宇宙はなぜブラックホールを造ったのか (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334043957

作品紹介・あらすじ

「ブラックホール」という言葉から、何を想像するだろうか。
銀河の中心には、必ずといってよいほどブラックホールがある。
しかも、その質量は非常に重く、太陽の質量の100万倍以上もある。
このようなブラックホールは〝超大質量ブラックホール〟と呼ばれているが、
それは、私たちが住んでいる天の川銀河(銀河系)にもある。
その質量は、太陽の400万倍である。
では、そもそもなぜ、ほとんどの銀河の中心に超大質量ブラックホールがあるのか――。
ブラックホールはいつ生まれ、どのように育ち、どのような運命を辿るのか。
そして、宇宙はなぜブラックホールを造ったのか。
現代天文学が描く、宇宙の過去・現在・そして鮮烈の未来予想図。

感想・レビュー・書評

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  •  物理の世界は不思議過ぎて理解できないのだが、どれだけ不思議なのかについては大まかにでも理解したいと思って、物理本にチャレンジするのだがいつも途中で挫折することが多い。
     だがこの本は、ブラックホールに焦点を絞っているので少しわかりやすかったので最後まで読むことができた。そもそもブラックホールって何?
     物質とは時空の歪みであり、物質が重力崩壊を起こすとは、時空の縮みの速度が高速を越える場合には、光が脱出できなくなる。ブラックホールとは星が動的に崩壊して光が脱出できなくなる状況のことをいう ってわかりますか?
     地球の重力から脱出するためには秒速11.2㎞を超える速度が必要なのですが、太陽の500倍の質量の星から脱出するためには高速を越える脱出速度が必要となります。したがって超大質量の星が重力崩壊を起こした場合には光も抜け出せないブラックホールが誕生することになるそうです。そしてそのブラックホールの真ん中では、時間が止まるというのです。
     時空についての理解
     相対性理論についての理解
     量子力学についての理解
    ここいら辺はどうしてもついていけない。
    こんなことなら高校時代からもっと勉強しておけばよかったと思うのだけれど
    今更遅いよね。

  • 新書にしては難しい
    ほとんど頭に残らない

  • ブラックホールと銀河の共進化など面白く読めた。Event Horizon Telescopeによるブラックホール・シャドウの観測は、出版後数か月で公表されているなどタイムリーでもある。

  •  ブラックホールって何なん?
    という興味で読みましたが、相対性理論とか恒星の質量、重力やら何やら、、、難し過ぎて無理でした。

  • (借.新宿区立図書館)
    どうも最近の宇宙(論)関係は難しくなっている。いや昔からそうなのだけどさらに。まあ、つまりそれだけ研究が進んで凡人には簡単に理解しがたくなっているということ。この新書版も私には大まかなところしか理解できない。それでもブラックホールについて、それが特殊なものではなく宇宙の歴史とのかかわりが深いと考えられるようになったということは分かった。人間ってすごいことまで観測し考えられるんだ。(としか言えないところが情けないのだが…)
    なお、この本が刊行されたのが2019年2月。その巻末に書かれた「ブラックホールを直接見る」ことの予測が既に直後の2019年4月に実現されている。

  • 一般相対性理論でのブラックホール
     空間的に閉じた、事象の地平線の内部
     球の中心=点=密度無限大=特異点

    量子力学と相対性理論を統一した理論はまだない。

    地球や太陽は質量が軽すぎブラックホールにならない。
    典型的なブラックホール
     太陽の1億倍の質量、半径3億キロ、地球までの距離の2倍
     基本物理量:質量、角運動量、電荷

    太陽の熱放射のピークは可視光帯、地球の大気は可視光と電波を透過する。
    よって人間の目は可視光に感度を持つようになった。

    電波源=クェーサー
     ブラックホールにガスや星などの質量を供給。
     解放される重力エネルギーを電磁波に変換し輝く。重力発電。

    中性子星=超新星爆発の残骸
    白鳥座X-1=ブラックホール
    重力波=1916年一般相対性理論で予測、2016年LIGOで検出

    ブラックホールはそれほど真っ黒ではない。(周りが輝く):ホーキング
    全ての銀河の中心に太陽の10億倍の超大質量ブラックホール、その周りにガス円盤。

    ブラックホールから銀河が生まれた・・・
     ビッグバン後、
     初代星が生まれた宇宙最初の数億年は観測する手段がない。
     初代星が重力崩壊して種ブラックホールに。
     超大質量ブラックホールの誕生過程は謎だが、ガスを飲み込むか、合体。

    現在、138億歳の宇宙、太陽50億歳、寿命100億歳。
    50億年以内に天の川銀河とアンドロメダ銀河が合体。
    1000億年後、レッドアウト。
     隣の銀河の遠ざかる速度が高速を超え、見えなくなる。
    100兆年後、すべての恒星が燃料切れ。
    10の34乗年後、原子が死ぬ。
    10の100乗年後、大質量ブラックホールは消える。
     重力学的、熱力学的死。

  • 一般向けの新書にしてはちょっと難しい部分もあるが、銀河中心にある超大質量ブラックホールやクエーサーについての説明が厚く、銀河合体を含めて、これらの成り立ちについての最新の知見が得られる。
    タイトルに対する著者の答えが中々哲学的。

  • 興味関心を引くタイトルから手に取ってみたのだが、新書にしてこの難しさ!?と困惑するレベル。細部にはこだわらず、斜め読み。大学の講義を思い出す。
    宇宙の未来、ブラックホールを含めた宇宙がどのような結末、終焉を迎えるか、というくだりは興味を引かれた。決してこの目で見ることは出来ないが。

  • ブラックホール撮影成功! 宇宙の成立過程解明に寄与
    ノーベル賞クラスの発見が報じられました。
    ここでブラックホールの謎を突き詰めた一冊を。

  • 名著『生物と無生物のあいだ』~福岡伸一氏著は分子生物学に関わる科学者達の功績をこれ程までに面白く描いた物はないと最高の俺評価を付けていまして、今回のこの作品はブラックホール発見に至るまでの情熱的なストーリーを勝手に期待してたのですが、福岡伸一先生には言うに及ばず、何なんでしょうか、私には難易度が高過ぎて全てがホワイトホール状態で頭に残りません・・・

    そもそも最近ブラックホールのインスタ映え的なものが撮れたとの盛り上がりから、娘に『ブラックホールって何?』と直球を投げ付けられた事もあり、『あ、あ~それな、めっちゃ吸うやつやで。』と怪しいテレビショッピング的な掃除機販売の説明並みの返答をした自分が許せず、スーパー文系頭でチャレンジしたのですが、はやりめっちゃ吸うやつでした。本当にありがとうございました。祝令和。

    ただブラックホールが発生する仕組みというのは朧げには理解できましたし、最初の歴史のくだりはアインシュタインの相対性理論のからみも踏まえてそこそこ興味の持たれる内容でした。そして驚きは新書であるのにカラー印刷!ま、カラーじゃないと宇宙は真っ黒なんで写真出しても分からんわなw

    そしてタイトルの『宇宙はなぜブラックホールを造ったのか』そう、筆者はドラマティックな答えを用意しておりますが、もう何て申しましょうか、私が理解できる頃にはブラックホールは消滅してそうです。ん〜難しい><

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著者プロフィール

1954年北海道旭川市生まれ/東北大学大学院理学研究科博士課程修了・理博(84年 東北大学 天文学)東北大学大学院理学研究科助教授(91年).愛媛大学大学院理工学研究科教授(2006)・同大学宇宙進化研究センター長/専攻・銀河天文学/
主な著書:『現代の天文学 第4巻 銀河』(07年日本評論社;共著),『宇宙進化の謎』 (11年,講談社),『宇宙の始まりの星はどこにあるか』(13年,角川新書)

「2017年 『銀河宇宙観測の最前線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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