- 本 ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334074104
感想・レビュー・書評
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「砂漠の薔薇」読了
高校生の奥本美奈はアルバイト先の喫茶店で画家の明石尚子にモデルに誘われる
明石の家に隣接する屋敷では昔、美奈の同級生が惨殺された過去が…
事件の真相を知るために調査に乗り出す、果たしてその真相とは…
#砂漠の薔薇
#飛鳥部勝則
#読者好きな人と繋がりたい
#読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『堕天使拷問刑』のみ既読の作者。同作は怪作と呼べるようなぶっ飛んだ内容で面白かったが、文体や物語全体の雰囲気にかなり癖があったという印象で他の作品に手が伸びていなかった。本作は文庫版の会田誠氏のカバーイラスト「切腹女子高生」に惹かれた部分もあり読んでみた。やはり世界観と登場人物の癖がすさまじかったが、思いの外グイグイと本書の世界に引き込まれて一気読みであった。
神秘的な女子高生と美貌の女性画家、殺され首を切られた博多人形のように美しい親友。モチーフとしては耽美とも言えるのに、不良文化だの壮絶ないじめだのが出てくるせいでとち狂った世界にしか見えない。
ミステリとしては実はかなりフェアに伏線が張られていたことに、謎解きの段階になって気づく。様子がおかしい物語に惑わされて推理どころじゃないのだ。そういうところまで含めて作者の魅力なのだと思う。 -
20年近くも前に、ラファエル前派か、すごいな
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『「人は恐ろしいものには耐え切れない。だから死の恐怖を受け入れるために、《死》に新しい衣をまとわせようとする。たとえ観念の上だけであっても。」
「それが《崇高さ》だと?前世紀の芸術家たちは、死の恐怖を回避するために、それを崇高だと思い込もうとした、と?」』
めちゃくちゃ面白い。ものすごくフェア。飛鳥部勝則の作品、手に入りにくいから大変だけど、他も読みたいなぁ〜。 -
はぁ〜ん。
貴方ってこういう作品を書く人なのね。
『殉教カテリナ車輪』では猫を被ってたってこと?まあその片鱗はあったけどね…
この人の少女描写はなんていうかグロテスク。
黒い一面を極端にデフォルメされた少女には何故か神秘性すら感じてしまう。
ミステリ部分もよく練られており一筋縄ではいかない。
途中披露される穴だらけの物理トリックを経て、物語は解決へと向かうのですが、ここで読者はとある伏線に唖然とすることになる。そもそもこれを伏線などと言っていいのだろうか…
きっと味わったことのない種類のカタルシスを得られるよ!
終盤にある美奈が心の内をぶち撒きながら叫び狂うシーンの官能的なことと言ったら…
この作品をすごく気に入ってしまった自分が嫌になるよ…
頼むから復刊してくれ!
飛鳥部作品すべて。 -
登場人物は美少女高校生、生首ばかり描く女流画家、首無し作品ばかりの彫刻家など、皆まともな感覚じゃありません。「誰が探偵役なのか」も解らない不安定さもあり、最後はどんな着地をするのか検討もつきませんでした。
意外な真相は評価に値しますが、それ以上に伏線の回収がお見事。あからさまな伏線が多いのにも拘らず全く気づきませんでした。
キャラクターがぶっとんでいる割にはインパクトを感じないのと、首切りの動機に多少不満が残りましたが、トータルではよくまとまっていると思います。 -
途中まではそれなりに面白く読めてはいたが、終盤になって伏線を改めてなぞり直すのは頂けなかった。
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エアミス研の某氏より。
砂漠の薔薇、ごちそうさまでした。何だかよくわからない食材で出来た、大振りな料理を食べたような感覚。一回読んだだけでは、物語の背骨がどこを通っているのかもよく分からない。ただ、何だかレオ沈に構造は似てたな、と思う。
ちなみに、個人的な主題歌はali projectの「月蝕グランギニョル」 -
これって後から読み返すと伏線が……あまりにあからさまなんですが(苦笑)。逆にあからさますぎて気づけないパターンかも(←全然気づけなかった人)。特にある部分なんて、あまりにそのままで「嘘だろっ!?」と叫びそうになりましたよ。
個人的にはフェイクの真相が面白かったな。まさかこれではなかろう、とさすがに思ったけれど、これはこれで面白かったと思う。動機も独創的だしなあ。真の真相よりも相当にインパクトはあったんじゃ。
飛鳥部勝則の作品





