誰が「働き方改革」を邪魔するのか (光文社新書)

著者 : 中村東吾
  • 光文社 (2017年9月15日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334043100

誰が「働き方改革」を邪魔するのか (光文社新書)の感想・レビュー・書評

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  • 書名に対する答えとして何か一つの原因があるわけではなく、複雑に複数の要因が絡み合っている。もちろん日本独特の原因というものある。本書の性質上仕方がないことだけれど、「原因分析」のために「これからの時代、こうやっていこうぜ」という前向き感があまり感じられず「上がる」本ではなかった。一番刺さった言葉は「もはや、隣の芝生が青いかどうかは問題ではない」。

  • ■人口が減り労働者の確保がままならない現代,働き方に工面と工夫を講じない限り日本経済のスパイラルが逆回転し始めるのは当然の流れ。
    ■「上からの指示を完ぺきにこなして見せる」はもはや能力ではなくなっている。
    ■日本の社会は連帯責任によりグループ内の統率と期待値以上のアウトプットを常に課し続けてきた。従業員は連帯責任によりグループ全体の成果を考えるようになるし,延いては自分の責任でグループの評価は落とせないといった心理を突いてグループに所属するスタッフ一人一人に発破をかけるように働いている。
    ■日本の組織が生み出す製品やサービスの質が高いのも,独自に構築した強固な統率体制によるものである。
    ■日本社会に浸透している慣習の一つに「以心伝心」があげられる。ところが「以心伝心」はあり意味曲者でこれを美徳として崇めていたら公私混同で突破口を開く「個人の中の多様性活用事業」はなかなか成立しない。
    ■「以心伝心」はダイバーシティ推進を阻害する一つの要因。
    ■ワーク・ライフ・バランスの浸透に合わせ「公」と「私」はその関係性を新たにに構築し直していくだろうことが見えてきた。そのことに合わせコミュニケーションの活発化は必須。加えて時代は企業と従業員の関係が強力な主従関係の結びつきを緩め双方を尊重し合おうとしている。そのためには労使双方がお互いに理解を深めるための会話が不可欠になっていく。
    ■これからの企業は「会社命」の「指示待ち人間」から事業や業務を拡張できる可能性のある「自律的社会人」を求めるようになる。
    ■「よく働く」ことと対を成すそれは「意識的に遊ぶ」こと。
    ■「昔はよかった」という嘆きは江戸時代から続いている。かくも人は変化を受け入れることなく,自分の経験基準でものをいう。
    ■能力が高い人材の存在が生産性に関係するのではないかという仮定の下で行われたGoogle社ならではの実験検証で導き出された結論は,能力のあるスタッフが成功するチームに加われば成功し,同じ人物でも成功しないチームに加わればチーム自体が成功しないという事実である。これらの結果から導き出せるのは,とかく企業は「強いリーダー・シップ」や「コミュニケーションの取りやすい環境」「優秀な人材の配置」で業務の効率化が図れると考えがちだがそれらは全部間違えた認識だった。
    ■会議の中で全員が均等に発言するチームは生産性が高く,だれか一人が独断的に喋るチームではそれが低かったという結果が出た。
    ・グループ内のスタッフが他スタッフに対し配慮があり,また共感をし,またスタッフの発言を肯定するチームこそが生産性を上げる。
    ・発言してもいい空気(否定の排除=受容),誰かの発言に可能性を見出そうとするスタンス(肯定とバックアップ)
    ・これらはスタッフの心理的な安心を生む。心理学でこの状態を「心理的安全性」と呼ぶ。
    ■「働き方改革」の根源的で恒久的なテーマは「生産性の向上」である。

  • 働き方改革については、大企業や団塊の世代の視点から書いたらその時点で負けなんだと思う。真っ向からその古いパラダイムで書かれてしまった本書は、その良い教訓となるはず。
    過去僕が恐れたのは「1日平均9時間しか働けない中堅」が「唯一の正解」として大量生産されゆく実態でした。そんなもん真面目に追求したら、どのみち経験値豊富な「外来種」に食われるだけ。その核を無視してダイバーシティも何もないわけです。だから「みんながどうすべきか」ではなくて、「違和感を感じた個としてどうすべきか」が論じられるべき。日本的にはとても面白いテーマなのでもう少し掘り下げてみよう。

  • 東2法経図・開架 B1/10/904/K

  • 逗子の『椿書房』にて気になった

    読みやすく、おもしろい

    p40~

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