子どもが増えた! 明石市 人口増・税収増の自治体経営(まちづくり) (光文社新書)
- 光文社 (2019年2月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334043988
感想・レビュー・書評
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子育て支援による子ども・人口・税収増で注目を集める泉房穂明石市長とコーディネーター役の社会活動家である湯浅誠によって六人のゲスト(藻谷浩介、村木厚子、藤山浩、清原慶子、北川正恭、さかなクン)を迎えて行われた鼎談集です。各章の後には市民との座談会が六回に分けて掲載されています。冒頭には、出版直前の2019年1月に報道された泉市長の暴言について、湯浅氏によるコメントも添えられています。
基本的には泉市政の実績を肯定することを前提にしてつくられてはいるため、十分な客観性があるとは言い切れませんが、それを差し引いても明石市の取り組みやゲストの社会批評を面白く読むことができました。個人的には六篇のうち前半の三篇がとくに興味深かったです。
以下、明石市政などについての泉市長の発言を中心に、本書内で印象に残った箇所を挙げておきます。
・プラスとマイナスを分析した結果の子育て施策
・利点は神戸東部や阪神間に比べて地価が比較的安いため大阪・神戸の通勤層が住めること
・企業誘致するには地価は高いため、その点は諦めていた
・キーワードは「おかえりなさい」
・所得制限なしの子ども施策
・市が単独で人件費を出して30人学級にしている(国の基準では1クラス35人)
・駅前の一等地に従来の4倍の図書館づくりと無料の子育て施設
・神戸市を超える資金の待機児童の受け皿づくり
・業界団体などに気を遣わず選挙に勝ったため、当選後はやりやすかった
・少数者を排除しない(障碍者支援、犯罪被害者・加害者支援)
・みんな(地方行政の為政者)東京を見て、わがまちを見ていない(東京すごろく)
・国に対しては「金はいらん。そのかわり文句はつけるな」
・新自由主義的・自己責任的ではなく、サイレントマジョリティの市民が支持基盤
・人口論者ではない。人口が増えることそのものに意味があるわけじゃなく、一人ひとりの市民が暮らしやすいまちをつくることが目的。その結果、人が増えているのであって逆ではない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
村木さん、さかなクンとの対談が特に良かった。
湯浅誠さんの調整の仕方も上手い。
明石のタコのこと、さかなクンのお母さんの話、村木さんの経験談、泉市長が行った広い図書館をつくるという政策が印象に残りました。 -
SDGs|目標11 住み続けられる まちづくりを|
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/773074 -
明石市のことを知るために、と思って読み始めたのだけど、地方自治、地方創生、福祉等、様々なことに触れれる1冊だった。
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所得制限のない子ども施策
所得制限がないっていうのがとても重要のようだ
所得制限は納税者を蔑ろにしているから納得感がないのは頷ける
明石市には信念があるな。
地産地消の大切さ、SDGsに通じる身近なところから改善していくという考え方
高齢者の介護を考えるときに1.0のパワーが発揮できなくなった人を助けようとしているが、0.1、0.2、0.3をつなぎ合わそうとすることが大切という考え方にハッとさせられた。
誰も排除しないという考え方
この本を読んで思ったのは、たとえば東京の何処かの区で子育て支援に潤沢に予算をつける施策をしてみたらどうなんだろう?他の区より手厚い子育て支援があるなら、そこを起点に納税者やっぱり増えるだろうし。
子育てに力を入れること、一極集中にしないことは日本の国を考えるととても大事だと改めて思う。国内に子育てに力を入れて、成果を上げている自治体があるのに、なぜ追随出来ないのだろう。明石市が羨ましいとともに沈んでいく日本がもどかしく思ってしまう。
泉市長は周りの市役所職員からの話と目安箱に書かれている名もなき人からの声を両方吸い上げ、どこに問題があるのかを拾おうとしている。匿名投稿だからこそ言える不満に真摯に向き合おうとする姿勢。
毎日ネットの書き込みを晩酌のアテにして、どんなことを市民がリアルに感じているかのアンテナを張っている。
凄いし、こんな市に住みたいと思うし、私もこんな風に使命感を持って生きたい。
市民の目線に合わせることで選ばれる市を目指す
泉市長の施策はどれもいい循環で動いている。
トップに立つ人が素晴らしいと街も蘇るね。上杉鷹山を思い出す。 -
読了
養育費の不払い対策に挑戦する市長として、気になっていた泉明石市長と様々な人が対談する内容。
残念ながら暴言事件のせいでマイナスイメージがついてしまったが、至極真っ当なことに真正面から取り組む意気込みが感じられ、明石市民ではないが、泉市長を応援したい気持ちになった。
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読了。良かった。前向きになれてワクワクした。
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0-4歳の人口が鍵を握る
2013-2018年に人口が67万減った うち31万人が0-4歳
増えた地域 1 都心に至近でマンションが激増 2 つくばエクスプレスの沿線 3 過疎化が進んだ山間地や離島 (過疎地では年々高齢者減り、子育て支援が充実) 4 明石市
子育ての紙やすさの指標
1 合計特殊出生率 プロ野球選手の打率のように変動あり
2 0-14歳年少人口 15年間の蓄積を反映
3 0-4歳の人口の5年間の増減
明石市の子ども政策に所得制限がない
人間はそもそも集団で子育てする生物
島根県 19市町村中9市町村で乳幼児が増えている 75歳以上が減り始め、年々人口が若返り始めている
待機小学生はありえない
子どもが幸せに育つためには(平等と効率の福祉革命)
1 親の収入 2 大人が子どもの世話にかける時間 3 文化
離婚前後の子どもの支援 離婚届を取りに来たご夫婦に養育費取り決めの参考書式を配る
児童養護は入所がメインで、そこへ行かないとサポートがない
日本の福祉は ヤクザと風俗と刑務所に負けている
離婚のとき子どもが放置されている
光文社新書 2円で刑務所、5億で執行猶予
1%の戦略 循環型経済を作る 農村漁村文化協会 2018
2017 日本の特殊出生率 1.43 10組20名のカップルから14人の子どもしか生まれない。次の世代は3割減少
一世代ごとに3割減少
出産を希望するすべての人が希望する数の子どもを生んだ場合の希望出生率は1.8 なので1割減
藤山さんはこの希望出生率をもとに、人口構成の安定化を見ている
田舎の田舎では、実態がことごとく増田レポートの予測を裏切っている
子どもは一人でもちゃんと見てくれる人がいれば落っこちないで踏みとどまります
近所の大人が80年代にどんどんいなくなった
みんな食堂 こども食堂
診断と地元学
公務員を含めて、「やらない理屈の天才集団」になってしまっている
人口が増えていても駅前が寒々としている地域がある。喫茶店さえもない
サードプレイス(第3の居場所)があるか
私は北海道の全集落のパブをつくれといっている -
東2法経図・6F開架:B1/10/992/K