患者よ、医者から逃げろ その手術、本当に必要ですか? (光文社新書)
- 光文社 (2019年10月17日発売)


- 本 ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334044381
感想・レビュー・書評
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夏井先生らしい、歯切れのいい本。本論はもとよりだが、医師養成の問題点にも強く共感する。
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前書きからクセが強い。
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前作(傷はぜったい〜)と重なる部分も多いですが、こちらも名著です。包み隠さず教えてくれるなつい式湿潤療法には、困る人を助けたいという医療人の心が詰まっています。いつかの怪我・火傷のために永久保存で覚えておきたいです。
論文や既存の医療の概念をぶった斬って生化学をベースに説明してくれているので、どこを読んでも納得感しかありません。 -
タイトルからどんな内容か楽しみにして読み始めたが、ただの湿潤療法の話だった。
……いや、湿潤療法は画期的な治療法だと思う。どうやらこの本の著者が発明したらしく、大変素晴らしい先生だ。
けれど、もう十分に世間に浸透してますよね……?
実際に、この本が書かれた2019年より前に薬局に行けば普通にキズパワーパッドが置かれていた。
スライサーや電動工具で指先の肉を落とした治療で皮膚移植を行うと本にかかれていたが、自分はこの本がかかれた何年も前に同様の怪我をし、湿潤療法で治した。
大病院では金儲けに役立たないからやっていないとか書かれている……。
まさかと思ってネットで調べても大病院のHPで湿潤療法をすすめる頁もある。
自分が湿潤療法を知ったのはとある漫画で、そんな治療もあるのか、と驚いたものだけれど、それはもう15年も前の話だ。
著者が湿潤療法を発明した2002、3年なら確かにこの本にかかれていることを言いたくなるのもわかるけれど……。
他にも、同じタイミングで耐性菌の危険性を扱った映画や漫画がでるのが不自然だ、WHOの陰謀だ、といった内容もあるが、いやいや、漫画の流行り廃りなんてそんなもん……あまりにも根拠薄弱。
皮膚移植の触覚異常や外見の話、やけどの痛みについての考察は興味深かったが、ちょっと暴論がすぎる部分も多い。 -
今受けている熱傷治療に疑問を持つ人は読むべき。きっと納得できるはずです。
熱湯による火傷から今日で11日目。自身で応急処置、翌日近所の皮膚科を受診。しかし、そこは火傷は専門外だったらしく美容系。スタッフの手際の悪さに呆れて、翌日「やけど」の文字があった皮膚科を受診。ここは医師の診断も素早く、看護師の処置も手際よく俊敏だったので、ひとまず安心した。しかし、負傷3日目にして化膿そして高熱が出た。幸い、処方された抗生物質が効いたのか4日目朝には解熱。患部にはクリーム状抗生物質をガーゼ塗布。ここから激痛との戦いが始まった。当初は疑わずにいたが、3回目の診療にて疑問を持つ。そして、この本を読んで逃げることを決めた。
明日で負傷から12日目だが「なつい式」の処置をしてもらえる医院が在住地域で見つかったので訪問する。傷みから開放されれば、歩けるし普通の生活に戻れるし、職場へも復帰できるのではないか?ただただ完治を願うばかりです。 -
東2法経図・6F開架:B1/10/1029/K
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湿潤療法 感染例はいずれも成人下肢 静脈のうっ滞
表皮細胞(ケラチノサイト)は神経の関与なしに単独で痛みを感じ、培養表皮細胞に発痛物質のカプサイシンを与えると、細胞内へのカルシウム流入が起こる
広範囲熱傷ではさまざまな全身性合併症がつきものであるが、それらが高サイトカイン血症により起きていることが確認されている systemic inflammatory response syndrome SIRS
空気と体表面が触れたら、体表面は直ちに脳に危機的状況であることを伝える緊急速報を発令することにしたのだろう
なぜボディソープで傷を洗うと痛いのか それはボディーソープは合成界面活性剤であり、細胞面を破壊するからだ
合成界面活性剤とは、水と油を乳化させて混和する化合物であり、一方細胞膜は、脂質二重膜という油の膜だ。だから合成界面活性剤は細胞膜を破壊する
ケルススの炎症4徴候、ガレノスの炎症5徴候
腫脹、疼痛、発赤、局所熱感、機能障害
創感染を起こす細菌(黄色ブドウ球菌、溶連菌など)のほとんどは、そもそも水中に生息する菌でない
ほとんどの最近は水中では生きているが培養できない状態で活動を停止している viable but non-culturable (VBNC)
水中に生息していて創感染を起こす唯一の細菌ビブリオバルニフェカスは水温26度以上の汽水域という特殊条件を生息域とし、しかも感染する側の患者の条件として、肝機能異常や免疫異常などを合併していることが必要
☓風呂の水には雑菌が多いので、風呂に入ると傷が化膿する
破傷風菌(偏性嫌気性菌)と一緒に溶連菌などの好気性菌が創内に入り、好気性菌が酸素をすべて使い果たして無酸素状態にしてくれないと、破傷風菌は芽胞状態から増殖可能な状態になれない
骨髄は血流の良い組織であるため、骨折で露出した骨髄表面では速やかに肉芽形成が始まり、骨髄表面は肉芽で覆われるが、肉芽組織は最近バリアとして機能する
皮膚分泌物は皮脂も含めて水溶性 実は衣類の選択に洗濯石鹸は不要
ボディーソープやシャンプーで皮膚を洗うと、それらの教如くな乳化作用(脂質破壊作用)により、角質表面をコーティングしている皮脂の層をねこそぎ洗い落としてしまい、嫌気性菌である皮膚常在菌の生息場所(角質内と毛孔内)が好気性条件となり、皮膚常在菌がすめなくなる。
その結果生態系の空き地に、外来金や外来性病原菌が入り込む。ボディーソープ洗浄を繰り返せば繰り返すほど、外来菌や病原菌の生息に適した環境になっていく
固形石鹸 洗浄力は弱く、油汚れは十分に落とせないが、皮膚が雑菌だらけになることはない
合成石鹸 洗浄力は強く、油汚れは落とすが、皮膚は雑菌だらけになって不健康になる
台所のガスレンジ周りや換気扇周り ヒルトイドソフトで落とすと、市販の専用洗剤よりピカピカになる
ハンドクリームで油汚れがきれいにおちる 車の整備工場(サイクリングも)では知られている
クリームはそもそも水溶性物質と疎水生成物質を界面活性剤で乳化させて作る
外用剤は主剤でなく基剤が問題だ。クリーム基剤は細胞毒性をもっているからだ。
女性特有の顔を肌のトラブルの原因は、化粧品のクリーム基剤(=合成界面活性剤)と結論づけてもいいと思うし、化粧品と肌トラブルは無関係と言い張るほうが不自然だろう
化粧品の基剤(クリーム)のびがよくべたつかないのでクリーム一択
合成界面活性剤を含まない歯磨き粉
尿素クリーム 主剤の尿素が皮膚の水分を奪う
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夏井睦の作品





