- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334075095
感想・レビュー・書評
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この何ともいえないチープな香りに惹かれて読んだのですが・・・
いや、期待を裏切らない香ばしい感じでした笑
以下ネタバレが激しいのでもし読もうという人がいたら読まない方がいいです絶対。
ミスミス研の皆さんがそれはもうびっくりするくらいミステリーオタクで!
私なんか足下にも及びません・・・そうか、本当に好きな人はその歴史まで知っているのね・・・
それはもう多くのミステリー作家の名前と作品名が登場するのですが(主人公のミステリー初心者への解説という形で)何人か好きな作家さんもいてちょっとわくわくしました。
全員の本を読んだことがあればもっと楽しいんだろうな。
本格か・・・本格の定義。
むしろ、ミステリーを読まない人にとっては「本格ってなに?」状態なのかもしれませんが。
レベル分けはわかりやすくていいと思います。
ミステリってとっても幅が広いけれど、やっぱり「謎」があるからこそのミステリな訳で。
このレベル分けすらも読者の主観によってしまうから意味がないといわれればそうかもしれないけれど・・・(結局どっち??)
私の場合たとえば三浦しをんさんと好みが似ている気がするので、彼女がレベル分けをしてくれたら読みやすい・・・なんて思ったわけです。つまりタイプ別本格レベル表?
・・・まあきりがないからいいや。
えー、ストーリーとしては「マトリョーシカ方式」が引き込まれて面白かった。
この方式じゃなかったら最終話絶対「ふざけるな」と思ったけれど、徐々に転がっていく感じがなんとも・・・
え?架空?え?本当の話なの??
という揺らぎがだんだんと落ち着いて。
落ち着いたかと思いきや世界が揺らいで。
そう。
この考え方、現実世界でもいえると思います。
だって、「知らないもの」は「存在しない」と限りなく同義だから。
知識としてあるものだって、それは2次元のようなもの。
現実として認識できるのは、「見て」「聞いて」「触れて」「嗅いで」「味わって」・・・五感でで感じたものだけ。
それすら「自分の感覚」を疑ってしまったら、確信できるものなんてありはしない。
「無関心」は「殺人」と似ている。
無いものとして扱えば、消えてしまう。
うーん、こんな殺害方法があったとは。
そう、次読むとき「同じ話」として認識できるかはわからない。
たとえば漢字を読み違えてしまったら別の人間だし。
たとえば想像上のビジュアルは人によって変わるだろうし。
「エナジー」って単語がでたときは「セーラームーンかよ」と突っ込みたくなりましたが、「犯人でなくなった」私はこの話を好きになりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本格ミステリであり、アンチミステリであり、メタミステリであり、ミステリ論でもある。
実験的な趣向の作品。
国内ミステリの代表的な密室ものとして、森博嗣『すべてがFになる』が挙げられていたのは、ファンとして感激。 -
ミステリアス学園ミステリ研究会、略して「ミスミス研」に入部した、松本清張の「砂の器」しか読んだことがない新人部員の湾田乱人(ワンダランド)くんが巻き込まれる、部員の連続不審死事件。
謎解きの部分より、ミスミス研の中で交わされる、ミステリの歴史や本格の定義、密室の分類、アリバイの分類、ダイイング・メッセージの分類など、ミステリ談義が面白ろかった。
究極の完全犯罪として書かれているラストは、賛否両論あるだろうが、やや消化不良。
巻末の「本格ミステリ度MAP」「ミステリ作家実質デビュー年区分表」は貴重な資料
(図書館) -
面白かった!バカミスと言うジャンルに初めて触れた。
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まるで、大学の講義のよう。「ミステリーとは何か」ということを学ぶことができるのが大きな特徴だろう。
ちょっと不思議な感じのするメタミステリー。
皆様が犯人になりませんように(笑)。。。 -
たくさんのミステリ講義が読めるところがよかった。ミステリの歴史や、トリックの分類など、読んでいると古典ミステリが読みたくなってくる。全然読んでないけど。ストーリーもとても凝っていて面白かったし、オチも嫌いじゃない。こういうのが許せるようになったってことかな。
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すごい作品があったものだ。<br><br>
ミステリといえば、誰の名前を挙げるか?<br>
色々な人の名前が出てくると思う。<br>
ここで固有名詞を上げるとあほらしいほど長くなるので割愛するが、私くらいの読者であっても数十人単位で出てくる。もしかすると百人くらい出てくるのかもしれない・・・。<br><br>
そんな長い歴史を持つミステリの歴史を一冊の本にそしてミステリにしてしまった意欲作。<br><br>
この本を読めば、日本ミステリの流れと大まかな作家名は全てわかるという一品。<br><br>
ただし、ミステリ部分は簡単に出来ており、どちらかといえば読みやすいトリビア本になっている。 -
本格ではないが、なかなか面白かった。ラストはいまいち…?
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一言で言えば「よくこんなの書いたなぁ」といった所。どうだろう、1/3くらい呆れて、2/3くらい称讃の気持ちで。やはり鯨統一郎は、当たれば大きい。でも普段は三振ばかり、で目が離せない。