ミステリアス学園 (カッパ・ノベルス)

  • 光文社 (2003年3月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784334075095

感想・レビュー・書評

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  • この何ともいえないチープな香りに惹かれて読んだのですが・・・

    いや、期待を裏切らない香ばしい感じでした笑


    以下ネタバレが激しいのでもし読もうという人がいたら読まない方がいいです絶対。




    ミスミス研の皆さんがそれはもうびっくりするくらいミステリーオタクで!
    私なんか足下にも及びません・・・そうか、本当に好きな人はその歴史まで知っているのね・・・

    それはもう多くのミステリー作家の名前と作品名が登場するのですが(主人公のミステリー初心者への解説という形で)何人か好きな作家さんもいてちょっとわくわくしました。
    全員の本を読んだことがあればもっと楽しいんだろうな。

    本格か・・・本格の定義。
    むしろ、ミステリーを読まない人にとっては「本格ってなに?」状態なのかもしれませんが。
    レベル分けはわかりやすくていいと思います。
    ミステリってとっても幅が広いけれど、やっぱり「謎」があるからこそのミステリな訳で。
    このレベル分けすらも読者の主観によってしまうから意味がないといわれればそうかもしれないけれど・・・(結局どっち??)

    私の場合たとえば三浦しをんさんと好みが似ている気がするので、彼女がレベル分けをしてくれたら読みやすい・・・なんて思ったわけです。つまりタイプ別本格レベル表?
    ・・・まあきりがないからいいや。

    えー、ストーリーとしては「マトリョーシカ方式」が引き込まれて面白かった。
    この方式じゃなかったら最終話絶対「ふざけるな」と思ったけれど、徐々に転がっていく感じがなんとも・・・

    え?架空?え?本当の話なの??
    という揺らぎがだんだんと落ち着いて。
    落ち着いたかと思いきや世界が揺らいで。

    そう。
    この考え方、現実世界でもいえると思います。
    だって、「知らないもの」は「存在しない」と限りなく同義だから。

    知識としてあるものだって、それは2次元のようなもの。
    現実として認識できるのは、「見て」「聞いて」「触れて」「嗅いで」「味わって」・・・五感でで感じたものだけ。
    それすら「自分の感覚」を疑ってしまったら、確信できるものなんてありはしない。

    「無関心」は「殺人」と似ている。
    無いものとして扱えば、消えてしまう。

    うーん、こんな殺害方法があったとは。
    そう、次読むとき「同じ話」として認識できるかはわからない。
    たとえば漢字を読み違えてしまったら別の人間だし。
    たとえば想像上のビジュアルは人によって変わるだろうし。


    「エナジー」って単語がでたときは「セーラームーンかよ」と突っ込みたくなりましたが、「犯人でなくなった」私はこの話を好きになりました。

  • ミステリ講義を楽しみながら、メタミステリが展開されるのも堪能できる、こみいった、しかし実にカジュアルでユニークな名品だ。
    例えば、主人公と部長との、以下のような対話。
    「こういう言葉を知ってるか?〝君の意見には反対だ。でも君がその意見を表明する自由はぼくも命がけで守る〟」
    「ええと、有栖川有栖が清涼院流水に言った言葉でしたっけ」
    「ちがう」(p230)
    ミステリのマッピングができている読者は、にやりとするところではないか。
    ミステリ好きは手元に置くべし。

  • バカミス。かつメタミステリ。作中作の形式をとりながらミステリ研のメンバーがひとりずつ消えてゆく。あまり語られることのない、新本格以前、以後の推理小説年表はためになるのでは。真相はなかなかではないか。パラドックス学園とセットで読むとよい。

  • 古今東西のミステリものの代表作をわかりやすく網羅してくれる入門的書籍。これで興味をもった分野・ジャンルから順に読み始めればハズレはなさそう。おおよその年表も役に立つ。

  • 本格ミステリであり、アンチミステリであり、メタミステリであり、ミステリ論でもある。
    実験的な趣向の作品。
    国内ミステリの代表的な密室ものとして、森博嗣『すべてがFになる』が挙げられていたのは、ファンとして感激。

  • カバーデザイン / 泉沢 光雄
    カバー撮影 / 佐藤 充男
    初出 / 季刊『GIALLO』光文社・2001年夏号~2003年冬号7回連載

  • 中1のときに読んだものを読み返してみた。装丁は文庫版のほうが好みだけどポスターがいい。
    ミステリについていろいろ知ることができるし、名作(?)の類をたくさん知ることができるので、これを参考としてもっとミステリを読んでいきたい。まだまだ先が長い…。

  • この本自体はとても本格ミステリとは言えないけど(そもそもこのタイトルと出だしで本格ミステリを期待する人なんているんだろうか)本格好きの考察本としては思わずニヤリとしてしまう内容。
    ミステリアス学園ミステリ研究会によるミステリ論評会。本筋からは外れた私見だけど、新本格って要するに京大ミス研出身者のことだよね。
    手法としてはマトリョーシカ方式のメタフィクション。メタネタ嫌いなので、最後はがっかりもいいところ。
    本筋の小説としての評価は低いけど、本格の紹介本としての評価はそれなりってところ。

  • ミステリアス学園ミステリ研究会、略して「ミスミス研」に入部した、松本清張の「砂の器」しか読んだことがない新人部員の湾田乱人(ワンダランド)くんが巻き込まれる、部員の連続不審死事件。
    謎解きの部分より、ミスミス研の中で交わされる、ミステリの歴史や本格の定義、密室の分類、アリバイの分類、ダイイング・メッセージの分類など、ミステリ談義が面白ろかった。
    究極の完全犯罪として書かれているラストは、賛否両論あるだろうが、やや消化不良。

    巻末の「本格ミステリ度MAP」「ミステリ作家実質デビュー年区分表」は貴重な資料

    (図書館)

  •  初、鯨統一郎。当たり。久々にヒット。
     メタミステリだね。こう云うのは大好き。ただ、少しオチにキレが足りないけど。
     二転、三転ところころ結末が転がっていく。転がりすぎて読者を置いていく作品もあるが、これはそうではなかったかな。
     抜粋。
    「いいえ。ぼくは何もやっていません。ただ、本格ミステリを好きになり始めただけですよ」
    「本格ミステリ? なんだそれは」
    「美しい物語です」
     裏表紙にも抜き出されていた台詞。素敵過ぎる。
     ただ、この会話も好きだけど、やっぱり、忠告文と最初の一行に煽られた。本屋で見かけて、ぺらってめくって、忠告文と最初の一行を読んですぐにレジに持っていたくらいに。

    03.03.27

  • 短編集と見せかけた中編。全編を通して語られるミステリ談義はなかなか面白かったけれど、第5章辺りから「怪しい雲行き」になりはじめるのがまたたまらない(笑)

  • ミステリについての分析、ミステリの歴史など、なかなかおもしろく勉強になった。
    ミステリ論かと思って読んでいたら、この作品自体がミステリだった。
    最初の方の次々事件が起こるあたりはおもしろかったけど、ラストは…うーん、どうだろう。

  • 普通の入れ子細工の作品でも結構
    楽しめたと思うのですが、ラストの
    話が少し(?)かな・・・

    鯨先生らしい面白い作品です!

  • 面白かった!バカミスと言うジャンルに初めて触れた。

  • 期待して読むべからず。

  • 2011/4/24読了。

  • あとがきで乾くるみが指摘しているようにこのパターンの犯人は既に使われてしまっている。それだけに読後感に驚きが少なかったのは事実。逆に推理小説論として読んでしまった方が面白いのかも。話が進むにつれてどんどん人が少なくなっていくのは「そして誰もいなくなった」的。挿絵の影の人姿はどこかで見たことがあるような、ないような。

  • 犯人はあなたではない。

  • ミステリアス学園のミステリ研究会の7人の部員達が次々と死んでいく。意外な犯人とは?


    一話完結の形ですが、入れ子のように次の話で前の話を部員の書いている小説として取り込んでいます。その中でミステリーの歴史や本格の定義などが語られているのですが、雑食の私としましてはそんなにジャンル分けにこだわらなくとも・・・と思ってしまうのです。
    子どもの頃読んでいたのが、ホームズ派は本格マニアになりルパン派は冒険やサスペンスにも興味を持つというのは、なんだかそれっぽく感じられましたし、キャラ萌え(私的にはキャラ読みという表現を推奨)なんて言葉がちらりと出てきたのが嬉しかったです。
    ただ、内容的には今一つ。本格を語るにはだいぶ寂しい中身でしたね。絶倫(?)部長が御老人って・・・特に最終話は「意外な犯人」と銘打っておきながらありきたりな手法でつまらなかったです。

  • 前半の一編一遍は謎の提示・解決とも面白く読めます。ミステリマニアならニヤリとしながら読めるんじゃないでしょうか。
    私は偏ったマニアなので、半分くらいしかニヤリとできなかったんですけど。

    全体の流れのラストは、読み始めてすぐに想像することができ、想像したラストがまんま出てきましたね。
    その点、推理小説としては、どんでんがえしがないつまらない作品かもしれない。
    けど。
    たぶんこの作品はそこに焦点があるわけではないのですよね。
    本格を好きな人・本格を書いている人は、たいていのひとが「本格とはなにか」とか、「本格の意義」みたいなものを考えていて、何人かの人はそれを本にしている。東野圭吾の『名探偵の掟』とか。
    それぞれ形はぜんぜん違うけど、これもそういう類の本なんじゃないかなあ。
    だから、とらえかたは人それぞれ、ですよね。

    わたしは本格、好きですよ。
    本格はさー、ファンタジーだよね。本の中だけで、だからこそ許されるものだと思うんだけどな。ありえないシチュエーションも、推理のこねくりも、パズルも、あざやかな結末も。
    それがいいんだってば!

    ところで、最後のほうに、作家図が載ってるんですよ。これ、けっこう面白いです。
    自分がどこら辺の趣味なのかがわかりますよ。この本を読むような人はすでにわかってそうだけど。

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著者プロフィール

鯨統一郎
一九九八年、『邪馬台国はどこですか?』でデビュー。大胆な歴史解釈から、日本の常識を覆す独自の作品が話題を呼ぶ。以来、歴史だけではなく幅広い題材を用いて、次々と推理小説を発表している。著書に「喫茶〈ひとつぶの涙〉事件簿」シリーズ、「ハウスワーク代行・亜美の日記」シリーズ、「女子大生桜川東子の推理」シリーズ、「歴女美人探偵アルキメデス」シリーズ、『タイムメール』『女子大生つぐみと古事記の謎』『作家で十年いきのびる方法』など多数。

「2022年 『カルトからの大脱出』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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