青葉の頃は終わった (カッパ・ノベルス)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334074913

感想・レビュー・書評

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  • 若いということは、自分の今の世界が全てで、他の可能性が見えず、その自分の枠の中でもがき苦しんで生きることなのだろう。
    悪意のなき地獄はきっと、悪意のあるそれよりも苦しい。

    ミステリとしての出来は△だが、物語としての内容はよかった。ただ、瞳子という存在を語られるだけの存在として終わらせてしまったことは、意図的な演出ともとれるものの、創作者として書くことに挑戦しても良い部分なのでは、と感じた。

    身近な人の死に際して、その人の物語を知り、納得することが、その死を受け容れるための唯一の手段なのかもしれない、とそんな風に思った。

    - 2006年1月中旬に読了
    9年前の読書メモにあった感想

  •  愛情が時に呪縛となること、以前から薄々感じている事ではあったけどはっきりと書いてある本にであったな。 
     ただ、物語の謎(自殺の原因)として上手く機能していないような…ちょっとこじつけというか唐突な感じが否めない。ミステリーとしてではなく、青春物として読んだほうが楽しめる。

  • 瞳子はなぜ死んだんだろう。
    私は年をとってしまったんだろうか。
    余り共感できないのが残念でした。

  • それぞれの登場人物の造形はそれなりに魅力的なんだけど、もうひと押しが足りない。ミステリの体裁をとってはいるけれど、100%ミステリだと言い切れるかといわれるとためらいが残る。

  • 近藤さん特有の、ストーリーの時間の使い方と、お話をかき混ぜ過ぎない程よい加減が感じられた作品。

    物語自体は微妙。読み手の好みじゃなかったと言う事かな。

  • [2012.02.17]

  • やるせない気持ちになった。

  • 久々に近藤史恵。新書サイズなので帰省用にとって置いたもの。結局、瞳子がなぜ自殺したのか、なぜみんなにはがきを送ったのか、よく分からなかったな。結局、レイプしたあの男2人組が悪いとしか思えない。ほんと、こういう考えの人間は死ねばいいと思う。こういう人たちの影で、どれだけの女性が傷つき、それに影響を受ける人間が男女問わず、どれだけいることか。大学時代の友達関係が大人になってから続くのは羨ましい。でも、一緒にいたところで、結局相手のことなど理解できないのだ。そう思って、付き合っていくしかないのだ。

  • 途中までどこがミステリー?
    単なる恋愛小説じゃんと思ったけど出てくる人の話が絡みあって意外と面白かった。
    自分の20代や大学時代を思いだしそう。

    綺麗過ぎる女の子を題材としてその人が自殺する小説はごまんとあるけど、その中でも、まぁいい方かな。

  • ミステリに分類したけど、どちらかというと青春小説。切ないけど、なんとなく爽やかに読み終わる。不思議。

    大学時代の仲間の1人が自殺した。その自殺について、仲間たちは原因を探り、考え、悩み、そして互いを、いたわり、疑い……。前半は青春群像的な要素が強かったのだけれど、途中から自殺の裏を探る謎解きへ。

    最後まで、着地点が分らないまま惹き込まれて読みました。着地点が納得できるのかどうかは別として(たぶん、人によって感じ方が違うと思う)、どこに連れていかれるのか分らない感じは面白かった。

    読みながら思い出したのは、東野圭吾さんの「卒業」。「卒業」は本格ミステリとして謎解きに力を入れているけれど、この作品とは、人間関係の切なさの部分が似ているな、と。

著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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