古書店アゼリアの死体 (カッパ・ノベルス)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 149
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334073961

作品紹介・あらすじ

あらゆる不幸を立て続けに体験した相沢真琴は、全てを投げだし、葉崎市の海岸に辿り着いた。ところが、なんと身元不明の死体をみつけてしまう!所持品から、その死体は葉崎の名門・前田家の失踪中の御曹司・前田秀春である可能性が浮かぶ。しかし、秀春の失踪には、きな臭い背景が…。そんなさなか、ロマンス小説専門の古書店アゼリアを経営する前田紅子と知り合った真琴は、紅子が入院する間、アゼリアの店番を頼まれたのだが…。真琴は次なる死体と遭遇することに!絶妙な語り口と濃厚なミステリの味付け!芳醇なるコージー・ミステリの絶品、好評書下ろし第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • 葉崎市で起こる殺人と人間模様が入り組んだお話。古書店アゼリアは店主の紅子が営むロマンス小説専門の古書店だ。登場人物が全て主役になり得るストーリーで、どの登場人物も深層心理が怖い(笑)
    アゼリアがロマンス小説専門という部分が少し取って付けたような印象を受けたのが残念。章のタイトルが映画(ロマンス映画?)のタイトルをもじっていた(波と共に来りぬ、ある泥棒の詩、告げ口がいっぱい、犯人よこんにちは…などなど)のは面白かった。

  • コージーミステリの定義というのがよく判らないのであれだけど。
    この作品に関してはコメディータッチというか、昔読んだ赤川次郎作品みたい。
    話運びは軽いんだけど意外と内容はびっちり詰まってるというか
    読み応えは予想以上にあって面白かった。
    紅子さんが探偵役なのかと思ってたら駒持警部補だったのには驚いたが。
    で、一応の謎解きが終わって事件が片付いた、と見せかけて
    実は探偵役が解ききれなかった、読者しか知らない真相が最後に出てくる。
    全体的にライトなストーリーのラストにこの結末を持ってくる辺りにゾッとした。

    巻末のロマンス小説注釈も面白い。
    『ビブリア古書堂』に続いて、ここにも『たんぽぽ娘』が出てきた
    (実際にはこっちの方が先なんだけど)。
    こうもあちこちで取り上げられてると読みたくなってくるから不思議。
    昔のコバルト文庫はけっこう洋画原作の翻訳モノとかあったんだよね。
    マット・ディロンとかトム・クルーズが出てた『アウトサイダー』の原作は
    コバルト文庫で読んだ気がする。
    氷室冴子さんとかの少女小説が流行るちょっと前。

  • 「ヴィラ・マグノリアの殺人」の舞台となった架空都市・葉崎市、再登場です。といっても、前回の登場人物は少ししか出てこないし、話も繋がってませんのでこの本から読んでもまったく大丈夫です。

    「バカヤロー」海に向かって大声で叫ぶ。そんなささやかな夢を実現したかっただけなのに…。
    勤めていた編集プロダクションはやめさせられ、ホテルからは焼きだされ、新興宗教の執拗な勧誘にあって逃げ出す途中で足を捻挫、と不幸続きな女・相澤真琴は海辺で溺死体を発見してしまった。
    しかもその死体は、12年前に行方不明になった地元の名士・前田家の御曹司、前田秀春らしい。複雑な内部事情やお家騒動もあって身元の確定も捜査も遅れ、真琴は葉崎市に足止めをくらってしまうことに。
    そんな中、ふらりと立ち寄ったロマンス小説専門の古本屋「アゼリア」で、真琴は店主に気に入られ、その場で検査入院中の店番の住み込みアルバイトを任されてしまった。
    そして住み込み初日から店には泥棒が、そして数日後には、前田家の女傑・前田満知子の撲殺死体が…!!

    あいかわらずの若竹コージー。読みやすくてライトなんだけど奥に苦味が詰まっております。でも今回のはあまり後をひかない苦味だったような…?アゼリア店主・紅子のロマンス小説薀蓄の雰囲気に飲まれたせいかもしれません。マニアの会話ってジャンル問わずに妙な迫力がありますからねー。なんだか馴染む雰囲気です(笑)
    伏線が結構いろんなところに散らばってますので、謎解き好きな方ももちろん楽しめると思います(重苦しい本格がお好きなら…ダメでしょうが)。けれども推理トリックよりも、噂話的な人間関係のつながりがコージーの魅力かもしれません。
    なにより巻頭にて、作者本人がこう書いてらっしゃいますからね。

    『さて、コージー・ミステリの場合、真相を知らされた関係者の反応は、おおむねこうである。
    「なにそれ、ひっどーい!」
    だから私はコージー・ミステリが好きなのだ。    』
    昼メロチックな若竹コージー、お楽しみください。

  • 信じられないくらい不幸が重なった末に葉崎市に辿り着いた相澤真琴はひょんなことからロマンス小説専門の古書店の店番を預かることになった。しかしその留守番も一筋縄では行かず……。真琴が発見してしまった死体の正体も何やらきな臭く……。


    葉崎市コージーミステリーシリーズ。相変わらず葉崎市いろいろありすぎでは。順番に読んでないけど時系列あるのかな?ただ登場人物が多いのと関係性がごちゃごちゃしててちょっとわかりにくいというか混乱してしまった。ハッピーに終わるのかと思いきやラストにちょっぴりの毒が効いていてよかった。

  • 誰が主役かわからず、がやがやと騒がしいままラストまで行き着いてしまった印象。

  • ダークなハッピーエンド。
    最後にゾワっときた!

    前作は読んでたけど、登場人物を忘れていたから、彼らのその後が分からずじまいなのが悔しい。
    そもそも覚えてなかったのに。

    若竹さんのコメディタッチと会話のテンポの良さが良いです。

  • 猫島のある葉崎市にあるロマンス小説専門の古書店アゼリアを中心に起きる一連のミステリ。
    題名からするとアゼリアの店主紅子さんが快刀乱麻に颯爽とと解決するのだろうなと思って読み始めました。

    しかし気になるのは、古書店で絶版本やら何やらがたくさんあるのにくわえタバコで店番をする紅子さん…
    火は点けていないのだろうか。
    だがそれでもなあ…

    予想は見事に外され、何とも単純そうでいて複雑な人間関係がひとつの道筋を作ります。
    面白かったです。
    最後の方はちょっと詰め込まれ過ぎだと思いましたが。

  • コージーの意味を辞書で見たら

    居心地のいい…

    って書いてあった。

    可もなく不可もなくだったけど、

    又、読む気にはならない。多分…

  • 久しぶりの若竹さんの作品だったー
    悪いうさぎと同じかんじのほのぼのとした表紙だった。


    不幸のどん底にいた相澤真琴は、葉崎市の海岸で「バカヤロー!」と叫ぶも、そこには男性の水死体が!身元不明の死体だったが、葉崎市の名門の家の現在行方不明中の前田秀春と判明。いろいろあり、真琴は古書店の店主前田紅子から、検査入院中の店番を頼まれるも次から次へと事件は起こるのだった…



    サクサクと読める作品だった。場面展開もいいしね。しかし、前田家は紅子以外はちょっと癖のあるあまり仲良くしたくないかんじの人たちばかりだったわ…


    最後は、なんかみんな確信犯的なかんじで、秀春が最低な人間だったな。しかし、秀春がああいう死に方をしたからこそ、すべてが始まって、すべてが丸くおさまった感があった。



    2012.12.23 読了




    2回目のアゼリア。1度目が5年前…そりゃ、内容は忘れるわな。
    もうアゼリアを中心にして、色々事件が起こりすぎなかんじもする。相澤さんなんて殺されかけてるし。だけど、なんというかドッタンバッタンなかんじが好きだなー


    5年を過ぎて読み返してみたけど、なんというかやはり秀春にはイラッとしたし、もしあんなこと言われたら私でも麻衣と同じことをするかもしれない。
    そして、なんやかんやでしのぶがしたたかだったな。1番怖い。邪魔な人たちが消えて良かったけど、これからどうやって生きていくのか少し心配だな。


    でも、やっぱり最後はしたたかでもみんな幸せになって良かったよ。


    2017.1.7 再読

  • 〈葉崎市〉シリーズ二作目。

    ロマンス小説専門の古書店っていう設定が面白い。
    紅子さん格好いい。でも、淋しい人だな。
    それに引き換え秀春…。自業自得っていうか、全然同情出来ない。

    どちらかというと前作の方が好き。
    だから、前作の人達もちょっと出てくれて嬉しい。
    典子と中里は上手くいってるみたいだけど、芙由と一ツ橋はどうなったんだろう。

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著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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