データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)

著者 : 伊藤公一朗
  • 光文社 (2017年4月18日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334039868

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)の感想・レビュー・書評

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  • 福村

    すいません。遅くなりました。
    シンプルに申し訳ございません。

    著者 伊藤 公一朗
    シカゴ大学公共政策大学院ハリススクール助教授を務める30代の若き学者。

    京都大学経済学部卒、カリフォルニア大学バークレー校博士課程修了スタンフォード大学経済政策研究所研究員、ボストン大学ビジネススクール助教授など名立たる経歴を経ている。

    【概要】

    情報通信革命にともない、特定の専門職に限らず、データ分析能力が必要とされる時代になったというのは様々な文献に出ているとおりです。

    ちょうど今だと、過去の様々なデータから予測される「来期に関して」を分析している状況だと思います。

    自分が分析するわけではない場合でも、重要な決定が誰かのデータ分析にもとづいて行なわれる機会は、着実に増えてきている。もはや騙されないようにするには、データ分析のリテラシーを高めるしかないと書かれています。

    本書はデータ分析のもっとも基本となる「因果関係の見極め方」について、数式を使わずに具体例や図、グラフなどを用いて解説した入門書になっています。

    【要点】
    1、「広告→売り上げ上昇」といったように直接的な影響関係ではない物の「因果関係」を示すことは難しい。その他の要因が結果に影響している可能性を排除できないからである。要因なのか要素なのかは切り分けて考える必要がある。

    2、ランダム化比較試験(RCT)を用いれば、ランダムに分けた「介入グループ」と「比較グループ」を比較し「平均介入効果」を求めることで、因果関係を示すことができる。

    3、因果関係を求める最良の手法はRCTだ。しかし実施には資金や労力、また関係機関の協力が必要であり、ハードルが高い。

    4、RCTが行なえない場合には、RDデザインやパネル・データ分析といった代替手段がある。

    【自社にスティールできる観点】

    「相関関係≠因果関係」

    僕はここ結構交じって覚えてしまっていました。「広告費」と「アイスクリームの売上高」のように、2つのデータの動きに関係性があることを、統計学では「相関関係がある」と表現します。

    データさえ手元にあれば、相関関係があるかないかを導くことは容易ですが、だが厄介なことに、XとYに相関関係があることがわかっても、それで因果関係があるとはいえないケースがほとんどです。

    ビジネスや政策決定においては、因果関係を正確に見極めることが大切と書かれています。もし過去に売り上げが伸びたのが広告の影響ではなく、気温や経済活動の変化といった他の影響など、様々な複線から打ち手を考える必要性を改めて感じさせられます。


    「介入グループと比較グループ」という考え方。

    上にも示しましたが、因果関係によってもたらされる効果のことを「介入効果」と呼びます。介入効果とは、介入により影響を受けた場合と、受けなかった場合との差である。たとえば電気料金の値上げがあった場合、価格上昇が消費者の電力消費に与えた影響(=介入効果)は、価格の上昇がなかった場合との差ということになる。

    介入を受ける「介入グループ」と受けない「比較グループ」に分けて実験を行ない、両者の結果を比較すれば、「平均介入効果」として測定が可能。ただしその際に必要となる仮定がある。それは「もしも介入が存在しなかったとしたら、介入グループの平均消費量と比較グループの平均消費量は等しくなる」ということである。残念ながらこの仮定を立証することはできない。

    このフレームは母集団形成を考えたり、メディア選定オプション選定などにも転用することが可能。

    データの見方入門書としては非常に良いものだと思います。

  • 経済学者による「因果関係」を正確にみるためのデータの見方の考え方などを平易な言葉で説明。

    ある結果Yに対して原因がXと考えられるとき、どうやったらX→Yの因果関係を示せるか。

    世の中には
     第3変数により相関関係と因果関係を誤解したもの
     因果関係が逆なもの
    といったようなみせかけの「因果関係」があふれている。

    正確に因果関係を見抜くためにはランダム比較実験、RDデザイン、集積分析、複数期間のパネルデータ分析などの手法が必要だがそれぞれにメリット、デメリットがある

    これらの概要とメリット・デメリットを非常に平易な言葉で解説。

    内容は専門的かつ高度だが、平易なことばでかかれているため素人でもなんとなく言いたいことがわかる

    全体としては「「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法」に非常に近く入門書として最適。

    学者でこの手のわかりやすい本を書ける人は少ないだけに貴重だと思う。

    本書の中ではある程度の専門的な内容に対しては「これ以上は本書の内容を超えるので参考文献で勉強しましょう」という記述が結構がでてくる。

    不満に思う人もいるかもしれないがわからないと読者は例外なく不満を持つため、ターゲットを絞り、あえて難しいことは説明しない、という姿勢はとても大切。

  • 「何を明らかにすれば、因果関係があると言えるのか?」本書は、その考え方を示してくれる入門書です。
    難しい数式を使っていないので、考え方を押さえれば、ビジネス等実践の場でも、公開データーを使って分析できそうです。
    紹介されている分析は、RCT、RDデザイン、集積分析、パネル・データー等。
    エコ政策として打ち出した日本の燃費規制が自動車の重量化を促進し、政策効果が出なかったどころか、事故時の安全性を損なうものになったという話は興味深かった。

  • データ分析は大切だ。客のある仕事をしている人なら(客のない仕事ってあるんだろうか?)多かれ少なかれ仕事で使う。ぼくも使う。
    そのくせ、変な例をちょくちょく見る。よくあるのが相関関係と因果関係をごっちゃにしているパターンで、「バイオレンス映画を見るとバイオレンスな人間になる」というたぐいのやつ。結構まともな新聞や本で見かけたりする。

    本書はデータ分析の初歩の初歩、データ分析能力が必要な事情から、因果関係を調べるためのテストの方法までを平たく紹介してくれる。統計学も数式も出てこない。出て来るサンプルや具体例が実地に即していてなるほど的なので、すらすらと読める。
    著者がアメリカ在住かつアメリカの大学の助教授なのはたまたまなのかな、と思っていたがそうでなさそうだ。アメリカはビジネス上の決定はもちろん、政策や施策の評価に科学的なデータ分析手法を導入するのが当たり前で、そういう例が豊富に出てくる。測定手法まで含めて施策や政策なんだな。

    知っている話が多かったし、実用にはならないんだけれど、面白かった。

  • データ分析の手法が要領よくまとめられている。通常、このような本は数式を用いた技術的な解説になりがちであるが、それを避けてわかりやすくしてあるのが好感が持てる。数式アレルギーの方にはよいと思います。

  • ビッグデータという言葉に惑わされていないか、データ分析の本質が伝わる。アメリカで進む「エビデンスに基づく政策形成」がうらやましい。

  • すげえ難しい話ではないというか、非常に直観的に書かれているから簡単に思えるのかわかんないけど、勉強になりました。特にRDデザイン。非連続点を探せ!みたいな。よく考えると、会社人生における不具合解析ではほぼこういう処理をしているからだね。

  • データ分析に関して分かりやすく書いてあった。
    一からデータを作る場合と、元あるデータを読み解く場合、どちらの利点弱点も紹介していたので、利用しやすいと思った。

  • 事業効果を自前で行うため,参考になる本を探した結果選んだ1冊。
    因果関係をとらえる時の注意点が丁寧に説明されていました(感謝です)。
    より高度な分析へつなぐ入門書。
    読みやすい本でした◎。

  • データアナリティクスは、政策決定や研究だけではなく、
    ビジネス上での意思決定に必要不可欠になりつつある。

    仕事する上で、データアナリストとコミュニケーションするぐらいの
    統計の知識は必須になりそうだ。

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