アイロニーはなぜ伝わるのか? (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334044541

感想・レビュー・書評

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  • 話すときに冗談などで何気なく使っているアイロニー。
    なぜ成立するのか、メンタルスペース理論での説明が分かりやすかった。
    紹介される文学作品にも興味をもった。またレトリック全般を知りたくなった。

  • いろいろなアイロニーを知ることができる。

  • 貸出回数ゼロ本展「新書」
    【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/523530

  • アイロニーの例をもとに分析

  • 個人的には,アメリカンジョークよりもイギリスのブリティッシュジョークの方が好きなのですが,その理由がどこにあるのかを突き詰めていくとおそらくアイロニーにあるのではないのかなと思います。そんなこともあって本書を手にとって読んでみたという次第です。

    ピクニックを楽しみにしていたのにも関わらず,急激に天気が崩れて土砂降りになった状態で,「本当に今日はお出かけ日和だよね」と家族に言われてしまったとします。このような言いたいことの逆を言うかのようなアイロニーがどうして相手に伝わるのかというのは,よくよく考えてみれば結構深い問題なのだろうなと思います。

    本書はアイロニーがどうして伝わるのかを,学術的な理論を背景としてまとめてくれているというまさに私が読みたかったドンピシャの本でした。さらに,多くの文学作品の中に登場するアイロニカルな表現を,学術的な視点から詳細に解説していました。

    少し引いてみると,アイロニー表現自体を科学的に真剣に考察するというその姿自体が,非常にアイロニカルにうつってしまいます。そんな感じでメタ的にも本書を全体を通して楽しむことができたように思います

  • アイロニーは、難しい。けれど面白い。AIが最も苦手とすることの筆頭ではないか?言葉を使って、言葉とは裏腹の意味を伝えて、逆襲したり、溜飲を下げたり。頭を使いますね。
    アイロニーの具体例を知ることができたのも収穫だった。

    ハックルベリーフィンが、自分があたかも殺されたかのように偽装して、家を出て、奴隷ジムに偶然出会い、
    「お前いつからこの島にいるの?」
    「あんたが殺された次の夜から」「あんた、いつからこの島に?」
    「おれが殺された夜からだよ」

    プロレス観ながら
    「父さんが全盛の頃ならハルクホーガンなんて数秒でフォールできた」
    「ホント?ママ?」
    「まあね」
    「もちろん、お父さんが先生の頃は、ハルクホーガンは、まだ幼稚園なんだもの」(フォコニエ)

    シェイクスピア
    シーザーは、ブルータスに殺される。
    ブルータスを非難しないという条件で悼辞を許されたアントニーは、「ブルータスは公明正大な人物だ」と4回繰り返すのだか、内容は逆。「…貧しいものが飢えに泣く時シーザーも涙を流した。野心とはもっと冷酷なものでできているはずだ、だが、ブルータスは彼が野心を抱いていたと言う。そして、そのブルータスは公明正大な人物だ。」

    シャイロック 名判官ダニエルさまの再来だ!
    ポーシャ その商人の苦手と1ポンドはお前のものだ。
    シャイロック 公明正大な名判官ダニエルさま!
    ポーシャ 証文によれば、血は一滴もお前に与えてはいない。したがって証文通りにくい1ポンド受け取るがいい。だか、切り取るときにキリスト教徒の血を一滴でも流せばヴェニスの国法に従い、お前の土地財産は国庫に没収される。
    グラシアーノ ああ、公明正大な裁判官様だ。聞いたか、ユダヤ人。ダニエルさまの再来だ。

    大学先生が、予備校教育の悪口を言う。「予備校は、⚪︎×式の発想しか教えない。」
    反論を、脱構築で。
    大学では⚪︎×では教えないと言っておきながら、予備校は×、大学は⚪︎という正に⚪︎×の、発想で語っている。(大橋洋一)

    ゼウクシスとパラシオス、二人の名画家どちらがリアルな絵を描けるか。
    ゼウクシスは、ブドウの絵を描いて鳥どもが舞台まで飛んできた。パラシオスは、カーテンを描いた。ゼウクシスは、さあ、カーテンを引いて絵を見せよと要求した。
    鳥を欺すより、画家の自分を欺したと言ってゼウクシスは賞を譲った。

  • 東2法経図・6F開架:B1/10/1044/K

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著者プロフィール

木原善彦
1967年生まれ。京都大学大学院修了。大阪大学大学院人文学研究科教授。著書に『UFOとポストモダン』(平凡社)、『ピンチョンの『逆光』を読む』(世界思想社)、『実験する小説たち』(彩流社)、『アイロニーはなぜ伝わるのか?』(光文社)、訳書にウィリアム・ギャディス『JR』『カーペンターズ・ゴシック』、デイヴィッド・マークソン『ウィトゲンシュタインの愛人』(いずれも国書刊行会)、トマス・ピンチョン『逆光』、リチャード・パワーズ『幸福の遺伝子』『オルフェオ』『オーバーストーリー』、アリ・スミス『両方になる』『秋』『冬』『春』『夏』、オーシャン・ヴオン『地上で僕らはつかの間きらめく』(いずれも新潮社)、ハリー・マシューズ『シガレット』、ハリ・クンズル『民のいない神』、ベン・ラーナー『10:04』、アザリーン・ヴァンデアフリートオルーミ『私はゼブラ』(いずれも白水社)、デイヴィッド・マークソン『これは小説ではない』(水声社)など。ギャディス『JR』は日本翻訳大賞、日本翻訳出版文化賞受賞。

「2022年 『愚か者同盟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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