松竹と東宝 興行をビジネスにした男たち (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334043667

感想・レビュー・書評

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  • 興行界の3人のキーパーソンの歴史だが、のめり込んで読んでしまった。歌劇と歌舞伎と映画と。素敵な物を有難う!

  • なぜ松竹が歌舞伎俳優を抱えているのか、
    それはそれは不思議でならなかったが、本書を読み、すっきりした。

    ライバルとしての東宝との対比で描かれてゆくが、
    どちらが主役というわけでもなく、丹念に少しづつ紐解くようにして、
    時系列に整理されていることもまたわかりやすい。

    松竹と東宝に就職することを願っている学生は必読だと思う。

  • ここらの話は普通にドラマとか映画でおもしろい題材なんだけど、まぁ双方で譲れない見方もあるし、関係者多いし無理だろうなぁ。

  • 両社創業者の壮絶なる戦い

  • ●松竹と東宝が興行の世界でしのぎを削り、発展してきたのかを著した演劇史。

  • 実に面白かった。劇場の売店の子の松次郎、竹次郎双子兄弟の松竹と理想家肌のエスタブリッシュメントだった小林一三の東宝が、いかに戦い、現在の状況に至ったのかが綴られている。最後、長谷川一夫が東宝に移り、東宝歌舞伎を確立したものの、歌舞伎座に凱旋したのは興味深い。彼は、後に宝塚歌劇団起死回生の「ベルサイユのばら」の演出家も任されていて、両者に多大な影響を及ぼしている。

  • 本当に面白い。
    時代がいつであろうと「ゼロからイチを生む」話は本当に面白い。
    この手の物語はどんな話でも共通項があるのが不思議だ。
    それは、今までの世界を壊して、新しいことを信念を持って生み出すこと。
    興行の世界はもちろん歴史があるし、その中でうまく循環している権益があった。
    それを松竹兄弟はバッタバッタとお客様目線でなぎ倒していく。
    さらに東宝の小林一三はまったくの異業種出身。
    銀行から鉄道業へ。それが宝塚を生み出すことになるとは、本当に人生何が起こるか分からない。
    この2者に共通することは、ものすごくシンプルだ。
    ・現存のシステムに疑問があり、変革することに大きな野望を持っている
    ・目の前の課題を一つづつ確実に解決している
    大きな野望も一足飛びには決してたどり着かない。
    一歩ずつ一歩ずつ近づいていく。
    ここで大事なのは、目先のことだけに捕らわれてないことだ。
    つまりは、大きな野望があるから、方向性を見誤らない。
    やっていることにブレがないのだ。
    これは本当に大事なことだと思う。
    人はつい楽な道を歩きがちだ。
    しかし、ゼロイチ思考の人には、そういう観点はない。
    楽な道が大きな目標のゴールにたどり着かないと分かった時は、当然に歩かない。
    そこに迷いがないことだ。
    現代のエンタメの基礎を築いた偉人。
    本当に素晴らしい。
    (2019/6/1)

  • 松竹と東宝の成り立ちが丁寧に書かれている。それぞれの創業者人物像も以外で、知らないことばかりで面白かった!

  • 宝塚は少しは知っていたけど、松竹の成り立ちについては全く知らなくて、初めて知ることばかりで大変興味深かった。東宝の演劇は私にとっては完全にミュージカルのイメージだけど、ミュージカルの歴史はまだそう長くはないんだな(そりゃ、歌舞伎に比べれば)。東宝の昔の興行がどんなだったのか、歌舞伎がなぜ松竹のものになったのか。同じ時代に生きた松竹兄弟と小林一三の興行ビジネスのお話はとても面白かったです。

  • 両社の成功をヒューマンストーリーで語る本。歌舞伎という舞台を興行として生まれ変わらせた斬新なアイデアの一端がよくわかる。社史と周辺資料を中心に丁寧に記述されている。

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著者プロフィール

1960年生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。「カメラジャーナル」「クラシックジャーナル」を創刊し、同誌のほか、ドイツ、アメリカ等の出版社と提携して音楽家や文学者の評伝や写真集などを編集・出版。クラシック音楽、歌舞伎、映画、漫画などの分野で執筆活動を行っている。

「2019年 『阪神タイガース1985-2003』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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