労働者階級の反乱 地べたから見た英国EU離脱 (光文社新書)

  • 光文社 (2017年10月17日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334043186

労働者階級の反乱 地べたから見た英国EU離脱 (光文社新書)の感想・レビュー・書評

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  • 今年読んだ本で一番良かった。英国に住んでいる日本人には是非読んでいただきたい。
    英国南部の公営住宅に住む保育士が書いた本。彼女の夫は労働者階級出身であり、夫婦で野党の労働党を支持している。著者は労働者階級の多くの人が国民投票でEU離脱を選んだことに驚き、その理由を探る。
    著者の別の本にもあったが、日本の被支援者などは目立たないようにひっそりと暮らすが、英国の労働者は、不満な現状に黙っておらず、政治に訴えて社会を変えようとする。
    英国外に住んでいる人には体感しづらいだろうが、英国はいまだに階級社会が根強く残り、ミドルクラス(日本人のイメージする中堅家庭よりもずっと裕福)と労働者階級は、趣味も学校もライフスタイルが全く違い、交友関係も当然普通は交わらない。本書にもあるように、階級間の異動は不可能ではないものの容易ではない。労働党のブレア元首相などは、生まれながらに決まってしまう階級を取り払おうと努力してきた。
    本書を読むと、長年のミドルクラスと労働者階級の間の深い溝の構造と歴史的背景がよくわかる。自分自身は移民というまた違う立場であるが、底辺と見なされがちな人たちのしたたかさを心強く感じる。本書はまた、現在の政治の力関係を知るのにも有益な本である。著者は労働党支持なので、労働党寄りに書かれてはいるが。
    文章も構成も素晴らしい。ワーキングクラスの人たちが考えていることが少し理解できた気がする。

  • Brexit投票結果の背景について、ものすごくミクロな視点と、ものすごくマクロな視点の両面から考察していて参考になった。結局彼ら白人労働者階級の人たちが、どのような国を望んでいるのかは最後まで解らなかったが。単に既成政治に反対しているだけで、その先の理念が見えなかったのは、本当に理念がないのか著者が追いきれていないだけなのかが分からなかった。
    ところで著者が暮らしているブライトンは日本で言う葉山のような街で、皇室静養地、美しいペブルビーチ、華やかなピアの記憶しかないが、ブルーカラーの人たちも住んでいる普通の地方都市なのね。

  • EU離脱を、選んだ人たちはどんな人たちだったのか。怠け者でモラルがない、というステレオタイプには当てはまらない人間らしい人間だった。
    権利とは勝ち取らなくてはならないものだが、それは他人と協力することで成し遂げられて来たという、イギリスの歴史も面白い。
    ただし、ヒルビリーエレジーでは、ホワイトトラッシュは、リアルにモラルの崩壊した低レベルな側面があると描かれていた。
    国は違えど、何が違うのか。ヒルビリーエレジーを読み返したくなる。

  • 少し前の話だけれど、何故イギリスがEU離脱を選んだのか、というのを、生のイギリスの声を通して書かれていて分かりやすかった。
    単なる“右傾化”ではない、と。

    イギリスにおける現在の「白人労働者階級」状況。その労働者階級のおおよそ100年の歴史(大まかなイギリスの政策を通じて)。

    これを読んでいて感じたのは、アメリカの大統領選挙のことと、日本で起こりつつある、あるいは目に見えない(見えにくくなっている)状況に通じるものがある、と。

  •  ブレグジットをイギリスから考える。

     ブレグジットとトランプ勝利を同じものと考えていいのか考察する。それらを知る参考として代表的な白人労働者達へのインタビューやイギリスの労働闘争の100年史も掲載。
     イギリスのブレグジットは移民排除というよりは社会保障軽視への反発であったと言えるようだ。緊縮財政に苦しむイギリスだが、労働運動の歴史があり、それに応え得る二大政党制があることは日本人から見れば非常に羨ましいと感じた。それはイギリスが歴史をかけて築いてきたもので、一朝一夕では手に入らないものなのだろう。

  • 友人に勧められて読んでみたが、今ひとつ面白くなくて、途中で読むのをやめてしまった・・・

  • 東2法経図・開架 B1/10/912/K

  • EU離脱とは、右傾化やポピュリズムの結果というより、階級の問題(経済の問題)を人種や移民の問題(文化の問題)にすりかえられ虐げられてきた(白人)労働者階級の反抗だったことがわかる本。サフラジェットからはじまる労働者階級のDIY精神100年の歴史をつづった第Ⅲ部が面白かった。さすが生協とパンクを生んだ国の人たち。

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