世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)

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  • 光文社
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レビュー : 85
  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334039967

感想・レビュー・書評

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  • タイトルはよくある感じで好きじゃないけど、内容はみっちり詰まってて面白かった。サイエンスの世界、すなわち統計学的有意差と再現性と帰納法の世界で生きてきたからデザインとビジョンの世界が分からない。でも今後AIが合理性重視の判断に長けていき法整備も追いつかない中で必要なのは自然法定主義に則った理念の力、デザインの感覚、すなわち美意識。別にアートに拘らなくても、音楽でもスポーツでも美はあるよなと思う。特に音楽とか。あと西洋薬は帰納法的なアプローチだけどこれからは演繹法のアプローチを取る漢方に光が当たっていくのかもしれないなと漠然と思う。マインドフルネスとか内面との対話を重視する世界。

  • 欧米では今、グローバル企業が世界的に著名なアートスクールに幹部候補を送り込んだり、知的専門職が早朝から美術館に通っているという。その具体的な理由、および現在のリーダーに求められる「美意識」について説く。

    忙しい読者のために
    本書における「経営の美意識」の適用範囲
    第1章 論理的・理性的な情報処理スキルの限界
    第2章 巨大な「自己実現欲求の市場」の登場
    第3章 システムの変化が早すぎる世界
    第4章 脳科学と美意識
    第5章 受験エリートと美意響
    第6章 美のモノサシ
    第7章 どう「美意識」を鍛えるか?

  • ビジネスの世界ではデータも論理的思考も外せない要素なのだけど、直感や人の感情を揺さぶる体験もこれからは必要だよね、という本。
    上の人達がこんな考え方を持ってくれると仕事もスムーズになりそう。
    以前からアメリカ人よりヨーロッパの人の方がデザインやアートに対して理解あるなぁと思っていた謎が少し溶けた気がする。


  • 今年は「言語/非言語」をテーマにしているのでとても面白かった。ということを前提にモヤモヤと。

    最近最も気になっているのは引用したところで、この前、デザイナーや藝大生とMTGしたときもこの話になった。
    「なんで絵画より言語の方が具体的、とか伝わりやすい。という言説が主流なのか、よくわからない。職業病?」みたいな話に 。

    たしかに、絵画のほうが一般的に言えば抽象的、と思われてるけど、実は情報量は言語なんかよりもはるかに膨大だ。それはテキストデータと画像動画データの容量を比べればすぐわかる。

    この点、「美」を鍛える(引き出す)には、「美」を創造(創作)するプロセスの体験は必要だろうなと感じた。写真にハマってるとよくわかる。面白いもの、美しいものを撮りたい、撮る、でもダメ、頑張ろう、、(以下略。

    サイエンスの知見もクラフトマンシップも総動員、緻密で繊細で気の遠くなるような営みを通じてはじめて、「美」は生まれるのではないだろうか?

    だとしたら体験の接点は多いほうがいいなと。

    ちょうど「言語/非言語」に関してワークショップを企画しているところだったので、なんともモヤモヤと示唆を与えてくれました。

  • 東2法経図・開架 B1/10/891/K

  • 気になったので購入。読了しました。

    私はこの著者の言う「美意識」を鍛えるのに「宗教」こそ一番良い教材だと思うのですが、どうもそういう話にならないですね。オウム真理教を悪い例として引いているあたり、そうはいかないのかなとも思いますけれど。

    美術館で絵画を見るより、難しい哲学書や古典文学詩歌に親しむより、聖書を音読したりお経を読誦する方がすごくダイレクトかつラディカルに美意識を鍛えられると思いました。

    あとは単純に、現代社会の経営課題には疎かったので第1章から3章は勉強になりました。
    こういうものの考え方も理解しつつ、日本でも教会やお寺が起業支援だとかファンドだとかの事業を立ち上げるのが一般化すると、おそらく筆者も望むような美意識のある芯の強いビジネスパーソンを生み出すファームが作れるんじゃないかなー、なんて勝手に妄想してます。

  • タイトルにもある通り、ビジネスにおけるアートの重要性を説いた1冊。
    著者曰く、論理的思考が普及したことによる「正解のコモディティ化」、「全地球規模の自己実現欲求市場の誕生(= すべてのビジネスはファッション化する)」、「システムの変化にルールの整備が追いつかない社会(=過去と照らし合わせた意思決定ができない)」という3つの大きな変化によって、これまで有効に活用されてきた「客観的な外部のモノサシ」が通用しなくなり、「主観的な内部のモノサシ」、つまり「真・美・善」の美意識を持つことが重要であるとのこと。
    実感として、ロジカルシンキングなどは突き詰めると1つの解に収束すると考えた時に、確かに重要となるのは個人の美意識(デザイン、ストーリー...)であると感じるため納得のいく主張であった。

    個人的に印象に残ったのは、「悪とは、システムを無批判に受け入れることである」というハンナ・アーレントの引用。これは過去の日本軍にも当てはまり、また現在にも通用する非常に示唆に富んだ指摘であると思う。ハンナ・アーレントの本も読みたい。

  • 書名からあまり期待していなかったが、かなり綿密なデータと深い考察がつまった良書でした。サイエンスとクラフトばかりを偏重し、アートが軽視される昨今に不満をもっているので、「美意識」や「アート」の重要性を主張するこの本が広く読まれることを望みます。



  • 本の題名の裏に、真善美が横たわっている。
    この本を読んで、自身の仕事の環境の閉塞感の原因が見えたし、会社がやっているデザイン・シンキングの取り組みなどの意味が分かった。そして、その一歩先を創り出す美意識の必要性も。

    閉塞感の原因が、「言語化できるものは、模倣できる。 」に尽きる。IT業界は、まさにこれに当てはまるし、競争のスピードが非常に速い上に、他業種も参入して来るなどレッドオーシャン化が凄い。今や、分析的・論理的な情報スキルを身につけた人だらけ、「サイエンス重視の意思決定」で、「正解のコモディティ化」が普通になっている。そんな中で、キーワードとして、「自己実現市場の登場」と「ブランドに付随するストーリーと世界観」「世界観とストーリーは決してコピーする事が出来ない」と言った指摘は、勉強になった。

    「センスの悪い顧客が多い地域からの要望で物を作れば、その地域では売れるが、センスの良い顧客の地域で売れない、センスのいい地域の物が入ってきたらそちらが売れて、逆は起こらない、いかに市場の要望に高水準に保つかを意識していかなければ優位に立てない。」

    美意識を鍛える方法として、大きく以下の項目が提示されている。ただ、見るだけ、読むだけではなくどの様に見るか、読むかが指摘されている。

    ・絵画を見る
    ・哲学に親しむ
    ・文学を読む
    ・詩を読む


    著者は、山口周氏、コンサルタントであり、著述家。他の作品は読んだ事が無かったが、この本に書かれている内容は、教養領域の本に書かれている内容が幅広く散りばめられていて、面白い。他の本ではなかなか触れられないポアンカレとか。


    絵画を見る所に、三浦篤氏の『眼差しのレッスン』がお勧め。

  • いつもながら、とても示唆に富んだ一冊。オウムやDeNAの例を出しながら、美意識なき経営者やエリートたちが突っ走ってしまうことの先にある危険性をわかりやすく解説してくれている。
    戦略コンサルとオウムのシステムの類似性には、ぞっとした。
    アートや哲学から、自分なりの美意識の醸成について考えてみようと思った一冊だった。

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プロフィール

1970年生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科卒業、同大学院文学研究科前期博士課程修了。電通、ボストン・コンサルティング・グループ等を経て、組織開発・人材育成を専門とするコーン・フェリー・ヘイグループに参画。現在、同社のシニア・クライアント・パートナー。専門はイノベーション、組織開発、人材/リーダーシップ育成。『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書)、『知的戦闘力を高める 独学の技法』(ダイヤモンド社)など著書多数。神奈川県葉山町に在住。

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