ミステリアス学園 (カッパ・ノベルス)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 124
レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334075095

感想・レビュー・書評

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  • この何ともいえないチープな香りに惹かれて読んだのですが・・・

    いや、期待を裏切らない香ばしい感じでした笑


    以下ネタバレが激しいのでもし読もうという人がいたら読まない方がいいです絶対。




    ミスミス研の皆さんがそれはもうびっくりするくらいミステリーオタクで!
    私なんか足下にも及びません・・・そうか、本当に好きな人はその歴史まで知っているのね・・・

    それはもう多くのミステリー作家の名前と作品名が登場するのですが(主人公のミステリー初心者への解説という形で)何人か好きな作家さんもいてちょっとわくわくしました。
    全員の本を読んだことがあればもっと楽しいんだろうな。

    本格か・・・本格の定義。
    むしろ、ミステリーを読まない人にとっては「本格ってなに?」状態なのかもしれませんが。
    レベル分けはわかりやすくていいと思います。
    ミステリってとっても幅が広いけれど、やっぱり「謎」があるからこそのミステリな訳で。
    このレベル分けすらも読者の主観によってしまうから意味がないといわれればそうかもしれないけれど・・・(結局どっち??)

    私の場合たとえば三浦しをんさんと好みが似ている気がするので、彼女がレベル分けをしてくれたら読みやすい・・・なんて思ったわけです。つまりタイプ別本格レベル表?
    ・・・まあきりがないからいいや。

    えー、ストーリーとしては「マトリョーシカ方式」が引き込まれて面白かった。
    この方式じゃなかったら最終話絶対「ふざけるな」と思ったけれど、徐々に転がっていく感じがなんとも・・・

    え?架空?え?本当の話なの??
    という揺らぎがだんだんと落ち着いて。
    落ち着いたかと思いきや世界が揺らいで。

    そう。
    この考え方、現実世界でもいえると思います。
    だって、「知らないもの」は「存在しない」と限りなく同義だから。

    知識としてあるものだって、それは2次元のようなもの。
    現実として認識できるのは、「見て」「聞いて」「触れて」「嗅いで」「味わって」・・・五感でで感じたものだけ。
    それすら「自分の感覚」を疑ってしまったら、確信できるものなんてありはしない。

    「無関心」は「殺人」と似ている。
    無いものとして扱えば、消えてしまう。

    うーん、こんな殺害方法があったとは。
    そう、次読むとき「同じ話」として認識できるかはわからない。
    たとえば漢字を読み違えてしまったら別の人間だし。
    たとえば想像上のビジュアルは人によって変わるだろうし。


    「エナジー」って単語がでたときは「セーラームーンかよ」と突っ込みたくなりましたが、「犯人でなくなった」私はこの話を好きになりました。

  • 本格ミステリであり、アンチミステリであり、メタミステリであり、ミステリ論でもある。
    実験的な趣向の作品。
    国内ミステリの代表的な密室ものとして、森博嗣『すべてがFになる』が挙げられていたのは、ファンとして感激。

  • 劇中作を上手く使い、それだけでミステリーになっているんですけど、何といっても『ミステリー講義』が見もの。ミステリーの分類、歴史などが良くわかる。最後には年表までついていて親切。ミステリー好きの人、初心者の人、どちらも楽しめると思います。

    主人公の推理上のパートナーと思われたヒロインが途中で死亡して離脱、という展開に驚いた。
    そして、途中の一遍(実は老人だったミス研部長の話)は別の短編で読んだ記憶があったんですが、まさか全編通してこうつながっているとは!
    更にラストのオチ(読者が犯人)は、これでいいのかと思う反面、思い切ったなぁ! と思いました。

    ラストに、作者さんが独自でミステリーを分類した表が載ってます。話の他にこれを見ても楽しめる感じ。
    ヨコ軸には話の論理度、タテ軸には話中でミステリー要素が占める割合を取ってあり、各座標に作家の名前が書いてあると言うもの。
    それによると、やはり私はバリバリのミステリーというよりも青春要素やホラー要素が加わった軽めのものが好きらしい。
    その周辺にいる作家さんの作品を読めば好みと合致するみたいなので読んでみようかと思います。

  • カバーデザイン / 泉沢 光雄
    カバー撮影 / 佐藤 充男
    初出 / 季刊『GIALLO』光文社・2001年夏号~2003年冬号7回連載

  • 中1のときに読んだものを読み返してみた。装丁は文庫版のほうが好みだけどポスターがいい。
    ミステリについていろいろ知ることができるし、名作(?)の類をたくさん知ることができるので、これを参考としてもっとミステリを読んでいきたい。まだまだ先が長い…。

  • 良くも悪くも、初めて読むテイストのお話。
    途中から、先が読めてしもうたけど、
    まぁ、読んだことない感じじゃったけえ、
    面白かったと思う。

  • この本自体はとても本格ミステリとは言えないけど(そもそもこのタイトルと出だしで本格ミステリを期待する人なんているんだろうか)本格好きの考察本としては思わずニヤリとしてしまう内容。
    ミステリアス学園ミステリ研究会によるミステリ論評会。本筋からは外れた私見だけど、新本格って要するに京大ミス研出身者のことだよね。
    手法としてはマトリョーシカ方式のメタフィクション。メタネタ嫌いなので、最後はがっかりもいいところ。
    本筋の小説としての評価は低いけど、本格の紹介本としての評価はそれなりってところ。

  • ミステリアス学園ミステリ研究会、略して「ミスミス研」に入部した、松本清張の「砂の器」しか読んだことがない新人部員の湾田乱人(ワンダランド)くんが巻き込まれる、部員の連続不審死事件。
    謎解きの部分より、ミスミス研の中で交わされる、ミステリの歴史や本格の定義、密室の分類、アリバイの分類、ダイイング・メッセージの分類など、ミステリ談義が面白ろかった。
    究極の完全犯罪として書かれているラストは、賛否両論あるだろうが、やや消化不良。

    巻末の「本格ミステリ度MAP」「ミステリ作家実質デビュー年区分表」は貴重な資料

    (図書館)

  •  初、鯨統一郎。当たり。久々にヒット。
     メタミステリだね。こう云うのは大好き。ただ、少しオチにキレが足りないけど。
     二転、三転ところころ結末が転がっていく。転がりすぎて読者を置いていく作品もあるが、これはそうではなかったかな。
     抜粋。
    「いいえ。ぼくは何もやっていません。ただ、本格ミステリを好きになり始めただけですよ」
    「本格ミステリ? なんだそれは」
    「美しい物語です」
     裏表紙にも抜き出されていた台詞。素敵過ぎる。
     ただ、この会話も好きだけど、やっぱり、忠告文と最初の一行に煽られた。本屋で見かけて、ぺらってめくって、忠告文と最初の一行を読んですぐにレジに持っていたくらいに。

    03.03.27

  • 短編集と見せかけた中編。全編を通して語られるミステリ談義はなかなか面白かったけれど、第5章辺りから「怪しい雲行き」になりはじめるのがまたたまらない(笑)

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著者プロフィール

一九九八年、『邪馬台国はどこですか?』でデビュー。大胆な歴史解釈から、日本の常識を覆す独自の作品が話題を呼ぶ。以来、歴史だけではなく幅広い題材を用いて、次々と推理小説を発表している。著書に「喫茶〈ひとつぶの涙事件簿〉」シリーズ、「女子大生桜川東子の推理」シリーズ、『幸せのコイン』『タイムスリップ信長vs三国志』『歴女美人探偵アルキメデス 大河伝説殺人紀行』『歴史はバーで作られる』『崇徳院を追いかけて』『作家で十年いきのびる方法』など多数。

「2018年 『ただいま家事見習い中』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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