張込み―松本清張短編全集〈3〉 (カッパ・ノベルス)

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  • 光文社
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334074821

感想・レビュー・書評

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  • 松本清張の若いころの作品群。今、こうして読んでいると、やはり只者ではないということがよくわかります。

  • 歴史小説やサスペンスと様々な8編の短編集ですが、主人公はみな、嫉妬、鬱屈、後悔、空虚とかそういうものを抱えた人達です。人間いい歳になれば少なからず多からず抱えていることではないでしょうか。我が事のように結末がどうなるのか気になって読んでました。

    一文が簡潔にまとまり、かつテンポよく、詩の如き文章。
    TVか映画を見てるようにスラスラ読み進みます。

  • 松本清張作品として読む2作目。
    表題作「張込み」が好き!と読書友達が語っていたので、それなら是非と手に取ったが、私もこの作品はよいと思ったし、何よりも松本清張の女性に対する紳士的な感覚に、惚れ惚れとした。
    比較的初期の作品群ということもあってか、文章の硬さのようなものを感じたが、未熟な文章というよりは、剛健な人間性が伝わる文章がすがすがしい。
    私の松本清張に対する捉え方が変化した1冊。

    「張込み」
    殺人犯と、今は年の離れた夫の後妻となったかつての女と、それを追う刑事の数日間の話。とつとつと時間が過ぎ行く中、淡々と追い詰めていく刑事の最後の一言が秀逸。人として、惚れた。

    「腹中の敵」
    戦国時代の話ではあるけれど、現代にも通じる話で、嫉妬と一言で言えない感情が一つの話になるんだなと思えた1作。

    「菊枕」「断碑」「石の骨」
    この3作はともに主人公が、そこそこの才能と、かなりの上昇志向と、不遇な状況に始終憤怒している様子が非常に似ていた。
    「菊枕」の主人公ぬいの狂気の様は切ないし、彼女の冴えない旦那がぬいの愛を取り戻したと感じるあたりも不器用な愛を感じることができて、哀しい。

    「父系の指」
    なかなか感想にまとめるのがむずかしいけれど、なんとなくおじいさんやおばあさんが、世が世ならねぇ云々と語っていた話のようで、きらいな話ではないけれど、現代ではありえないような昔話の気がした。

    「五十四万石の嘘」
    これはいまいちだった。

    「佐渡流人行」
    ザ・時代劇という話。これはぜひ映像で見たい気がした。

  • シンプルな文章で綴られた、短い作品。濃度が濃い。
    嫉妬。見栄。狂わしいほどの。丁寧で大胆な掬い方だと思う。

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著者プロフィール

●1909年、福岡県に生まれる。印刷工、新聞社社員を経て42歳で作家の道へ。「或る『小倉日記』伝」で芥川賞受賞。『点と線』『眼の壁』『砂の器』『ガラスの城』『黒革の手帖』など推理小説の第一人者として多くの作品を発表する一方、『日本の黒い霧』『昭和史発掘』などノンフィクション分野でも活躍。日本ジャーナリスト会議賞、吉川英治文学賞、菊池寛賞、朝日賞など受賞多数。1992年死去

「2017年 『徳川家康 (新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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