「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334043230

感想・レビュー・書評

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  • 概ね頷ける内容だった。

  • 日本の家事の当たり前は海外の人の目にはどう映るのか、なぜ日本では男性の家事参加が進まないのか。他国に比べ、日本に広く浸透しているように見える「良い母、良い家庭」「ちゃんと家事」プレッシャー。それらにはきちんと理由があった。


    第1部は海外と日本の比較データがたくさんあり、内容にも目から鱗だったり、そうそう!よく言ってくれた!と共感できたりとても充実した内容でした。
    一度に読みきれないで、第2部を日をあけて読み進めたら、あれ?これは同じ本ですか?!と思うくらい、第1部と第2部で雰囲気がガラッと変わります。

    第1部の内容に励まされ、同意しかない!と強く思いすぎてか、第2部はいらないなとすら感じました。その為完読するのに時間がかかってしまいました。

    第1部で特によかったのは、食事に対する日本と海外の姿勢について書かれた箇所でした。
    以前別の本で、フランス人の親は子供に出した食事は一口は食べろ、美味しくない場合は「口に合わない」と言って残していいとするという内容を読み、それを我が家でも実践してきました。
    不味い、美味しくないと言われると気分が悪いから、せめてこの「口に合わない」という言い方であればいい、それで残せばいいと思いやってみました。
    最初は良かったのですがしかし、段々と口に合わないという言葉ですら腹が立ってきました。
    この本を読んで、フランス人の親が腹が立たない理由が分かりました。口に合わないのは作った人が悪いんじゃない、個人の好みによるのだということ。
    そもそも根本的な考え方が違っていて、本書を読んでいるとその考え方ですら、性格の違いと一概に言えず、国による政策の違いなのだと読み取れてゾッとします。
    今自分の中にある考えや考え方、家事育児に留まらず生活の仕方や生き方も、私個人で発展させたものでは決してないのだなと思うとともに、国のやり方が変わらない限りは、個人の家庭でやり方を変えていくのは不可能でないとはいえかなり至難の業、茨の道だなと思いました。

    後半にはそういった共感も感嘆の意も生まれませんでしたが、前半部分が素晴らしいと思い、星をひとつ増やしました。

  • 海外との比較や、歴史的な見方がされており、とても面白い。タイトルが、若干、売れる本を狙ってる感があるのが、むしろ残念なくらい。

  • 著者は重曹やクエン酸を使う掃除法などを紹介しているので、いわゆる有能な主婦礼讃の立場の人だと誤解していた。
    家事の出来ない女性は恥、一汁三菜手作り、いつも気配り目配り、子供の頃から刷り込まれた意識を私もこの頃捨てつつある。家事をアウトソーシングしたって良いではないか、そんなアドバイスをくれたのは夫である。家事育児でワンオペしてきた妻だと定年になってようやく知って、反省しているとは本人の弁。今は洗濯と掃除、そして食事の後片付け担当。不足だと感じることも多々あるのだが、逆に私の不満が昔からの刷り込みに拠るものだと考えさせられた。根深い偏見を少しずつでも変えて行けたらと思う。

  • 女性の権利
    良妻賢母はあっても大和魂とか男性を指す言葉はなかったかと?
    夫を働かせるため、朝ごはん神話など作らず夫婦で協力してすればいい
    部屋は断捨離とか終活とかいわず、今を楽しく過ごせるように生活する
    そうですね、死んだ後のために窮屈な生活をするのではなく、いっそのこと終活にかかるお金を用意しておけばいいのでは
    まあ、不要なものを溜め込むのは大事にしてるというより、逃避とも感じますが
    その人らしさでのびのび生きていきましょう

  • 究極の断捨離「夫」に絶句
    ちゃんとやる
    は禁句ですな。

  • だいぶ前に買ったのに未読だったのでこの機会に読んでみた。著者はナチュラルクリーニングをはじめ、お掃除講座などを展開されている方で翻訳家でもあるそう。
    そんな方が「(日本人女性は)家事のしすぎ」という内容の本を書かれることが興味深い。むしろ「もっときれいに!もっと自然で丁寧に!」みたいな方向性になりそうなものなのに。

    家事、育児をはじめ女性たちが無償労働に押し込められては家族や子供の問題を一身に担わされ、多くの責任を持たされ、有形無形のプレッシャーに囲まれてきたかをさまざまなデータや調査によって明らかにしていく前半は筆致が鋭く快刀乱麻という趣き。そうはならないようになりたいと思いつつ日本に生まれ育って文化に染まり切って思いきれずにいる私には非常に共感できる内容だった。

    後半はミニマリストや断捨離、一方で「片付いてはいないが多くの人が憧れる暮らしをしている人」の話に飛ぶ。やや唐突な感じ。「丁寧な暮らし」の究極ともいえるライフスタイルと反対の極にあるライフスタイル。「それぞれが心地よいあり方で暮らすことが大事」「やりすぎないようにした方がよい」というのが著者の結論のように思うが、いまひとつ前半との関連性が薄いように感じる。

    いずれにしても、昭和の時代とは働き方も暮らし方も社会構造も大きく変わっているのだから固定された役割分業にこだわることなく(というかこだわってると危険)それぞれに合った生活のスタイルをすべき、という主旨と捉えれば概ね賛成。話変わってナチュラルクリーニングは興味あるけど手を出せてない領域なのでそっちの本も読んでみようかな、

  • だれかと一緒に暮らす事になったら男女問わず読んでみてほしい一冊。そしてどう思ったか感想を聞きたい。

  • 他の方のレビューにあるように、後半は個人的感想で、あまり納得できなかったです。前半は良かったのに残念。
    日本ではフルタイムで働いていても家事の外注があまり進まないのが難点で、これからは家事代行サービスなど活用して自分の時間を作りたいと思いました。

  • 当たり前だ、と思っていたことがそうじゃない、ってことがワサワサ書かれている。
    外国の朝食のシンプルさや、屋台や外食への依存の高さ。
    毎回食器なんて洗わなくていいこと。
    かつての日本でも、いちいち温かいご飯は食べていなかったり、食器は各自が食後湯ですすいでしまうだけだったこと。
    政府の戦略(?)で、女性が育児も家事も無償で担うよう仕向けられていたこと。

    後半の「断捨離」については特に感想はないが、日本全体、特に女性自身の思い込みが自分の首を締めている、と言うことに気づいた。

    ほんっとに日本人、とくに母親たちは真面目でエラかった。

著者プロフィール

佐光 紀子:1961年東京都生まれ。国際基督教大学卒業。繊維メーカーや証券会社で翻訳や調査に従事後、フリーの翻訳者となる。ある本の翻訳をきっかけに、重曹や酢などの自然素材を使った家事に関する研究を始める。2002年に『キッチンの材料でおそうじする ナチュラルクリーニング』(ブロンズ新社)を出版後、掃除講座や執筆活動を展開。16年、上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士前期課程修了(修士号取得)。著書に、『もう「女の家事」はやめなさい―「飯炊き女」返上が家族を救う』(さくら舎)、『家事のワンオペ脱出術』(エクスナレッジ)、『家事は8割捨てていい』(宝島社)、『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』(光文社新書)など多数。

「2021年 『なぜ妻は「手伝う」と怒るのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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