といったようなみせかけの「因果関係」があふれている。

    正確に因果関係を見抜くためにはランダム比較実験、RDデザイン、集積分析、複数期間のパネルデータ分析などの手法が必要だがそれぞれにメリット、デメリットがある

    これらの概要とメリット・デメリットを非常に平易な言葉で解説。

    内容は専門的かつ高度だが、平易なことばでかかれているため素人でもなんとなく言いたいことがわかる

    全体としては「「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法」に非常に近く入門書として最適。

    学者でこの手のわかりやすい本を書ける人は少ないだけに貴重だと思う。

    本書の中ではある程度の専門的な内容に対しては「これ以上は本書の内容を超えるので参考文献で勉強しましょう」という記述が結構がでてくる。

    不満に思う人もいるかもしれないがわからないと読者は例外なく不満を持つため、ターゲットを絞り、あえて難しいことは説明しない、という姿勢はとても大切。

  • 平易に書かれており読みやすい。RCT以外の手順を具体的に知るのは初めてだったので勉強になった。超入門書なだけに物足りないが、ここから統計学を学ぶのはそれなりにハードルが高いだろうなあ。大学時代に経済、経営の講義ももう少し受けておけばよかった。
    報道などでの因果関係と相関関係の混同や恣意的扱いは前々からわかってはいたこと。調査結果自体が妥当な場合もわざわざそれを証明するだけの情報を書いてくれないので、結局何も信じられないのは困った話。

  • 非常にわかりやすいですね。
    確かに因果関係と相関関係は違うし、軽々に因果関係があるなんて言っている報道は注意しなければなりませんね。
    データの取り方とか、分析の仕方、考え方は慎重にしなければなりませんね。

  • 因果関係に影響を及ぼす事柄は、排除しきれない。

    RCT=ランダム化比較実験。無作為にグループ分けをする。
    サンプル数を多くするほど信頼性が高くなる。
    層化ランダム化(ブロックランダム化)=属性で分けて無作為にグループ分けをする。
    RCTは答えを探すためにデータを作る方法。

    RDデザイン=境界線を越えるデータを分析する。保険の負担割合が変化すると病院通いは増えるか。
    集積分析=段階的規制の段階部分で変化があるか。自動車の重量と燃費規制の関係。所得税の税率が働き方に変化をもたらすか。

    パネルデータ分析=所得税と移民行動の因果関係など。複数グループの複数機関のデータがある場合。

    GoogleもRCTによる分析に力を入れている=検索語の色の変化、など。
    税込み表示にした場合と税抜き表示にした場合。=RCTでは、税抜き表示のほうがよく売れた。

    原因と結果の経済学 ダイヤモンド社
    実証分析入門 日本評論社
    実証分析のための計量経済学 中央経済社
    計量経済学の第一歩 有斐閣

  • データ分析によって政策や広告の効果を計ることの困難さと、その困難さを乗り越えるためのいくつかの最新の方法が紹介されている。計量経済学の入門の入門書。

    以下個人的な感想
    有機化学の反応開発において、あるパラメータを変化させた際に、他のパラメータが変化していないかを精査することは重要である。例えば反応系に添加物を1当量加えたとすると、他の溶質の濃度が低下してしまう。すると、反応性の変化が、添加物を加えことによる影響か、濃度低下の影響かの区別が付かなくなる。反応開発をしていると、こういった問題に常に悩まされることになる。本書を読んでいると、介入の波及効果への調査など、データ分析をする者も同じような問題に頭を悩ませていることが分かり、とても親近感がわいた。

  • 筆者若い

  • 417||It

  • 「何を明らかにすれば、因果関係があると言えるのか?」本書は、その考え方を示してくれる入門書です。
    難しい数式を使っていないので、考え方を押さえれば、ビジネス等実践の場でも、公開データーを使って分析できそうです。
    紹介されている分析は、RCT、RDデザイン、集積分析、パネル・データー等。
    エコ政策として打ち出した日本の燃費規制が自動車の重量化を促進し、政策効果が出なかったどころか、事故時の安全性を損なうものになったという話は興味深かった。

  • データ分析は大切だ。客のある仕事をしている人なら(客のない仕事ってあるんだろうか?)多かれ少なかれ仕事で使う。ぼくも使う。
    そのくせ、変な例をちょくちょく見る。よくあるのが相関関係と因果関係をごっちゃにしているパターンで、「バイオレンス映画を見るとバイオレンスな人間になる」というたぐいのやつ。結構まともな新聞や本で見かけたりする。

    本書はデータ分析の初歩の初歩、データ分析能力が必要な事情から、因果関係を調べるためのテストの方法までを平たく紹介してくれる。統計学も数式も出てこない。出て来るサンプルや具体例が実地に即していてなるほど的なので、すらすらと読める。
    著者がアメリカ在住かつアメリカの大学の助教授なのはたまたまなのかな、と思っていたがそうでなさそうだ。アメリカはビジネス上の決定はもちろん、政策や施策の評価に科学的なデータ分析手法を導入するのが当たり前で、そういう例が豊富に出てくる。測定手法まで含めて施策や政策なんだな。

    知っている話が多かったし、実用にはならないんだけれど、面白かった。

全55件中 1 - 10件を表示

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)のその他の作品

伊藤公一朗の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
リンダ グラット...
トマ・ピケティ
ベン・ホロウィッ...
トーマス・セドラ...
有効な右矢印 無効な右矢印

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする